暴落時の売買で、いつも負けるのはなぜか? ニュース予測をおすすめしない理由
前回、『弱気相場(暴落相場)の基礎知識』をまとめました。
8割の期間が『強気相場』で、2割の期間が『弱気相場』です。
弱気相場では、値幅(ボラティリティ)が大きくなります。
それでも、4割は上昇する日があります。
『大暴落する日』と『急上昇する日』は、常にセットでやってきます。
この事実から、以下のような戦略を考える人もいます。
「ニュースを読んで明日の値動きをバッチリ予想しちゃえばいいんだっ!✨暴落を避けて、上昇だけを頂いちゃうもんねっ♡😍💸」
私は、この戦略を、おすすめしません。
その理由を話します。
未来を当てるゲームではない
株式投資をしていると、こんな都市伝説に遭遇します。
「株式投資ってぇ💖セカイの動きを読んで、近い未来に何が起きるか当てるゲームですよねっ🫢!?✨経済評論家みたいな人が得意そうだね!💓」
え??
そんなトレードスタイルで勝ち続けている投資家は、私の知る限り見た時がありません。
『世界に存在しない生き物』を追い求めているようなものです。
「えっ、じゃあ事情通の物知りさんになっても、大金持ちになれないのぉ!?📰🥺」
無理です。
ニュース予測でのトレードストラテジーには、超難関の壁が3つあります。
少し先の未来すら、誰にもわからない
一つ目は、予測の限界です。
『少し先の未来に起きること』ほど、誰にもわかりません。
明日の要人発言、来週の戦争の行方、来月の経済指標。
これらを高い確率で当て続ける魔法使いはどこにもいません。
もちろん、事情に詳しくなれば、時々そういったエッジを見出すことは可能です。
しかし!
投資は、確率のゲームです。
1度2度、当てれば良いのではなく、『ずっと高い確率で当て続ける仕組み』が必要なんです。
中東問題に詳しいだけでは、長年使える優位性になりません。
世界のすべてを知る必要が出てきます。
アルゴリズムという絶対的強者
二つ目は、残酷なスピード差です。
ニュースを目にした瞬間、その情報はすでに枯れています。
機関投資家のAIやアルゴは、ニュースが出た1ミリ秒後には売買を終えています。スマホで記事を読み、「これは下がる」と考えたときには、すでに株価は深く沈みきっています。
「べーっだ!😝ニュースを見るだけじゃなくてぇ、その先の先まで読んで勝つんだってばっ♡✨」
その『先を読むための情報』も、ネットから得てるんですよね?
であれば、AIもすべて読み尽くしています。
情報力での物量戦やAI武装は、機関投資家がもっとも得意とする戦場です。
個人投資家の勝てる領域ではありません。
ニュースと市場のねじれ現象
三つ目は、市場の反応です。
ニュースを当てても、市場の動きが一致するとは限りません。
「良いニュースが出たから上がるはず」 そう思って買っても、株価は平気で暴落します。すでに期待が『織り込まれていた』からです。
絶望的なニュースの真っ只中で、相場が急騰することもあります。悪材料が出尽くしたからです。
むしろ。
みんなが予想を当ててしまうと、お金は逆流します。
投資というゲームでは、『起きる確率が高い未来』よりも『誰も信じていない未来』に賭けるほうが、期待値が高いケースまであります。
つまり、『未来を当てるのが得意な”だけ”』だと、むしろ危険まであるんです。
ニュースを一生懸命予想して確信を持っているタイプの人ほど、『まさか』が起きた時の逆流の怖さを考えていません。
流動性を買う側か?売る側か?
では、暴落相場で稼ぐ人たちは何をしているのか。
彼らは未来を当てていません。
市場に、流動性を提供して稼いでいるのです。
暴落の局面では、板に株が並ばなくなり、市場の流動性が枯渇します。
暴落の中で「どうしても株を売りたい」と思えば、『流動性を買う』必要があります。
買い手の姿が消え失せた市場で、成り行きでドカンと株を投げつける。
それでも、不思議と値がついて買ってくれる人がいます。
あなたは、まさにその人から、『流動性を買った』のです。
そしてその人は、流動性を提供した分の手数料を貰えるのです。
本来つくはずの価格からズレたトレードが頻発します。
そのたびに、見えない『流動性コスト』が、あちこちで支払われています。
タクシーの深夜料金を払う人たち
「私が投げ売りした分、誰か儲けてるってコト!?😠🥺💦」
はい。
でも、まったく悔しがる必要はありません。
これは明確で、正式な商売です。
「今、どうしても売りたい」と叫ぶあなたに対して、彼らは手数料を受け取って買い取ってくれたのです。
あなたには、どうしても売りたい事情が出たのだから、仕方ありません。
タクシーの深夜料金と同じです。
シンプルに、手数料です。
こんな暴落の中で、なぜだか知らないけど突然、買ってくれるというのですから。手数料を払って当たり前なのです。
彼らが、その後、どうやってうまいこと処理するのでしょうか?
どんなトレードストラテジーがあるのでしょうか?
私は、株をやって10年以上経ちますが、いまだにその手法がわかりません。
「🫢ただの卵焼きなのに、なんでこんなに異次元においしいのぉ〜❓✨やっぱりプロのシェフは魔法使いさんなんだねっ♡🍳✨」
そうそう。そんな感じです。
ここで本気で悔しがって、『私も作ってやる!』とはなりませんよね?
いやーすごいなぁ、ってお金を払うでしょ?
私と同じように、『彼らがどうやってそれで稼げるのかわからない』ならば、あなたは私と同じように『お客さん』です。
暴落の値幅で稼ぐ側にいる『商売人』ではありません。
『手数料を払う側』の人間です。
そして、それは悪いことではないんです。
なので。
暴落時にトレードを繰り返すたびに、「お客さん」側の期待値がマイナスなのは当然です。
動けば動くほど、見えない手数料を払っているのですから。
どうしても必要なトレードがあれば、手数料は払えばいいんです。
ただ、節約するに越したことはありません。
まとめ
さて。ここまでくれば。
次の子が、無理難題な努力をしているか分かると思います。
「暴落だぁ!ニュースを読んでガッポリ儲けちゃうぞぉ🤑✨世界情勢を読んでぇ!えいっ今日こそ売り!えいっ今日こそ買い!……あれれぇ?損しちゃってるぅ😰🌀よぉ〜し、もっと政治に詳しくなるぞぉ、どりょく、どりょくぅ💕」
未来は当てられません。
もっとひどいことに、当てても稼げません。
暴落の嵐の中で稼ぐトレードスタイルは、たしかに存在します。 しかし、彼らは「明日、戦争が終わるか」を予言して稼いでいるわけではありません。
流動性を買いたい『お客さん』から手数料をゲットしているだけです。
その『商売人』でないならば、必要最低限の分だけ流動性を買って、あとは極力動かないこと。
それが、期待値を高く保つための、もっとも実践的な防具となります。