
自分だけでも、相手だけでもなく|続く価格の考え方
「お客さんに喜んでもらいたいから、できるだけ安く」。経営者の優しさから出る、自然な気持ちだと思います。
でも、その価格が自分の負担になりすぎていたら、どうでしょうか。
自利利他という言葉
仏教に「自利利他(じりりた)」という考え方があります。自分の利益と、他人の利益を、どちらも成り立たせる、と私は理解しています。自分だけが得をするのでも、自分を犠牲にして相手だけが得をするのでもなく、両方が続く形を目指す、という意味合いです。
安すぎる価格は、続かない
無理をして安く提供し続けると、自分の時間や気力がすり減っていきます。やがて、サービスの質が下がったり、続けられなくなったりします。そうなると、困るのはお客さんも同じです。
続く価格の見方
価格を考えるときは、次の2つを見ます。
・1個(1件)あたりのM(単価-変動費)で、固定費と、自分の取り分を払えるか
・お客さんにとって、受け取る価値に見合っているか
たとえば、単価3,000円、変動費1,000円なら、M=2,000円です。1件に1時間半かかるなら、1時間あたりのMは約1,333円。これで、固定費を払って、自分の取り分が残るかを確認します(※あくまで説明用の仮の数字です)。
自分も、相手も大切にする
安さで勝負するのではなく、「続けられる価格で、ちゃんと価値を届ける」。それが、お客さんを大切にすることにもつながると感じています。
迷ったときの、ひとつの問い
価格に迷ったときは、「この価格で、1年後も、自分は笑顔で続けられているか」と自分に聞いてみるのもひとつの方法です。答えが「難しいかも」なら、価格か、やり方か、どこかを見直すサインかもしれません。続けられることは、お客さんへの誠実さでもあります。数字と気持ちの両方から、確かめてみてください。
相手を大切にすることと、自分を大切にすることは、反対のことではないと私は考えています。両方を満たす価格を探すことも、経営の大切な仕事です。
いまの価格は、自分にも、相手にも、続けられる形でしょうか。
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