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ティップランエギの選び方とおすすめ|重さは水深と船の流れで決まる

    おう、元気か?

    釣具屋のティップランの棚の前で、手が止まったことはねぇか。同じ3.5号なのに27gのエギと30gのエギが並んでいて、その横には7gから60gまでの錘がぶら下がっている。どれを何個カゴに入れればいいのか、パッケージを眺めても答えは書いてない。

    先に答えを言っておく。

    ティップランのエギは、色より先に重さで選べ。重さを決めるのは水深と船の流れる速さの2つだけで、基準は毎回底が取れることだ。

    重さが合っていれば、あとは陸っぱりで覚えた号数と明暗の理屈がそのまま効く。


    01. ティップランエギは重さで選ぶ|水深×1gから始めて、底が取れなければ足す

    ティップランエギの重さの選び方の図。軽すぎるとラインが寝て底が取れず、ラインの角度が45度になる重さが目安で、水深30m前後では27g・37g・47gと錘を足していく順を示しています。
    ティップランエギの重さの選び方の図

    重さの決め方は、ヤマシタがティップラン用の錘(シンカー)の解説で2つのルールにまとめている。

    ■ 水深×1gが基本 → 状況が分からない釣り始めは、水深30mなら30g程度から
    ■ ラインの角度が45度になる重さを選ぶ → 釣り始めの重さが合っているかは、ラインの角度で確かめる

    同じ解説の図は、潮が速い、風が強い、底が取れないときは「底が取れるまで重量を増やしましょう」とも書いている。専用エギの3.5号(27g)に錘を足していく並びで、水深30m前後に当てはめるとこうなる。

    ■ 風が穏やかで、専用エギだけで底が取れる → 3.5号単体の27g
    ■ 船が流れて、底が取りにくい → 10gを足して37g
    ■ まだ取れない → 20gを足して47g。潮が速い日は、図では合計77gまで幅を持たせている

    船が流れている日なら、最初から10gを足した37gで入っていい。

    つまり、お前が決めるのは「号数」じゃなく「合計で何gか」だ。水深×1gは、その日の入口の重さにすぎない。入ってから、底が取れるかとラインの角度を見て足し引きする。流すたびに水深が変わるなら、入口の重さもそのつど変える。水深は乗る前に船長に聞けば教えてくれる。聞かずに乗って、錘の足し引きを当てずっぽうでやるのが、いちばん時間を捨てる。

     

    なぜ重さが要るのか|沈むあいだに船が流れる

    陸っぱりの1本目、3.5号のノーマルは1m沈むのに約3秒かかる。ティップランの水深30mに落とすと、底まで90秒だ。ヤマシタの専用エギ、エギ王 TR の3.5号は1m約1.2秒で沈むから、同じ30mを36秒で届ける(公表の沈下速度×30mで、潮に流されない前提の計算だ)。

    船は止まっていない。風に押されて横へ流れている。沈むのに時間がかかるほど、そのあいだに船は進み、ラインは斜めに膨らんで、エギは底に届く前に引きずられていく。重さは、この「流される前に底へ届ける」ために要る。

    もう1つ覚えておけ。同じ3.5号でも、メーカーによって重さが違う。エギ王 TR は27gだが、ダイワのティップラン用エギ、エメラルダス ボート II の3.5号は30gだ。同じボート II にも、3.5号のまま50gまで重くしたものがある。棚の前では、号数の横に小さく書いてあるgの数字を先に見ろ。号数が決めているのはエギの大きさで、重さじゃない。だから号数で揃えず、手元の数字を合計のgで数えろ。

     

    底が取れているかは、ラインで見る

    着底の合図は陸と同じで、送り込んでいたラインが出ていかなくなった瞬間だ。これが毎回はっきり分かれば、重さは合っている。

    分からなくなったら、ラインの角度を見ろ。エギの姿勢の45度とは別の話で、船から海へ入っていくラインの角度だ。ヤマシタは、これが45度になる重さを選ぶよう書いている。俺の読み方では、船の流れに引かれてラインが寝ていくようなら軽すぎるから錘を足す。真下に立っているなら、軽くしてもいい。風が変われば船の流れも変わるから、重さは1日のうちに何度でも合わせ直すものだと思っておけ。


