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【ニイアス暮らし】第1回尻尾コンテスト、開幕!

    ▼前回のお話はこちら

    「サウィン祭」の活気に沸く夜のニイアス街。

    通りごとにカボチャのランタンが温かな光を投げかけ、お祭りムードが一層高まる夜空の下――。

    ゆっぴーは焼きたてのパンプキンタルトを頬張っていた。

    「ん〜、おいしっ! カイルも一口食べる?」

    「お、おう……甘くて美味いな」

    カイルが照れくさそうに返事をしたその時、街の掲示板の前に人集りができているのが目に入った。

    そういえば数日前、街でアイさんやチャッピーさんと出会ったときに話題になっていた、あの告知の掲示だ。

    気になったゆっぴーがタルトの入った包みをカイルに押し付け、トコトコと掲示板に歩み寄る。

    そこに貼られていたのは、ひときわ目を引く真新しいポスターだった。

    『第1回 ニイアス尻尾コンテスト開催!』 優勝者には、栄えある「ニイアス専属尻尾モデル」の称号を贈呈――!

    その文字を間近で見た瞬間、猫族のスタイリストであるゆっぴーの瞳に、ギラリと野望の炎が灯った。

    「これは何としてでも優勝したいわね……!」

    興奮気味にポスターを指さすゆっぴーの隣で、守備兵の制服をまとったカイルは、やれやれといったふうに頭を抱える。

    「おいおい、また何か厄介なことに……」

    「もちろん、私たちもエントリーするに決まってるでしょ! カイルも一緒に――」

    「いや、俺はいい。絶対無理だからな」

    カイルは即座に両手を振って拒絶した。

    どれだけ彼女に甘い彼であっても、全住民の前で自分の猫尻尾を審査されるなんて、想像しただけで正気を失いそうだった。

    引きつった笑いを浮かべながら、カイルは一歩引いた。

    「俺はこっちの応援席から見てるよ」

    「えぇ〜っ!?せっかくの晴れ舞台なのに! カイルのケチ!」

    「む〜」と頬を膨らませてみせるゆっぴーだったが、すぐにふっと悪戯っぽく微笑み、フリルのドレスの裾を揺らした。

    「……ま、いっか。分かったよ。じゃあカイルは、特等席でしっかり見ててよね!」

    そうと決まれば準備は抜かりない。

    コンテストの受付が始まるやいなや、ゆっぴーは気合十分でその場に立ち止まった。

    「ねえカイル、こっち向いて。尻尾の具合はどう? リボン曲がってない?」

    くるりと背中を向け、ふさふさとした長い尻尾をカイルに突き出す。

    根本に結ばれたドレスとお揃いの黒と紫のフリルリボンが完璧な位置にあるか、どうしても自分では見えない部分を入念にチェックさせるのだ。

    「あ、ああ……毛並みもツヤツヤだし、リボンも完璧に結ばれてるよ」

    「ほんと?よかったぁ~!」

    「どこからどう見ても完璧だよ」

    カイルが太鼓判を押すと、ゆっぴーは満足そうにふふんと鼻を鳴らした。

    「よしっ! 初代尻尾モデルの栄冠、手に入れてみせるんだから!」

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    自信満々に尻尾をふわりと揺らし、ゆっぴーはサウィン祭のコンテスト会場へと威風堂々、繰り出していくのだった。


    あとがき

    調子に乗ってサウィン祭のコンテスト編まで書いてしまいました(笑)
    まだ他の住民の皆さんを登場させる勇気がなく、今回もゆっぴーとカイルのやり取りだけになってしまいましたが……
    楽しんでいただけたら嬉しいです!
    ゆくゆくは、他の住人さんたちとの交流や掛け合いの様子も書けたらいいなとこっそり企んでいます……!
    さてさて、栄えある初代専属尻尾モデルの行方はどうなるのでしょうか!?
    他のみなさんの気合の入った尻尾やご参加の様子も、楽しみで仕方がありません!☺️✨


    ※今回の街やキャラクターは、アイさんの作品『猫征』に登場するニイアスをお借りして描かせていただきました!
    大好きな世界観の中で楽しく書かせてくれたアイさんに感謝です✨


    最後までお読みいただきありがとうございました!

    ▼カイルによる真面目な日常バグ解析はこちら!

    ▼ズボラ夫を生暖かい目で見守る「ズボラ夫の育てかた」の連載まとめはこちら!

     
     
    関西出身のアラサー女子。 初対面で「つま先に穴の空いたコンバース」を履いて現れた、初期装備がポンコツな旦那をゼロから大改造プロデュース中🕺 夫婦の日常と垢抜けの記録を書いています。

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