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🚑 救急隊員である前に、ひとりの人間として――知り合いを目の前にした、駆け出し救命士の記憶

    お疲れ様です🍵

    あおぞらです😊

    救急隊員の皆さんは、

    どのような地域で活動されていますか?

    生まれ育った地元で勤務されている方もいれば、

    故郷を離れ、

    別の地域で活動されている方もいると思います。

    勤務地が地元であっても、

    そうでなくても、

    救急活動の現場で知り合いや身近な方と出会う可能性は、

    誰にでもあるのではないでしょうか。

    「あれ? この方、知っている人だ……」

    そんな瞬間に、

    普段とは少し違う心情を抱くことがあるかもしれません。

    私は、

    自宅から最も近い消防分署に勤務していたこともあり、

    地域の方々との距離が近い環境で活動していました。

    今回は、

    私が救命士として駆け出しの頃に経験した、

    身近な方への救急活動について綴ってみたいと思います。

    少し暗い話になりますが、

    最後には、

    この経験から自分が得たものについても触れてみます。


    🌳 夏の暑い日、路上でぐったりしている男性

    それは、

    夏の暑い日のことでした。

    「路上で高齢男性がぐったりしている」

    そのような内容の救急要請だったと記憶しています。

    現場に到着すると、

    80代の男性が木陰で、

    塀に寄りかかるようにしていました。

    意識はもうろうとしており、

    呼びかけに対する反応も、

    明らかに低下しています。

    傷病者に接触し、

    観察を進めていく中で、

    私はあることに気づきました。

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    ※掲載している人物イラストはすべてAIによって生成されたものであり、実在する人物とは一切関係ありません。

    「この方は……〇〇君のお爺ちゃんだ」

    私の子が親しくしている子の祖父でした。

    運動会などでは良く挨拶をしたものです。

    地域で活動していれば、

    こうしたことは起こり得ます。

    しかし、

    目の前にいる方が知り合いだと気づいた瞬間、

    普段の救急活動とは異なる感情が、

    胸の中に生まれました。

    もちろん、

    活動中に私情を持ち込むことはできません。

    目の前の傷病者に必要な観察と処置を行い、

    医療機関へつなげなければなりません。

    それでも、

    心のどこかに、

    「どうか助かってほしい」

    という思いがあったことは、

    今でも覚えています。


    🩺 「熱中症か?」から「ショックではないか?」へ いや違う!

    夏の路上で、

    意識がもうろうとしている高齢男性。

    最初は、

    熱中症なども頭に浮かんだかもしれません。

    しかし、

    観察を進めると、

    単純に暑さだけでは説明できない状態でした。

    顔面は蒼白で、

    冷汗もみられました。

    脈拍も弱く、

    徐脈を呈していました。

    血圧は測定不能でした。

    心電図モニターを確認すると、

    心拍数はおよそ40回/分。

    違う、ブロックだっ!

