
AIが日本企業に入社した日、最初に起きたこと|社内AI観察録 #1
「AIを使うんだ」
最近の上司のこの一言、会議室の空気は、少しだけとまる。
最近のMTGでは、毎回誰かが口にする。
「AIに候補を出してもらいました」「これからの時代はAIを使わないと」
……正直、もう耳タコなのである。
気づけば昨年から社内環境に次々とAIが導入された。
最初に社内用にチューニングされたチャットボット。次にcopilot。最後にChat GPT Enterprise。
さらに、社内のFAQをナレッジ化する仕組みまでもが降臨した。
(僕はプライベートの相棒がGPTなので、会社でも合わせてGPTを使っているが、どうも社内で人気なのはフランクな性格のcopilotのようだ。)
AI導入初期(もはや旧石器時代)
◆まず起きたこと
導入直後は、とにかく導入として「機密情報の取り扱い方」が口すっぱく取り沙汰された。マニュアルも単語やコンプライアンス軸での「機密情報」を定義した資料だった。例えば、顧客情報とか。
◆最初に生まれた「謎文化」
しかし、社員が最初に考えついた使い方は、Excelの解析・整形だったのだ。
「・・・果たして、この手元にある営業数字のExcelはプロンプトとしてアップロードしていいのか・・・?」
世紀の難問である。しかも死活問題。
結果、
「質問して良いか」をAIに質問する、という奇妙なトレンドが発生した。
どういうことか。
「これ、AIに聞いていいですか?」
それをAIに聞くのである。
◆未知と果敢に戦った中堅社員
AIと小難しい会話が成立しただけで半径3メートルにドヤ顔の衝撃波が放たれたこともあった。
40手前の営業統括だった。
30代前半ならまだ若手に混じって「ちょっと試しました」で済む。しかし、後半にもなるとそうもいかない。
失敗できないのに、常にファーストペンギンをやらされる。
copilotの無垢な画面を前にした彼の「めっちゃ言いたいことがありそうな」背中は実に見応えがあった。
僕自身、VLOOKUPの計算式についてAIに質問していいか?と彼から相談を受け、、、、僭越ながらcopilotの代役を務めたこともあった笑
2025年。たぶん、会社全体が初めて火を手に入れた瞬間だった。
導入1〜2ヶ月後(好事例大「公開」時代の幕開け)
◆アグレッシブな伝道師たち、現る
このあたりから突如として新しいもの好き民族が台頭を始める。
社内で身近な業務にAIを取り入れてみたを謳う、
好事例発信祭りが始まったのだ。
そう、「やってみた。」シーズンの到来である。
例えば「Formsの回答をAI使って集計してみた」とか。
(・・・Excelにはテーブルという集計機能は付随しているのだが、この事例により、coplilotは人気急上昇中のトレンド入りしたと僕は分析している。)
とにかく発信はスピードが命だった。teamsはさながら濁流のような速さで上下へ流れていったのだった。
◆AI、遂に発言権を獲得する
次の一歩は、「AIに意見を聞いてみた」だった。
例えば、チームの目標やスローガン、今までは自分で捻り出していたフレーズをAIに生成してもらった。それを採用、ないしはベースとして利用してみた、というものである。
これは社内に衝撃が走った。
実のところこれは一歩どころではなく、れっきとした一撃だった。
AIの生成結果を実際に採用して実務に活かしたからだ。その事例発信が出る前だって同じようなことをしていた社員は絶対にいるはずだ。
だが、どうにも「AI成果物」の立場が弱かったのだ。
この事例により、以降堂々とAIの出したものを社内で公開してもいいんだ、という空気が広がった。
それまで、AIの生成結果は「参考」だった。
この瞬間、
それは「採用していいもの」に変わった。
2025年夏。
万歳、AIはついに社内に席を確保した。
僕が思ったこと。
「AIは最初、“使えるか”ではなく“使ってるか”で評価される」
ここまで読んでくださって感謝です。
・・・続編もあります!いかがですか?笑
社内AI観測録