
親を許せない人たちへ――過去の傷を生きる力に変えるために
ーーはじめにーー
親から受けた心の傷を抱え、
今も生き辛さを感じているアダルトチルドレン。
親への怒りや恨みを手放せず、
苦しんでいる人もいるでしょう。
しかし、過去を振り返る本当の目的は、
親を責めることではありません。
生い立ちが今の自分に与えている影響を理解し、
これからの生き方を見つめ直すための
考え方をお伝えします。
親を許せないアダルトチルドレンが向き合う課題
両親との関わりの中で受けたダメージにより、
生き辛さを感じているACの最大の課題は、
その親を許すことができるか
ということでしょう。
親との新たな関係を築き上げるためには、
何を与えてもらえなかったのか、
何をさせられたのかを
振り返ることが必要です。
ただし、ここで
誤ってしまいがちなことが、
親への責任追及です。
ここでの目的は、断罪ではなく、
あくまでも
受けた影響を客観的に把握する
ということです。
親から受けた影響を自覚することが回復への第一歩
影響により、今の自分が
何ができなくなってしまっているのか、
何を恐れてしまうのか、
何をしでかしてしまうのか。
を自覚することです。
なぜなら、受けた影響を
軽減していくことが目的だからです。
親の責任を追及したところで、
影響が消えるわけではありません。
もちろん、親自身がその責任に対して、
謝罪などの充分な償いを
自ら行ってくれればその意義はありますが、
多くはそれを期待できません。
親への怒りや恨みから、生い立ちの背景を理解する視点へ
「誰がそうした」となると、
怒りや恨みの感情が自然わきおこります。
「誰が」ではなく、
「どういう背景(環境、条件)があって、
そうなったか」
と考えてください。
夫婦喧嘩の絶えない家庭だった。
母親を殴る父親のいる家庭だった。
何事にも干渉してくる母親
のいる家庭だった。
意思表示をすることを許さない父親
のいる家庭だった。
病弱な母親のいる家庭だった。
など、自分が育ってきた背景を
見てみるのです。
育った家庭環境は、今の行動や生き方にどう影響しているのか
そこから受けた影響で、
過剰に安寧や周囲からの承認を
求めようとするあまり、
自分を出さず、周囲におもねる生き方を
選択してしまい、
依存的になってしまったなど、
今に与える強制力を確認するのです。
それにより、
自身のとる行動の意味を知ることができ、
修正、改善がはかられます。
とは言っても、
「それさえなければ・・・」と
悔やみたくなるのが人情です。
と同時に、
やはり親に対しての
怒りや恨みがわいてしまいがちです。
生い立ちの経験を「人生で何を学ぶための条件か」と考える
こう考えてみてください。
子ども産む喜びを得られるためには、
女性として生まれる必要があります。
歌舞伎役者として
幼いころから舞台をふむためには、
歌舞伎役者の親をもたなければなりません。
親に早くに死に別れたことで、
医者を志した人もいるでしょう。
自分の命の目的の中に、
「何かを学ぶため」というものがあるとしたなら、
女性として生まれた。
歌舞伎役者の親をもった。
親が早くに亡くなった。
というものは、すべてそのための必要条件です。
過去の経験に意味を見いだし、新たな親子関係を築く
であれば、
親のありようを含めた、
自身の生い立ちの背景が
何を学ぶための必要条件かと
考えてみるのです。
特に、親のDVであったり、
干渉であったり、
ネグレクトであったりなどの
激しい痛みの経験が意味するものは?
そこにも必ず発見があります。
とことん考えてみてください。
これは、親を無罪放免に
許すということではありません。
そこに見いだされたものが、
これからの自分の生き方に
豊かさを与えてくれるヒントになり、
新たな親との関係を構築することにも
つながるのです。