
『思いつきの発想をその場で競う愚行。事前の深い考察を怠る怠惰な心。』|会社を1%マシにする教訓 #014
『思いつきの発想をその場で競う愚行。事前の深い考察を怠る怠惰な心。』
■ 意味
事前に調べも考えもせず、会議の場だけでその場の思いつきを言い合っても、根のない薄っぺらな議論にしかならないということ。
■ こんなとき
「何か新しい案はないか」と集まった企画会議。
誰も事前の下調べや資料の読み込みをしてこないまま、白紙のホワイトボードを前に座っている。「こんなのどうでしょう」「いや、こっちのほうが面白いかも」と、その場のひらめきや口の上手さだけでテンポよくアイデアを出し合い、盛り上がった空気のまま会議が終わるシーン。
■ なぜ?
人はなぜ、事前の準備をサボり、その場の思いつきだけで勝負してしまうのか。それは、机に向かって事実を調べ、仮説を組み立てる地道な作業には大きな負荷がかかるからだ。
それは、土を耕して種をまくのを嫌がり、プラスチックの「造花」を並べて庭を飾ろうとする行為に似ている。
その場で出た思いつきは、パッと見は色鮮やかで、きれいな花が咲いたように見える。発言した本人も「いいアイデアを出した」と満足感を味わえる。しかし、その花の下には、地面の奥深くへと伸びる「根」が一切存在しない。
誰がどんな課題を抱えていて、数字上の裏付けはどうなっているのか。
そうした見えない土台(根)を張り巡らせる時間こそが、事前考察の正体だ。根のない花は、少し現実的なツッコミという風が吹いただけで、あっけなく吹き飛んでしまう。その場で口先を競い合うのは、頭が良いからではない。見えない土の中で地道に根を伸ばす手間から逃げているだけなのだ。
■ どうする?
会議が始まる前の静かな時間に、自分の席で15分だけ深く考えてみる。
ホワイトボードの前で奇抜な花を咲かせようとするのをやめ、数字や事実という「見えない根」を紙の上に一本ずつ伸ばしてみる。
その場の思いつきを競い合う輪から一歩引き、静かに土を耕しておいた人だけが、どんな突風にも折れない本物の実りを手に入れる。
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