    02. 専用エギか、手持ちのエギ+錘か

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    ティップランのエギは、2通りの揃え方がある。1つはティップラン専用のエギ。もう1つは、陸っぱりで使っているエギに錘を足す方法だ。どっちでも釣りは成立する。違うのは、止めたときの姿勢と、錘の足し方だ。

     

    専用エギ|止めたときに姿勢が決まるように作ってある

    ティップランでイカが抱くのは、シャクったあとに止めて、船に引かれて横にすべっている間だ。だから専用エギは、止めたときにブレないことを一番に作ってある。

    ヤマシタはエギ王 TR を「ピタッと止まる安定スイム」のエギとして説明している。十字形のフィン、舵の役目も持たせた錘、横に張り出したボディ、大きな針の組み合わせで、止めた間にエギが左右に振れないようにしている。ヤマシタの川上英佑氏の解説では、頭から錘まで金属が詰まっているから重心が前にあり、沈むのが速くて着底も分かりやすい。

     

    手持ちのエギ+錘|専用より重めから始めて、前の日に合わせておく

    専用エギを何本も揃えなくても、ティップランは始められる。川上氏は、普段岸から投げている使い慣れたエギでもティップランは成立すると言っている。

    ただし、そのまま錘を付ければいいわけじゃない。岸用のエギは前に進みながら沈むように作ってあって、錘がボディの真ん中寄りにある。重心が前に来ないぶん、専用エギと同じくらいの重さにしても沈み方は遅い。だから川上氏は、手持ちのエギには専用エギに付けるより重めの錘を付けるよう勧めている。別の解説では、気持ち重めの20gくらいから始めて、慣れたら軽くしていいとも言っている。

    手持ちのエギの形でも、船の上での性格は変わる。川上氏は、自社の3つのエギに錘を足したときの違いをこう分けている。

    ■ 軽快にダートするタイプ(エギ王 LIVE) → 水を受け流す力が強く、深い場所や速い潮でもよく動く
    ■ 安定させるタイプ(エギ王 K) → ボディが太くて安定するぶん沈みが遅いので、重めの錘が要る。止めると潮になじむ
    ■ アピールの強いタイプ(エギ王 SEARCH) → ボディが太く水をつかむから、潮の情報が手元に伝わる。川上氏がいちばん勧めている

    陸でダート系と安定系を使い分けてきた奴なら、その感覚がそのまま船でも使える。どのエギを持ち出すにしても、錘が付く号数には決まりがある。ヤマシタの錘の適合表では、エギ王 K は2.5〜4号、LIVE と SEARCH は2.5〜3.5号に付けられて、SEARCH の2.5号には15gまでとなっている。

    錘はほとんどのエギに付くように作ってあるが、合わないエギもある。釣りに行く前の日に、手持ちのエギと錘を実際に合わせて、スナップ(エギとリーダーをつなぐ金具)が通るかまで確かめておけ。船の上で気づいても遅い。

    逆に、手持ちのエギに分がある日もある。川上氏の解説では、重心が真下に寄った専用エギは、うねりのある日に止めると上下に揺れやすい。岸用のエギに錘を足したほうが、止めたときの姿勢が落ち着くことがある、と言っている。専用エギと手持ちのエギは、どっちが上かじゃなく、海の荒れ方で持ち替える道具だ。

    ▶ ヤマシタの川上英佑氏が、手持ちのエギでティップランをする利点と注意点を解説している。2分21秒あたりから専用エギでも底が取りづらい時間があって錘で重さを合わせる話、6分3秒あたりから手持ちのエギは沈み方が違うので専用より重めの錘を付ける話、7分19秒あたりから釣行の前日にエギと錘を合わせて確かめる話、10分12秒あたりからうねりの日の姿勢の違いを話している。



