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「ちょっと闇落ち」について3日間考えてみた【ラフ×ラフ楽曲紹介[10曲目]】

    ラフ×ラフ(以下本文中は「ラフラフ」表記で統一)の1stアルバム「わたしファンファーレ」に収録されている23曲(できれば9 revengeを含めた24曲)を、次の新曲が出るまで、できれば3月9日の3rdアニバーサリーライブまでに全曲紹介を目指す【ラフ×ラフ楽曲紹介】。

    10曲目となる今回は、「ちょっと闇落ち」を取り上げる。過去の楽曲紹介記事はこちらのマガジンから読むことができます。

    楽曲紹介もようやく2桁に到達。最初の方で一番好きな曲(クライアント)→考察しがいのある曲(佐々木楓菜作詞作曲史4曲)を勢いでやってしまい、今更ながらアルバムのトラックNo順に書いていけば良かったと思い始めている。

    今回紹介する「ちょっと闇落ち」は、記事を書きはじめるまでにかなり悩んだ。音楽的な特性を語るのはかなり難しい曲だけど、自分のこの曲への思いだけ書いてしまうとただの感想文になってしまって「楽曲紹介」にならない。
    3日間悩んだ結果、ちょっと想像力豊かな内容になったが、これはこれで一つの考察になったと思うので、よろしければお付き合いいただきたい。


    「ちょっと闇落ち」楽曲紹介

    ちょっと闇落ち | ラフ×ラフ
    作詞:オークラ
    作曲:Akira Sunset(THE SIGNALIGHTS)、APAZZI(THE SIGNALIGHTS)
    編曲:APAZZI(THE SIGNALIGHTS)

    初パフォーマンスは2023年4月16日の1stワンマンライブ(池袋harevutai)。1stワンマンライブで初パフォーマンスされた3曲の内の1曲で、タイトルの通りダークな雰囲気を漂わせる曲になっている。

    ラフラフのグループコンセプトである「笑顔と笑いを届ける」とは対局にあり、ライブのセットリストの中では場面転換を明確に示す曲になっている。笑顔を消したパフォーマンスは、アイドルの笑顔の下に隠された素顔を見るようで、他の曲にはない緊張感を感じる。

    【抑制的なEDMと歌詞の親和性】

    作曲は「100億点」も作ったAkira Sunsetと、48・坂道グループの曲を多数編曲しているAPAZZI。編曲もAPAZZIさんが担当している。他の二人の連名での作曲として、乃木坂48「ハルジオンが咲く頃」「今、話したい誰かがいる」がある。

    「ちょっと闇落ち」は「100億点」と近いEDMのダークチューンである。インストゥルメンタル音源を聞くと、歌唱のメロディーとオケのトラックが「100億点」以上に分離しており(というかほぼずっと同じオケ)、いわゆる「トップライナー」という手法(トラックメイカーがトラック(オケ)を作り、そこにトップライナー(メロディ専門の作曲家)がトップライン(歌のメロディー)を乗せる)で製作されていると推測できる。

    こうした手法はEDMではよく用いられる。APAZZIさんは、情緒的なメロディーとEDM/フューチャーベース系のトラックを融合させる編曲を得意とするクリエイターとして知られている。
    こうした系統の曲になるとメロディー側の展開だけを追うことになるので、「音楽的な解説」はちょっと難しい。さらに、メロディーの展開も音の上下の範囲が抑制的に進んでおり、「100億点」のようにサビでメジャーコードのキラキラした音色に変化することもない。

    この抑制的で、ともすれば平面的な進行は、歌詞の世界観と照らし合わせれば大正解である。「ちょっと闇落ち」で歌われているのは、表に出すことのない抑制された負の感情である。それが爆発するのでなく、あくまで内面だけで「闇落ち」するのだから、メロディやトラックはドラマチックすぎないほうが良い。
    そのため「100億点」以上に抑制的な進行になっており、テーマ性を持って作られた曲であることが推測される。

    つまり、「歌詞やテーマが先行して作られた曲」である可能性が高いと考えられる。

    【オークラさんが「ちょっと闇落ち」という詞を書いた背景考察】

    「ちょっと闇落ち」の作詞は放送作家のオークラ。バナナマンやおぎやはぎ、バカリズムなどと親交が深く、佐久間Pとは「ゴッドタン」「ウレロ☆シリーズ」「青春高校3年C組」など多数の番組を共に手がけてきた盟友である。
    バラエティの印象が強いが、ドラマの脚本なども手がけている他、ももいろクローバーZの番組「ももクロChan」にも入っており、楽曲でも「あんた飛ばしすぎ!!」の作詞をするなど、ももクロとの繋がりも深い。

