
仕入れ値が1割上がったら、Mはどうなる?
「また仕入れ値が上がった…」
ここ数年、この言葉を聞かない月がないくらいです。
材料費、送料、包装資材。
少しずつ、でも確実に上がっていますよね。
でも、売値はそのまま。
「これくらいなら、なんとか吸収できるかな」と思って。
その「なんとか」、数字で見るとどれくらいなのか、計算してみます。
■ まず、今の状態
(※あくまで説明用の仮の数字です)
・P(売値):1,000円
・V(仕入れなどの変動費):600円
・M(1個あたりの利益):1,000 − 600 = 400円
・Q(売れた数):100個
・MQ(会社に残る利益の総額):400円 × 100個 = 4万円
■ 仕入れ値が1割上がると
Vが600円から660円になります。売値はそのまま。
・M:1,000 − 660 = 340円
仕入れ値は1割しか上がっていないのに、Mは400円 → 340円。
15%も減っています。
MQは、340円 × 100個 = 3万4,000円。
同じだけ売っても、毎月6,000円少なくなります。
■ 数で取り戻すなら
元のMQ4万円に戻すには、
4万円 ÷ 340円 = 117.6…個。
約118個。今より18%多く売らないといけません。
仕入れ値が上がった分を、お客さんを2割近く増やして取り戻す。
これは、なかなか大変です。
■ 値段で取り戻すなら
Mを400円に戻すには、
P = 660円 + 400円 = 1,060円。
売値を6%上げれば、元のMに戻ります。
数を18%増やすのか、値段を6%上げるのか。
こうして並べると、見え方がずいぶん変わりませんか。
■ 「吸収」は、Mを削ること
仕入れ値が上がったのに売値を変えないことを、「吸収する」と言います。
なんだか頼もしい響きですが、中身は「Mを削っている」ということです。
値上げが怖い気持ちは、とてもよく分かります。
でも、「吸収」を続けた先に何が残るかは、一度計算しておいてほしいなと思います。
計算はシンプルです。
・上がった後のM = P − 新しいV
・元のMに戻す売値 = 新しいV + 元のM
あなたの会社、ここ1年で仕入れ値はいくら上がりましたか。
そして、売値は?
値上げを伝えるときの書き方は、こちらにまとめています。
「値上げのお知らせは、どう書くか」
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