    03. 錘の選び方|10g・20g・30gを持って船に乗れ

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    錘は、エギの頭に付けて重さを足す部品だ。ヤマシタのエギ王 TR シンカーは7gから60gまで8つの重さがあって、重さごとに別売りになっている。簡単に付け外しができて、2か所のスリットのおかげで、岸用のエギのアイ(ラインをつなぐ輪)の位置でもスナップを通せる。

    最初に持っていく重さは、10g・20g・30gの3つでいい。川上氏も、初めてなら少なくとも30gくらいまでの錘は用意しておくよう勧めている。水深×1gで始めて、底が取れなければ10gずつ足す。30gまで足しても底が取れない日は、船長に周りが何gを使っているかを聞け。その日の海を一番知っているのは船長だ。

    錘には色もある。ヤマシタの説明では、オレンジは釣り人から見やすく、回収のときに巻き込みを避けやすい。パープルは澄み潮や低活性のときに、錘の目立ち方を抑えて、イカをカンナ(エギの後ろの傘のような針)の側に乗せる。夜光は濁り潮や深いところで使う。明暗で色を選ぶ陸の考え方と同じで、錘の色もエギの明るさの一部として数えておけ。

    付け方は、メーカーで作りが違う。ヤマシタの錘は、エギの頭にかぶせて、エギのアイに付けたスナップを錘のスリットに通して使う。ダイワの錘は、エギの頭に差し込んでスナップでつなぎ、バンドをエギの錘とアイにたすき掛けにして、ガタつかないように固定する。どちらも、付けたら足元の水に一度沈めて、エギがまっすぐ沈むかを見てから底へ落とせ。錘が曲がって付いていると、止めたときの姿勢が崩れる。

    注意が1つある。錘とエギには相性がある。ヤマシタは自社の錘をほとんどのエギに付けられる形にしているが、ダイワの錘は、合うエギを対応表で決めている。違うメーカーの組み合わせで使うなら、買う前に合うかを確かめろ。


    04. 号数とカラー|陸の理屈がそのまま効く

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    重さを錘で合わせられるなら、号数とカラーは陸っぱりと同じ理屈で決めていい。

    号数は、エギの大きさ、つまりイカに見せるシルエットの大きさだ。陸で使うエギの号数の選び方と同じで、俺は3.5号から入るのを勧めている。秋の小さいイカが追ってくるのに抱かないなら、3号に落とす。ヤマシタの専用エギも3号と3.5号の2つだ。

    釣具のポイントの特集は、春は3.5号、秋の新子のシーズンは3号を基本にしている。数を釣る秋に小さく見せる考え方で、間違いじゃない。俺が勧める順番は、大きさの違うイカが混ざる秋でも、先に大きいほうに見つけてもらう3.5号から入って、乗らなければ3号へ落とす順番だ。どっちの順番でも、重さは号数と切り離して、錘で合わせる。

    カラーも明暗の2本で考えろ。イカに色は見えていない。見えているのは明るいか暗いかだ。ケイムラの下地で光を返す明るい1本と、赤い下地で影を作る暗い1本を持っていけば、光量の変化に対応できる。エギ王 TR なら、明るい側はケイムラピンク、暗い側は軍艦グリーンだ。ヤマシタも軍艦グリーンを、光の届きにくい深場に向く色として出している。最初に買うおすすめを1つに絞るなら、エギ王 TR の3.5号をこの明暗の2色と、錘の10g・20g・30gだ。

    明と暗の使い分けの理屈は、ここにまとめてある。



    05. 仕掛け|ラインとリーダーは陸のまま、竿は専用

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    エギと錘が決まれば、あとの仕掛けは陸っぱりの組み合わせをそのまま持っていける。釣具のポイントの特集が勧めているのは、PEラインの0.6号を200mと、フロロカーボンのリーダーの2〜2.5号だ。陸っぱりのエギングで使う組み合わせと同じ数字になっている。