    ラフラフとオークラさんの繋がりは、オーディション最終審査におけるバラエティ審査で、審査員として登場している。また青春高校時代を含めると、ありさ(齋藤有紗)やめーな(日比野芽奈)を見てきた期間は少し長いかもしれない。

    佐久間Pの「100億点」もそうだが、専業作詞家と違い本業がある多忙な方なので、作曲側との擦り合わせがどこまでできたかはわからない。かといって送られてきたデモ曲からインスピレーションを湧かせて詞を作る、という進め方をしているような曲でもない。
    だとすると、ある程度のテーマや詞の初稿のようなものがあった上で楽曲をオーダーしているか、共有されたテーマに基づきストックしてある曲からいくつかの案を提示してそのメロディーに沿って詞を作っているかのどちらかだと推測する。

    どちらのパターンであっても「闇落ち」というイメージやテーマは、楽曲作成の最初の方にあったことになる。

    オークラさんがこれまで作詞した楽曲は上記ももクロ以外にもいくつかある。いぎなり東北産×桜エビ~ず(現ukka)の「えびとう産「夢幻歌劇」」やピラメキーノ関連の曲などだが、ももクロの「あんた飛ばしすぎ!!」も含めて、オークラさんの放送作家としてのイメージに近い、バラエティ要素の強い曲・詞になっている。

    そんなオークラさんが「ちょっと闇落ち」を書いたというのは異質な感じがする。佐久間Pからのオーダーがあったかもしれないが、オークラさんにあえて暗いテーマの詞をオーダーするのもちょっと違和感がある。

    また、佐久間Pやはじめさん(ラフラフYouTubeスタッフのなかじまはじめ。ラフラフの多くの曲の作詞を担当している)とオークラさんでは、ラフラフとの距離感が違う。
    1stワンマン(2023年4月16日)でお披露目しているということは、振り・歌割り・フォーメーション作りやメンバーのレッスン(3月9日のお披露目で2曲、1stワンマンで3曲の計5曲の振り入れ・歌唱)の期間を考慮すると、遅くとも2023年の初旬くらいには曲ができていたと考える。


    【追記】1stワンマンの3曲は「2週間で覚えた」とYouTubeにあったので、
    3曲の振り入れはお披露目後、4月に入ってからということになる。


    そうなるとオーディションから曲の完成までの期間はかなり短かったことになり、作詞時点でオークラさんがラフラフのメンバーと接触したのはオーディション最終審査時だけの可能性が高い。しかもその時点では最終候補者15名としてしか会っておらず、デビュー時の9人としては見ていないはずだ。

    つまり「ラフラフのメンバーから受けたイメージ」だけを元に詞を作るには、あまりに材料が無い状態ということになる。
    佐久間Pからある程度イメージの共有(紆余曲折あった経緯やメンバーの自己肯定感の低さなど)はあっただろうが、それでもイメージを結び付けられそうなメンバーは、前述の通り青春高校組のありさとめーなくらいである。

    オークラさんが青春高校時代にありさやめーなと接点があったかどうかはわからないが、夕方枠の帯放送時期(~2020年3月27日)からほぼ毎回出席していて、学級委員長など番組の中で中心になる生徒の1人だっためーなは、さすがに印象に残っていたのではないか。

    ラフラフYouTubeでめーなの過去の芸能活動を話した回で青春高校時代の話もしているが、当初アイドル部のセンターだったのだが、メジャーデビュー曲「君のことをまだ何も知らない」では頓知気さちながセンターになるなど、自信のなさからどんどん番組内でも喋らなくなりポジションも下がっていってしまった。

    その青春高校3年C組アイドル部最後の曲でめーなのセンター曲、「自分のことがわからない」。この曲がオークラさんと「ちょっと闇落ち」のテーマを繋げるヒントなのではないか、というのが私の考えた説だ。

    【「自分のことがわからない」と「ちょっと闇落ち」】

    めーなや「自分のことがわからない」を直接イメージして「ちょっと闇落ち」が作られたとまでは思わないが、曲のテーマや主人公である「私」についての素材としては繋がっているのではないかと考えている。

