
複合機から情報が漏れるって本当?
事務機器ねっと編集部です。
オフィスの隅に置かれている複合機。コピーとプリントの機械と思われがちですが、中身は社内のネットワークにつながったコンピューターです。読み取った書類の画像、取引先のメールアドレスを登録したアドレス帳、誰がいつ何を印刷したかの記録まで、本体の中に残っていることがあります。
では、ここから情報が漏れることは本当にあるのでしょうか。
事務機器ねっとは、複合機・コピー機のマルチベンダー販売店として20年目に入りました。今回は、実際にニュースになった出来事をもとに、オフィスで知っておきたい話をまとめます。
大学の答案がネットから見えていた
2013年11月、複数の大学で、複合機で読み取った書類がインターネット上で誰でも見られる状態になっていたことが報じられました。ある大学では、期末試験を受けた学生95人分の答案用紙が閲覧できる状態だったとされています。
情報処理推進機構(IPA)も、この件を「インターネットから閲覧可能な複合機」の事例として取り上げています。2016年には、JPCERTコーディネーションセンターが、国内の複数台の複合機がインターネットからアクセスできる状態にあることを確認したとして、注意を呼びかけました。
報道では、セキュリティ対策が不十分だった可能性が指摘されていました。機械が壊されたのではなく、使い方の設定ひとつで外から見えてしまう。ここがこの話のこわいところです。
今年も、メーカーからのお知らせは出ている
昔の話では終わっていません。2026年7月には、SHARPが一部の複合機に脆弱性があるとして、ソフトウェアの更新を呼びかけました。条件がそろうと、本体に保存された画像データに、管理画面の認証を通らずにアクセスされるおそれがあるという内容です。
あわせて、管理者のパスワードを初期値から変えること、記録(ログ)を定期的に確認することなども案内されています。
複合機にも「見張り役」がつく時代に
2026年10月13日、Canonは「プリンターEDR」という技術を発表しました。EDRは、パソコンやサーバーの動きを見張り、不審な動きを見つけるための仕組みです。その考え方を複合機やプリンターに持ち込んだもので、Canonは印刷業界で初めてとしています(同社調べ)。
不審な通信を自動で止めたり、書き換えられた設定を元に戻したりして、検知した内容を管理者にメールなどで知らせます。2027年第1四半期からimageFORCEシリーズなどに対象を広げ、すでに設置されている機種にもファームウェアの更新で順次届ける予定です。
守る機能が「オフ」のこともある
ここが一番の豆知識かもしれません。見張る機能や、自分で直す機能は、ほかのメーカーの複合機にもあります。たとえばSHARPのある機種の取扱説明書では、起動時にファームウェアの破損を見つけて元に戻す設定、攻撃とみられる通信を止める設定、操作の記録を残す設定が、いずれも工場出荷時は「無効」と書かれています。
機能が付いていることと、その機能が働いていることは別の話です。
まとめ
・管理者のパスワードを、導入したときのままにしない
・ファームウェアを新しい状態に保つ
・見張る機能や記録の設定が有効になっているかを、販売店に確かめる
リースを終えて返すときも、中のデータの消去を忘れないでください。個人情報保護委員会は、個人データを消すときは元に戻せない方法で消すよう求めています。
詳しくは複合機セキュリティ完全チェックリストで整理しています。
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