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    完全房室ブロックとは

    完全房室ブロックとは、

    心臓の上部で発生した電気刺激が、

    心室へ正常に伝わらなくなる状態です。

    心室の拍動が極端に遅くなると、

    全身へ送り出される血液量が低下し、

    意識障害やショックにつながることがあります。

    この時点で、

    かなり危険な状態であることが考えられました。

    心原性ショックの可能性も考えながら、

    一刻も早く、

    医療機関へつなげる必要がありました。

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    📞 まずはファーストコール

    緊急性があり、かつ重篤な状態と判断し、

    まずファーストコールを実施しました。

    病院へ傷病者の状態を伝え、

    受け入れを要請します。

    受け入れの可否を待ちながら、

    12誘導心電図を測定し、心電図解析…

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    間違いなし。

    受け入れ可能との返答を得て、

    搬送を開始しました。

    ロード&ゴー

    この時、

    私の中にあったのは、

    ただ一つでした。

    一刻も早く、医療につなげたい。


    🚑 搬送中、さらに変化していく状態

    救急車内でも、

    傷病者の状態を継続して観察しました。

    しかし、

    状態が安定することはありませんでした。

    現場到着時から、

    血圧は測定不能。

    脈拍も弱く、

    徐脈を呈していました。

    そして搬送中、

    意識レベルはさらに低下し、

    脈拍数も次第に少なくなっていきました。

    心電図モニターに映る波形も、

    徐々に弱くなっていきます。

    病院までは、

    わずか5分ほど。

    しかし、

    その短い時間の中でも、

    傷病者の状態は刻々と変化していきました。

    一刻も早く、医療機関へ。

    その思いで、

    私たちは搬送を続けました。


    🏥 病院到着後、カテ室へ

    病院到着後、

    医師による診察や検査が進められました。

    その結果、

    心筋梗塞に伴う合併症として、

    完全房室ブロックを起こしていると判断されたと記憶しています。

    循環器の医師が呼ばれ、

    緊急でカテーテル治療を行うことになりました。

    私たちは、

    傷病者をカテーテル室へ送り届けます。

    しかし、

    その後、

    カテーテル室に入室し、担架から移動した瞬間に心肺停止となりました。

    院内では、

    胸骨圧迫などの蘇生処置に協力しました。

    薬剤投与などによって、

    いったん心拍が再開したものの、

    心電図の波形には、

    まだ力強さが感じられませんでした。

    その場を離れた後も、

    私は、

    傷病者のことが気になっていました。


    翌日、知った結果

    翌日、

    傷病者の予後について確認しました。

    残念ながら、

    救命には至りませんでした。

    知り合いの祖父だったこともあり、

    その結果は、

    胸に重く残りました。

    救急活動そのものについて、

    「あの時の判断が間違っていた」

    と考えているわけではありません。

    その時点で得られた情報をもとに、

    緊急・重症と判断し、

    受け入れ要請を行い、

    必要な観察を進め、

    搬送しました。

    それでも、

    気持ちは簡単には整理できませんでした。

    「もっと早く異常に気づけていたら」

    「医師に、状態をもっと上手く伝えられていたら」

    「何か、ほかにできることがあったのではないか」

    そんな思いが、

    頭の中を行き来します。

    救急活動では、

    どれだけ適切に判断し、

    必要な処置を行っても、

    すべての命を救えるわけではありません。

    それを理解していても、

    目の前の方が助からなかった時、

    心が揺れることはあります。

    ましてや、

    身近な方であれば、

    なおさらです。


    📲 あの頃の「一刻も早く医療につなげたい」という思い

    当時の私は、

    12誘導心電図を測定し、

    その結果を確認しながら、

    「この病態を、少しでも早く医療機関へ伝えたい」

    と考えていました。

    急性冠症候群などが疑われる傷病者に対して、

    現場で12誘導心電図を活用できれば、

    病院側が治療の準備を進めるうえでも、

    意味があるのではないか。

    そんなことを、

    現場の一員として感じていました。

    時代は変わり、

    現在では、

    急性冠症候群などが疑われる傷病者に対する、

    現場での12誘導心電図の活用や、

    医療機関への伝送など、

    病院前救護のさらなる充実について、

    検討が進められています。

    厚生労働省でも、

    救急救命処置の在り方に関する検討会において、

    12誘導心電図の測定・伝送について、

    議論されています。

    あの頃の自分が感じていた、

    「一刻も早く、病態を医療につなげたい」

    という思い。

    それは、

    時代が変わっても、

    救急活動の大切な部分なのかもしれません。


    🧠 救急隊員も、心が揺れる

    救急隊員は、

    どのような現場でも、

    冷静に活動することを求められます。

    傷病者や家族の前では、

    落ち着いて観察し、

    判断し、

    処置を行い、

    搬送しなければなりません。

    しかし、

    救急隊員も一人の人間です。

    身近な方に接触した時。

    救命できなかった時。

    活動後に、

    現場の映像や、

    傷病者の表情が頭から離れない時。

    心が揺れることは、

    決して不自然なことではないと思います。

    「プロなのだから、引きずってはいけない」

    そう考えてしまうことも、

    あるかもしれません。

    けれど、

    感情が動くことと、
    職務を果たせないことは、同じではありません。

    命に向き合っているからこそ、

    心に残るものがあるのだと思います。


    🤝 活動後、心の内を話せる環境

    このような活動の後には、

    隊員同士で心の内を話せる環境が、

    大切だと感じます。

    「あの現場は、きつかったな」

    「自分も少し気になっていた」

    「こういう時は、なかなか気持ちを切り替えられないね」

    そんな言葉を交わせるだけでも、

    少し気持ちが軽くなることがあります。

    活動後には、共に活動する隊員と、ちょっとした休息。

    そんな時間を大切に。

    心の内を話すようにしていました。

    ドリング休憩ばかりする隊長だと思われたかもしてません😅

    ドリンクハラスメント…ドリハラ…

    もちろん、

    全員が同じように話したいとは限りません。

    すぐに話したい人もいれば、

    少し時間を置きたい人もいます。

    無理に話をさせるのではなく、
    必要な時に話せる場所があること。

    そして、

    周囲が変化に気づき、

    必要に応じて、

    専門的な支援につなげられること。

    それが、

    大切なのではないでしょうか。

    救急隊員の心のケアについては、

    PTSDやその後の支援も含め、

    私自身、

    今後改めて考えてみたいテーマです。


    🌤️ おわりに

    今回の経験は、

    私にとって、

    決して明るい思い出ではありません。

    知り合いの方を目の前にし、

    できる限りの活動を行いながらも、

    救命に至らなかった。

    その事実は、

    今でも心に残っています。

    ただ、

    この経験があったからこそ、

    私は改めて考えるようになりました。

    救急活動では、

    知識や技術だけでなく、

    限られた時間の中で、

    何を優先し、
    どのように医療へつなげるか。

    それが、

    とても重要であること。

    そして、

    救急隊員自身もまた、
    心を持った一人の人間であること。

    現場で得た経験は、

    必ずしも成功例ばかりではありません。

    時には、

    悔しさや迷い、

    やりきれなさを伴うこともあります。

    それでも、

    その経験を振り返り、

    次の活動に生かそうとすることには、

    意味があると思います。

    あの時の自分が感じた、

    「もっと早く、もっと正確に、医療につなげたい」

    という思い。

    それは今も、

    救急活動を考えるうえで、

    私の中に残っている、

    大切なものです。

    救えなかった命を、

    なかったことにはできません。

    けれど、

    その経験から、

    何を感じ、

    何を学び、

    次の誰かのために、

    どう生かしていくか。

    そこに、

    あの経験が残してくれた意味があるのかもしれません。

    今回の記事が、

    救急隊員の皆さんにとって、

    日々の活動や、

    活動後の心のケアについて、

    少し考えるきっかけの一つになれば幸いです🌿

    最後までお読みいただき、

    ありがとうございました🍵





     
     
    「人命救助の現場に携わりたい」 消防歴30年。東日本大震災の年に救急救命士へ。 元救命士あおぞらです🌤️ 「なぜ?」を大切に、経験や失敗から救急の知識と視点を発信。 命への向き合い方が、少し変わる。 あなたと大切な人のために、できることがひとつ増える。 小さな気づきを一緒に🌿

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