
「お客さんのため」の値引きは、布施になっているか
「いつも来てくれるから、ちょっと安くしてあげたい」
この気持ち、すごくよく分かります。
お客さんを大事に思うからこそ、出てくる気持ちですよね。
でも、その値引き。
本当に、お客さんのためになっていますか。
■ 布施は、見返りを求めない施し
仏教に「布施(ふせ)」という言葉があります。
見返りを求めずに、人に何かを差し出すことです。
値引きも、一見すると布施に似ています。
自分の取り分を少し削って、相手に差し出しているから。
ただ、ひとつ大きな違いがあります。
値引きは、続けるほど会社の体力を削っていく、ということです。
■ 削れているのは「M」
たとえば、1,000円で売っている商品の変動費が600円なら、1個あたりの利益(M)は400円です(※説明用の仮の数字です)。
ここから100円値引きすると、Mは300円。
売値は1割しか下げていないのに、会社に残る分は4分の1も減っています。
これを常連さん全員に続けたら、どうなるか。
会社に残るお金が減って、いずれサービスの質を保てなくなるかもしれません。
それで一番困るのは、実はそのお客さん自身なんですよね。
■ お金をかけずに差し出せるもの
仏教には「無財の七施(むざいのしちせ)」という教えもあります。
お金や物がなくても、人に差し出せるものが7つある、という話です。
・眼施(げんせ):やさしいまなざしを向ける
・和顔施(わがんせ):おだやかな笑顔で接する
・言辞施(ごんじせ):思いやりのある言葉をかける
・身施(しんせ):体を使って手を貸す
・心施(しんせ):心を配る
・床座施(しょうざせ):席や居場所をゆずる
・房舎施(ぼうしゃせ):休める場所を用意する
これを経営に置きかえると、
名前を覚えている。前回の話を覚えている。困っていそうなときに声をかける。
どれも、値段を1円も下げずにできることです。
コワーキングスペースをやっている私は、最後の「房舎施」にちょっとドキッとします。
場所を用意すること自体が、施しになりうるんだなあと。
値引きしたくなったら、一度立ち止まって考えてみてください。
差し出したいのは「安さ」なのか、それとも「大事にしています」という気持ちなのか。
後者なら、値引き以外の渡し方が、きっとあると思います^^
あなたが「このお客さんを大事にしたい」と思ったとき、値引き以外に何を差し出せそうですか。
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