    ラインの細さは、重さの話にもつながる。同じ特集が、ラインは細いほど潮の抵抗を受けにくいと書いている。太いラインは水の中で潮に押されて、同じ重さのエギでも底に届きにくくなる。重さが足りないと感じたら、錘を足す前にラインの太さを疑え。

    リーダーの太さと長さの決め方は、ここで話している。

    竿だけは陸のものを使い回せない。ティップランの竿は2m前後の短い専用ロッドで、穂先がやわらかい。真下の重いエギを支えたまま、止めている間の小さな変化を穂先に出すためだ。1回の流れの中で、エギをどう落として、どこで止めて、穂先の何を見るかは、ティップランの基本の記事にまとめてある。

    エギ、ライン、リーダー、リール、竿をどの順番で決めるかは、陸っぱりのタックルの記事と考え方は同じだ。



    まとめ

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    長々と語ったが、結論はシンプルだ。

    ティップランのエギは、色より先に重さで選べ。重さを決めるのは水深と船の流れる速さの2つだけで、基準は毎回底が取れることだ。

    ■ 重さは合計のgで数える。水深×1gで始めて、底が取れなければ錘を足す。ラインの角度は45度が目安
    ■ 同じ号数でもメーカーで重さが違う。号数で揃えず、手元の数字で数える
    ■ 専用エギは止めたときの姿勢が決まる。手持ちのエギは専用より重めの錘で始め、前の日に合わせておく
    ■ 錘は10g・20g・30gの3つを持っていく
    ■ 号数は3.5号から入り、乗らなければ3号。カラーは明暗の2本。ラインとリーダーは陸のまま


    よくある質問(FAQ)

    理屈っぽいお前らのために、最後によくある疑問を潰しておくぞ。

    Q1. ティップランで最強のエギはどれですか?

    A. 結論:最強の1本は無い。その日の水深と船の流れで底が取れる重さのエギが、その日の最強だ。 どれだけ評判のいいエギでも、底に届かなければイカの前を通らない。反対に、重さが合っていれば、陸っぱりで使い慣れたエギでも釣りは成立する。ランキングで1本を探すより、明と暗の2本と、重さを変えられる錘を揃えておくほうが、その日の海に合わせられる。

    Q2. ティップランのエギは何本くらい必要ですか?

    A. 結論:エギは明暗の2本、錘は10g・20g・30gの3つから始めろ。 重さは錘で変えられるから、エギの本数を増やす必要はない。ただ、ティップランは底を取る釣りだから、根掛かりでエギを失うことはある。明暗それぞれに同じ色の予備を1本ずつ足して、合計4本にしておけ。1本失っても、明暗の組み合わせを崩さずに続けられる。

    Q3. ティップランエギの3号は何gですか?

    A. 結論:メーカーで違う。ヤマシタのエギ王 TR の3号は21g、ダイワのエメラルダス ボート II の3号は25gと35gがある。 同じ3号でも10g以上の差があるから、号数だけで重さを判断するな。買うときはパッケージのgを見て、錘と合わせた合計で考えろ。

    Q4. 季節で使う重さは変わりますか?

    A. 結論:変わるのは季節じゃなく水深だ。冬は船が深い場所を攻めるから、そのぶん重くなる。 ヤマシタは釣期と水深の目安として、春と秋は30m前後、12月から2月は50m前後を挙げている。水深×1gのルールに当てはめれば、冬は合計50g前後から始める計算になる。季節で覚えるより、その日の水深を船長に聞いて、そこから重さを出せ。


    ティップランは、重さを合わせる釣りだ。底が取れた瞬間から、陸で積み上げてきた号数と明暗の理屈が船の上でも働き出す。釣具屋で迷ったら、号数でも色でもなく、合計のgを数えろ。

    水深を聞いて、錘を足せ。

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