メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

【完結枈】さようなら、おはよう、たたい぀か【二幎九組十二番 癜石怋】ep.1/8

    その朝、僕は先に発た぀友の芋送りにも行かず、ただ圌の抜け出た埌の蒲団の枩ぬくみを探っおいた。
    勿論、そんなものが残っおいるはずもない。
    圌のものだず信じた枩みは、僕自身からにじみ出た䜓枩であった。
    それでも、よかった。
    ずいうのは匷がりだ。
    せめお、「おはよう」に「おはよう」ず返しおおけばよかったずそればかりを悔いおいる。

    巻き戻らない時間を無理矢理にでも巻き戻そうずもがいた僕の懐䞭時蚈は今、四時十六分を指しおいる。
    倪陜が屋根のおっぺんを焌く四時十六分なんお、ひどいペテンだけれども。

    もう、死んでも構いやしない。
    そんなこず、思わなくたっおどうせ死ぬんだ。
    だから、飯だっお食わなくっおいい。
    匷がっお、芋なかったこずにしおいた握り飯を口䞀杯に詰め蟌んで、朚造りの床を螏み鳎らした。

    悔しい、悔しい、悔しい
    ただ、十六じゃあないか
    僕たちは、ただ十六じゃあないか

    䜕の気なしにもう十四だよず蚀ったあの春を、僕は今、烈しく悔いおいる。
    卒業の日の朝を、今、烈しく悔いおいる。
    圌は、どうだろう。

    あの春に、圌は僕ず同じこずを蚀っただろうか。
    あの䞉月に、圌は僕ず同じこずを思っただろうか。

    初めお亀わした蚀葉をよく芚えおいる。
    「君も、十六か。」
    「君もか。」

    あれは、もう、のほう
    それずも、ただ、のほう

    ──芖界良奜。
    雲ひず぀ない、青空だ。

    「芋られなくお、残念だ。」
    圌は、そう思っおいるだろうか。
    昚日、䞀生懞呜に磚いた窓硝子。
    そこから芋える青い空。
    この青色を芋るこずなく、圌は発ったのだ。

    僕が芋䞊げるこの空を、圌は航空県鏡こうくうがんきょう越しに芋おいる。
    芋おいるだろうね
    芋おいおくれ。
    昚日、がろ切れで䞀緒に磚いた窓硝子からみえる、あの機圱は、君か。
    そうなのか。
    いいや、違うね。
    自囜のものかも、怪しいね。

    䞋から芋る空ず、䞭に入っお芋る空は、どちらの方が青いのか。
    そんな話で喧嘩をした。
    圌は、思い出すだろうか。

    「雲の䞭っおのはあっおも、空の䞭っおのはないんだよ。」
    「珍しいね。お前の方が倢のないこずを蚀うなんお。」
    「なんだよ。人のこず倢遊病みたいに蚀っお。」
    「違うの」
    「  意地が悪いな。」

    毎日毎日、喧嘩をしたり、笑い合ったこずを。
    食うなず蚀われた梚をこっそり食っお、二人しお腹を壊したこずを。

    僕の名を呌ぶのが聎こえなくなったのを確認しお、ようやく倖ぞ出た。
    暑苊しい色の花が壁の前で揺れおいる。

    「根腐れしおしたうよ。」
    僕がいくら蚀っおもきかないで、圌がじゃぶじゃぶ氎を掛けおいた鳳仙花も今では凛ず胞を匵り、燃えるように咲いおいる。

    い぀になれば終わるのだろう。
    こんな日々は。
    い぀たで続くのだろう。
    この感情は。

    圌はきっず、垰らない。
    僕もきっず、垰らない。

    怖くないか。
    怖くないず蚀えば嘘になる。
    ただ、もう、垰りたいずも思えないのだ。

    ただ発っおもいないのに、可笑しいね。
    せめお誰かに笑っおほしくお、暪に立぀女生埒にひたすらに喋り続けた。

    おはよう、おやすみ、さようなら。
    さようなら、ありがずう。
    ありがずう、さようなら。

    最期の蚀葉を決めかねる。

    でも、そろそろ。

    ──おはよう。

    この服はずおもじゃあないが、青い空には䌌合わない。
    だからせめおこのあず黒雲たち眩こめお、僕の残骞ごず土に還しおくれたなら。

    そう願うこずも莅沢だず、倧人は咎めるだろうか。


    習䜜です。

    ↑
    井䞊ず癜石シリヌズ、党郚詰めたマガゞンできたした。
    完結枈み、読切、連茉䞭たで党郚ありたす。
    基本的に䞀話完結で読めるので、どこから読んでも倧䞈倫です。

    ↑
    こちら昚日の。
    だいたいの時代蚭定は近いです。

    ↑
    これは倚くの方に読んでいた習䜜。
    図曞通の話。

    ↑
    習䜜掌線集、井䞊ず癜石シリヌズ、レゲボンラむブ線完結しおいたす。

    ↑
    初めおの長線は倧正時代が舞台です。

    ↑
    二本目の長線は珟代の恋愛です。

    ↑
    癜石が家にやっおくる

    ↑
    氎兵リヌベのリヌベっお䜕だ

    ↑
    ゆきお様・解説
    これがなんの話なのか芋砎っおくださっおいたした。
    びっくり。
    その䞊で、金鳳花や服の色の圹割たで、倚岐にわたっお解明しおくださっおいたす。

    この蚘事が参加しおいる募集

     
     
    ラブラドヌルの匂いで肺を満たしたいアラりンドサヌティ。 9歳児に芪育おされおいる本末転倒人間。 文字に嫌われた人間が、し぀こく文字を掻き集める滑皜な姿を東京の片隅からお送りしおおりたす。 ※連茉小説も基本的には䞀話完結ずしお読める構成を目指しおいるので、おじけづくこずなかれ。

    あなたぞのおすすめ