
#13 「なんで、あたし、こうなんだろ」後編 (♪片想い/miwa)
ミホとアサミが泣いた日
思わぬ形で失恋したミホ。
その後、女子浴室にこもってしまい、夜通し 出てこなかった。
廊下にまで聞こえるほど泣き声が聞こえてきた。
一方、アサミは、座敷の端っこの方で体育座りをして佇んでいた。
その近くに、サークル内でアニキ的存在だった朝倉さんがいて、
静かに彼女を慰めている様子だった。
アサミの目も涙で光っていた。
朝5時ごろ。
自分含め起きていた数人のメンバーで打ち上げの撤収をしている時に、
ミホはそーっと座敷に戻ってきた。
あまり見ないようにしたが、目が腫れてるのは分かった。
「撤収こっちでやっておくよ」と自分は言ったが、ミホは首を横に振った。
「なんで、あたし、こうなんだろ」
そう言うと、ミホはゴミ袋を持って撤収に加わった。
その後の2人
次の日の朝。
ミホは、何事もなかったかのように、
部屋の片付けの説明や、帰りのバスの時間など、
テキパキとサークルメンバーたちに説明していた。
どこか吹っ切れたような様子だった。
ミホは、それ以降、大学3年の夏の代替わりまで、
サークル副代表の仕事をやり遂げた。
彼女の浮いた話は最後まで特に聞いたことがなかった。
一方で、その合宿以降、アサミはサークルに来なくなった。
秋頃には、和泉さんと別れたと噂で聞いた。
付き合っていたときも、数回会った程度で、
あまりうまくいっていなかったらしい。
1年半ぶりの再会
月日は流れて、大学3年の3月。
同期全員が集う"同期会"が開催された。
乾杯の音頭は、もちろんミホ。
乾杯から少し遅れて、アサミが現れた。
ミホとアサミは、合宿以来一度も会ってないはず。
1年半ぶりにサークル関連の場に現れたアサミに、
いち早く声をかけたのはミホだった。
「アサミちゃん久しぶり!あたしの隣、空いてるから座って!」
アサミはニコッと笑い、ミホの隣に座った。
久しぶりに再会した2人は気まずくなるのかな、と自分は少し心配していたが、そんなことは全くなかった。
時間が解決していた。
同期会でのミホは、
サラダを取り分けたり、みんなに次の飲み物の希望を聞いたり、
相変わらずテキパキしていた。
【この思い出に紐づく歌】
♪片想い/miwa (2012)
当時、カラオケで女子たちがよく歌っていた曲です。
ミホも好きな歌でした。
我々と同世代のmiwaさん。
自分たち世代の多くは、彼女の曲に青春を彩ってもらえたと思います。
自分もこの曲が一番好きです。
ライブで泣きながら歌われている動画も好きでした。
今年新たに2026verのMVも公開されてて、懐かしく聴きました。
僕らも、そしてきっとmiwaさんも、いろんなことを経て30代になりました。
いま聞くと、また一段と切なさが増して聞こえます。
[13] 2009年8月の思い出(片想い/miwa)