    「自分のことがわからない」は「まだ何者でもない自分」に思い悩む若者の苦悩や葛藤を描いている。それは当時のめーな自身の葛藤を描いているようでもある。

    誰だって自分のことが わかっていないんだ
    どれが本当の 僕なのか
    (鏡に)写ってるのは 一体誰なんだ
    それでも僕は 絶対 絶望したくない

    青春高校3年C組アイドル部「自分のことがわからない」より抜粋

    周りから見ればキャリアや人気、実力があるように見えるが、自信が持てずに思い悩んでしまうめーなのネガティブ思考は、ラフラフ結成初期頃まで引きずっていた。めーなのネガティブ思考といえば、動画公開は「ちょっと闇落ち」リリースよりも後だが、やはり「反省ポエム」が真っ先に思い浮かぶ。

    オーディション審査時の印象や佐久間Pから共有されたメンバーの様子が、当時のめーなの姿とダブったのかもしれない。

    光と闇は表裏一体 知りたい この存在
    私の正体
    これは、私という人間を知る方法

    ラフ×ラフ「ちょっと闇落ち」より抜粋

    「自分のことがわからない」も「ちょっと闇落ち」も、取り扱っているテーマはモラトリアム期の「自分探し」である。自分の個性、強み、進むべき道を模索して思い悩む若者の姿を描いている。

    青春高校は企画そのものが「学校」がテーマであり、若者の悩みというテーマが自然と入りやすいだろう。
    一方「ちょっと闇落ち」には、「教室」「放課後」といった明確に若者、それも高校生をイメージするような言葉が歌詞に含まれている。曲の主人公の年代を明確に設定したのかもしれないが、青春高校のイメージが影響している可能性も考えられなくはない。

    「自分のことがわからない」は秋元康が得意とするどの年代から見ても共感を得やすい普遍的な視点で描かれている。若者にとっては自分事として、大人たちにとっては若かった頃を思い返して、聞き手に寄り添うことができる。それと同時に歌い手であるメンバー、特にセンターであるめーなの心境にも寄り添う曲になっている。
    「それでも僕は 絶対 絶望したくない」という詞は、迷いながらでも前に進もうとする意思の力を示そうとしている。

    一方で「ちょっと闇落ち」は、「陽キャ」「モブキャラ」「闇落ち」など大人は使わないであろう単語が多く、若者に目線をあわせて書かれている。
    2サビの歌詞(前向きな闇落ち~煌めきをさせて)は、闇落ちをネガティブなだけではなく、前を向くためのポジティブなものとして描いているが、それは前に進む意思というよりは「今の自分を受け入れるための猶予」の感覚が強く、角度は違うかもしれないが「100億点」の紹介記事で書いた「自己肯定感の低さへの共感」に近いように感じられる。
    これらは聞き手よりも、歌い手であるメンバーを強く意識しているように感じる。そしてオークラさんが意識したメンバーのイメージは、直接的な接点の少ないラフラフのメンバーより、青春高校、特に「自分のことがわからない」からイメージをフィードバックした部分があるのではないかと考えている。

    「100億点」や「ワタシイロ光る」など、ラフラフの1stワンマンまでの初期曲は、「メンバーのデビュー前後の心情に寄り添いながら、その気持ちを聞き手にも届ける」という構造を持っている曲が多いように感じる。
    パフォーマンスには心理的な要素も大きく影響する。自身が共感を持って届けられるものほど、人にも強く伝わるものである。発端になる結成ドキュメンタリーを経てラフラフを見に来る人がほとんどだった初期において、メンバーの心情が反映された曲やパフォーマンスへのシンパシーは、色々な入口からラフラフを知ったファンが増えた今より強く感じられたかもしれない。

    【脱線:考察の視点について】

    ここまでの内容は、曖昧な状況証拠だけを積み上げて私が勝手に考えた想像の物語である。しかし曲や歌詞を考察するのと同じように、その曲が生まれた背景を考えることもまた、楽曲を考察する上で重要な視点だと思う。

    何故「笑いと笑顔を届ける」コンセプトのラフラフが、最初期からこういう暗いテーマの曲を歌うことになったのか。バラエティを得意とするオークラさんが何故こういう歌詞を書いたのか。

    全ては推測の域を超えないが、曲や歌詞を考察することだって基本推測である。世に出たコンテンツは、それを受け取った側が自分で咀嚼して自由に発想を膨らませるための道具でもある。国語の試験では無いので、作者の心情を正確に答えることだけが正解ではない。

    ラフラフの記事と思って見に来た方の気持ちが萎えてはいけないので画像でのリンクは控えるが、YouTubeバキ童チャンネルに岡田斗司夫が出た際に話した「考察の心得」がこの辺をうまく言語化してくれていて、凄く共感している。

