メインコンテンツへスキップ
見出し画像

2026年9月権利確定の株主優待——今月中に買うなら押さえておきたい5社

    前回の記事では、2025年の1年間で株主優待を廃止した企業が68社だったのに対し、新設した企業は175社にのぼるという「二極化」の実態を取り上げました。優待は減っているのではなく、企業ごとに見直しが進んでいる、という話でした。

    今回は少し実践的な切り口で、2026年9月の権利確定に向けて、今月中に買うなら押さえておきたい銘柄を整理します。単なる人気ランキングではなく、「なぜ今なのか」という理由がはっきりしている銘柄——記念優待・新設・拡充のいずれかに当てはまる5社を中心に紹介します。必要投資額は2026年9月3日・4日時点の株価をもとに算出しています。

    2026年9月の権利日程を確認しておこう

    2026年9月末が権利確定日となる銘柄の場合、権利付最終日は9月28日(月)、権利落ち日は9月29日(火)、権利確定日は9月30日(水)です(マネーサテライト、2026年9月版)。この日までに現物株式を買い付ければ、株主としての権利が得られます。

    権利確定月や必要株数の基本的な考え方については、以前の記事「株主優待って何?いつ買えばいい?」でも解説した通りです。今回はその応用編として、実際に今月押さえておきたい銘柄を見ていきます。

    オリエンタルランド(4661)——上場30周年記念、保有期間を問わず1デーパスポート追加

    オリエンタルランドは2026年4月28日、上場30周年を記念した特別株主優待の実施を発表しました。2026年9月30日時点で100株以上を保有していれば、通常の株主優待に加えて、有効期限2027年8月31日までの株主用1デーパスポートが1枚追加で配布されます。100株保有の必要投資額は、株価3,136円(2026年9月4日終値)で計算すると約31万円です。

    通常の優待制度は保有株数や保有期間によって内容が変わる仕組みですが、今回の特別優待は保有期間を問わず100株保有だけで対象になる点がポイントです。長期保有者向けの優待が中心になりがちな中、今から買う株主にも記念のタイミングでチャンスがある珍しいケースといえます。

    学研ホールディングス(9470)——創業80周年記念「学び応援」、対象は新規株主・買い増し株主のみ

    学研ホールディングスは2026年5月18日、創業80周年を記念した優待「学び応援」の実施を発表しました。自社グループ商品セット(5,000円相当予定、図鑑2冊セットなど)から1つを選べる内容です。100株保有の必要投資額は、株価1,016円(2026年9月4日終値)で計算すると約10万円です。

    注意したいのは対象条件です。①2026年3月31日時点で株主でなかった人が9月30日時点で新規に100株以上を保有した場合、②同じ期間に保有株式を100株以上買い増しした場合、のいずれかに該当する株主が対象で、3月時点から株数を変えずに保有し続けているだけの既存株主は対象外とされています。「今月中に買うなら」という今回のテーマにそのまま当てはまる、珍しい設計の記念優待です。申込受付は2026年11月下旬から始まる予定です。

    プレステージ・インターナショナル(4290)——創業40周年記念、総合利回り8〜9%台

    保険代理店・BPO事業を手がけるプレステージ・インターナショナルは2026年7月28日、創業40周年を記念した株主優待の実施を発表しました。2026年9月末時点で100株以上を保有する株主にQUOカード3,000円分が贈呈されます。100株保有の必要投資額は、株価693円(2026年9月4日終値)で計算すると約6.9万円です。

    発表時点の株価をもとにした複数メディアの試算では、配当と優待を合わせた利回りは8〜9%台とされています。優待だけでなく配当利回りの高さも含めて注目されている銘柄です。

    ANAホールディングス(9202)——2026年7月からシンプル運賃5%割引の新特典

    ANAホールディングスの株主優待は、100株以上の保有で国内線の株主優待割引運賃券がもらえる定番銘柄ですが、2026年7月1日から新たに国内線「シンプル運賃」が5%割引になる特典が追加されました。100株保有の必要投資額は、株価2,999.5円(2026年9月4日終値)で計算すると約30万円です。

    従来の割引運賃券に加えて選択肢が広がった形です。海外旅行との組み合わせで使えるPeach国際線の割引や、ツアー割引の拡充とあわせて、旅行需要のある株主にとって使い勝手が広がっています。

    青山商事(8219)——株式分割後も優待据え置きで実質拡充、投資額は約3分の1に

    紳士服大手の青山商事は2026年3月30日、普通株式1株につき3株の株式分割(効力発生日2026年4月1日)にあわせて、株主優待制度の適用基準を拡大すると発表しました。優待内容そのもの(100株以上1,000株未満で20%割引券3枚など)は変えず、分割によって同じ優待を得るのに必要な投資額が約3分の1に下がった形です。100株保有の必要投資額は、株価765円(2026年9月3日終値)で計算すると約7.7万円です。

    制度上は「変更なし」でも、実質的には対象株主の裾野を広げる拡充にあたります。最低投資額が下がった分、これから優待株を始めたい人にとっては参入しやすい銘柄です。

    ほかにも新設・拡充の動きがある銘柄(番外編)

    5社以外にも、2026年に入ってから優待を新設・拡充した銘柄はいくつもあります。

    トランヴィア(545A)は、東邦システムサイエンスとランドコンピュータが2026年4月1日に合併して誕生した持株会社です。2026年5月14日、100株以上の株主にQUOカード3,000円分(うち1,000円分は初回限定の記念優待)を贈呈する優待を新設すると発表しました。

    マツキヨココカラ&カンパニー(3088)は2026年5月13日、株式分割後も優待内容を据え置くことで実質的な利回り向上を図るとともに、長期保有株主向けの優遇制度を新設すると発表しました。青山商事と同じく、分割を使って対象株主の裾野を広げるパターンです。

    商船三井(9104)は新設・拡充ではありませんが、9月権利分として100株以上の保有でにっぽん丸クルーズ優待券(1枚で10%割引)とフェリー割引券(5,000円引き)がもらえる定番銘柄で、9月権利確定の候補としてよく名前が挙がります。

    まとめ

    • 2026年9月の権利付最終日は9月28日(月)、権利落ち日は9月29日(火)、権利確定日は9月30日(水)(マネーサテライト、2026年9月版)

    • オリエンタルランドは上場30周年記念で、保有期間を問わず100株保有(約31万円)だけで1デーパスポートが追加される(2026年4月28日発表)

    • 学研ホールディングスの創業80周年記念優待「学び応援」は、100株保有(約10万円)で、新規株主・買い増し株主のみが対象という珍しい設計(2026年5月18日発表)

    • プレステージ・インターナショナルは創業40周年記念でQUOカード3,000円分、100株保有(約6.9万円)で配当と合わせた利回りは8〜9%台(2026年7月28日発表)

    • ANAホールディングスは100株保有(約30万円)で、2026年7月からシンプル運賃5%割引の新特典が追加

    • 青山商事は株式分割後も優待内容を据え置き、100株保有(約7.7万円)で実質的に投資額が約3分の1に下がった(2026年3月30日発表)

    記念優待や新設・拡充のタイミングは、既存株主だけでなくこれから買う株主にもチャンスがある場合が多く、権利付最終日までに情報を押さえておく価値があります。

    次回は、株主優待の「長期保有条件」がいつから数えられ、名義変更でどうなるのかについて取り上げる予定です。


    関連記事

    他にも資産防衛のトピックを発信しています。フォローしていただけると励みになります。


    参考にした情報源

    この記事が参加している募集

    あなたへのおすすめ