
【心の声】捨てるものが、宝物になる
施設には、
とっても器用な利用者さんがいる。
御年92歳。😊
朝早くから夜遅くまで
ベッドの上で何かを作っている。
布を広げて、
小さな人形を作ったり。
昔話の一場面を、
小さな人形たちで再現したり。
桃太郎に、
かぐや姫。
一寸法師もいる。
卵の殻をお椀にして、
その中に一寸法師を入れたりする。
小さいのに、
ちゃんと目もついている。
手に小さなものを持たせたり、
布の色までちゃんと考えている。
「次は何を作ろうかな」
そんなふうに、
アイデアが次から次へと湧いてくる。
見ている私のほうが、
「すごいなぁ」と思ってしまう😳
そして、この人が使う材料は、
ちょっと変わっている。
広告だったり、
カレンダーの裏の厚い紙だったり。
牛乳パックだったり。
普通なら、
そのままゴミ箱へ行くもの。
でも、この人の手に渡ると、
ゴミではなくなる。
広告は、
大小さまざまなゴミ箱になる。
テーブルの上には、
いくつも並んでいる。
ティッシュをたくさん使うから、
これが本当に便利。
使い終わったら、
そのままポイッ。
そして、
また新しいものを置く。
当番でごみ集めに行っても
「ゴミ、ないねぇ」ほんとにゴミ箱には糸くずくらい
そんなくらい、
捨てるものが少ない😂
牛乳パックも、
小物入れに変身する。
リモコンを入れたり、
ハサミを入れたり。
ペンを入れてもいい。
私も一つもらったけれど、
これが結構たくさん入る。
「これ、いいじゃん!」
思わず嬉しくなった😊
でもね、
誰にでもくれるわけじゃない。
「この人にも作ってあげてよ」と言ったら、
「その人にはあげたくない」って。
えっ、そうなの?😂
そこで初めてわかった。
ちゃんとお気に入りがあるんだ。
私は材料を集める係。
卵の殻だって、
普通の殻ではダメ。
パカッと割ったものじゃなくて、
小さな穴だけ開けたもの。
白より茶色がいいとか。
しかも、
いろいろ条件がある。
その卵の殻を乗せる台には、
平らな石が必要。
上も下も、
なるべく平らな石。
私は仕事が終わったあと、
駐車場で石を探した。
夏の暑い日だった。
「これはどうかな?」
「こっちは大きすぎるかな?」
石をひっくり返して、
またひっくり返して。
やっと見つけると、
なんだか私まで嬉しくなる。
石の色だって、
ちゃんと作品に合わせる。
茶色っぽい石。
ベージュっぽい石。
グレーの石。
その石に合わせて、
布の色も考えている。
そこまでこだわるんだ……。
小さな作品なのに、
ちゃんと世界がある。
そして今度は、
作品展に出す作品も作っている。
昔話だけじゃなく、
新しい作品にも挑戦している。

ベッドの周りも、
部屋の中も材料でいっぱい。
机の上には、
完成した作品がずらっと並んでいる。
私はそれを見ながら思う。
捨てればゴミになるものが、
この人の手に渡ると作品になる。
そして、
誰かの役に立つものになる。
ゴミだったものが、
誰かにとっての宝物になる。
なんだか、
すごく素敵なことだなぁと思う。
だから私は今日も、
牛乳パックを洗って乾かしておく。
今までは潰して、
そのまま捨てていたもの。
でも今は違う。
「これ、使えるかも」
そう思って、
大事に取っておく。
次は何に変身するんだろう。
そんなことを考えるのも、
ちょっと楽しい😊
捨てるものが、
誰かの宝物になる。
そんなことを、
92歳の利用者さんから教えてもらっている🌱✨
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