    【笑顔の裏側を思い浮かべてしまう】

    本筋に話を戻す。ここからは「ちょっと闇落ち」について私が個人的に思っていることをお話していく。

    まず、「ちょっと闇落ち」を聞くと、どうしてもりょーか(夏目涼風)が浮かんでしまう。歌割りやポジションとかではなく、歌詞から連想してしまうのだ。
    りょーかはオーディションから今までずっと、メンバーからも「ずっと笑顔でいる偶像(アイドル)」「プロを感じる」と言われるくらい、陽性のオーラで常に笑顔を届けてくれるメンバーである。りょーかの口からネガティブな言葉が出ることは無く、人見知りが多いメンバーの中で随一のコミュニケーション能力を発揮して、周りの人全部を笑顔にしてくれている。YouTubeではおバカキャラが定着してるが、疑うことのない純粋さを感じさせるからこそ成立しているキャラだと思う。

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    情報が全てラフハからなのは、私がラフハの動画が好きすぎるからです。

    いつもバカみたいに燥いでいる感じ
    「能天気なあなたが羨ましい」って何?
    浅はかな陽キャと括られた私
    演じてやってんだ!わかんだろ!うんざり!
    -------------------------------------------
    いつまでも光り輝き続けるなんてしんどい
    「暗い顔のあなたは似合わない」ってマジ?
    誰しもが持ち合わせた難解な二面性
    単純に生きられるか!なめんなよ!ホント!

    ラフ×ラフ「ちょっと闇落ち」より抜粋

    だがこの詞を見ると、その心のうちにどれだけの負荷がかかっているか想像してしまうし、この曲のパフォーマンスで見せる普段は見せないような表情は、その負荷を垣間見るようでゾクッとしてしまう。

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    私もそう思う。

    また、これはラフラフについてではなく私の個人的な経験から、以下の歌詞が刺さってしまう。

    ねえやめて それやめて
    いつも笑顔でいろなんて
    とんだ無敵の言い分 理想論 闇は消えない

    ラフ×ラフ「ちょっと闇落ち」より抜粋

    以前の職場で上からの理不尽な指示に少し感情的になった同僚(組織的には一応部下)をなんとか落ち着かせようと色々なだめすかしていたのだが、その時に言われたことを思い出す。

    「そんないつもニコニコなんかしてられませんよ、こっちだって人間なんだから」

    普段は誰にでも愛想が良く人当たりの良い人だったので、思いがけない反論にこちらの言葉がつまってしまった。人との摩擦を避けるようにいろんな感情に折り合いを付けながら日々を凌いでいる間に、あたりまえの感情に気づけなくなっていたような気がした。
    普段は何事もないように振る舞っていても、心の中に積もった気持ちが抑えられなくなる時だってある。そんな感情に自分自身が寄り添ってあげないと、そのうち耐えられなくなってしまうだろう。

    人と人が関わる以上、ずっと穏やかな気持ちだけを続けることは難しい。
    私たちアイドルファンが対峙している相手は、数多の人々の気持ちを一身に受けながら、それでも笑顔を見せてくれているということを忘れてはいけない。

    (この結び方であってんのかなぁ…。)

    【余談:「君のことをまだ何も知らない」も名曲です】

    記事の中で青春高校の話題に触れたので、「君のことをまだ何も知らない」は杉山勝彦作曲の名曲なので、もし聞いていない方はこの機会に是非聞いてほしい(1stアニラでラフラフもパフォーマンスしていたが)。MVでは初々しさを感じるめーなとありさを見ることもできる。

    杉山勝彦が誰かよく知らない方は、こちらのYouTubeチャンネルへ。アイドル、特に乃木坂46への多数の楽曲提供で知られる、アイドル楽曲の大家の一人です(杉山勝彦さんの回しものではありません、本当に凄い人なんです)。


    「ちょっと闇落ち」も収録された1stアルバム「わたしファンファーレ」。
    これからラフラフを知りたい人には過去楽曲も含め全23曲(2枚組)収録のTYPE-Bがおすすめです。



     
     
    約13年現場から離れていた、古(いにしえ)のドルヲタ。地方在住で在宅応援中心だが、2025 ラフ×ラフ 全国ライブハウスツアーで久々に現場参戦して再覚醒。いちオタクの私見なので、お手柔らかに。 Amazonアソシエイトに参加しています。

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