
先のことで頭がいっぱいの夜は、「いま見える数字」だけ見る
夜、ふとお金のことが頭をよぎって、そのまま眠れなくなる。経営をしていると、そんな夜が一度はあると思います。
私も、預金残高が減ってきていると気づいたときは、本当に怖かったです。
不安は、まだ起きていないことから来る
そのとき頭の中にあったのは、「来月、払えなくなったらどうしよう」「このまま減り続けたらどうしよう」という想像でした。実際にはまだ起きていないことで、頭がいっぱいになっていたのです。
仏教には「正念(しょうねん)」という言葉があります。八正道という実践の教えのひとつで、いま、この瞬間に起きていることに気づいていること、と私は理解しています。過去の後悔や未来の心配に心がひっぱられているとき、「いま、ここ」に戻る、という考え方です。
「いま見える数字」を3つだけ書く
経営で「いまに戻る」とは、見える数字を紙に書くことなのかもしれません。
・今日の預金残高
・今月、これから入ってくる予定のお金
・今月、これから出ていく予定のお金
この3つだけです。たとえば、残高が100万円、入金予定が50万円、支払い予定が80万円なら、月末は70万円の見込みです(※あくまで説明用の仮の数字です)。
怖さは、数字が悪いことより、数字が「わからない」ことから大きくなる。私はそう感じています。
数字は、心を落ち着かせる道具
書いてみて足りないとわかったなら、それは「いま打てる手がある」とわかったということ。入金を早められないか、支払いの時期を相談できないか。考えるのは、そのあとで間に合います。
数字は、不安を消す魔法ではありません。でも、不安を「想像」から「事実」に戻してくれる道具です。
眠れない夜のための、小さな約束
もうひとつ、気をつけていることがあります。夜に考えた不安は、朝になると小さく見えることが多い、ということです。夜は、疲れていて、判断力も落ちています。だから、「重大な決断は夜にしない」と決めておくと、少し楽になります。夜はメモだけ。決めるのは、朝の明るいうちに。そんなふうに時間をずらすだけでも、心の重さは変わってきます。
不安を感じる自分を、責めないことも大切です。不安は、会社を守ろうとする気持ちの裏返しでもあります。
今夜、お金が気になって眠れないなら、先のことを考える前に、いま見える数字を3つだけ書き出してみてください。
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