
【1から作る】音で光るスピーカー
音に合わせて光るスピーカーを作りました
中に入っている基板の一部は、回路設計から自分でやりました。作り始めてから完成まで、だいたい半年かかっています。
この記事では、その中身を全部お見せします。
何を作ったのか
やることは2つだけです。
スマホをケーブルで挿すと音楽が鳴る
その音の大きさに合わせて、LEDが光る
それだけです。ただ、箱を透明なアクリルにして、中の回路が全部見えるようにしました。

中身を見ていきます
箱
まずこれが箱です。アクリル板を組んで、スピーカーを入れる穴を開けたところ。

丸穴の切り口がガタガタなのは、手で切ったからです。
基板たち
中に入るのはこの4枚です。

左上の黒いのがESP32というマイコン。右下の青いのがアンプ。そして緑色の2枚が、自分で設計して作った基板です。
1枚は電源を作る基板(DC-DCコンバータ)、もう1枚は音の信号を扱う基板です。この2枚については後で説明します。
組み込み
基板を箱の底に敷いて、

スピーカーユニットを前面に取り付けます。

ここで問題がありました。アクリル板が薄くて、ネジで留めてもスピーカーがガタつくんです。仕方がないので、コルクを削ってナット代わりにしました。 加工しやすかったので、それだけの理由です。
天板もコルクにして、蓋にしています。

自分で作った2枚の基板
ここが一番時間をかけた部分です。
電源を作る基板
外のケーブルから来る電気は24V。でもマイコンやLEDが必要なのは5Vです。だから電圧を落とす回路が要ります。
これは買えば数百円で売っています。でも勉強したかったので、自分で設計して作りました。

音の信号を扱う基板
音に合わせて光らせるには、まずマイコンが「今どのくらいの音量か」を知る必要があります。
ただ、スピーカーに流れている音の信号は、そのままではマイコンが読めません。だから信号を適切な形に整えてから渡す、という基板を作りました。

この2枚の設計過程は、それぞれ別の記事に全部書いています。回路をどう考えたか、部品をどう選んだか、基板の配線をどう引いたか。興味がある方はそちらへどうぞ(記事の最後にリンクを置いています)。
うまくいかなかったこと
LEDの電源は自作をあきらめた
最初は、自分で作ったコンバータで全部まかなうつもりでした。
でも作った基板を測ってみると、電流を多めに流したときに、出力の揺れが予想より大きく出ました。
音の信号を扱う基板は、電源が揺れると影響を受けます。そこに不安を残したくなかったので、LEDには市販のコンバータを別に用意して、電源を2系統に分けました。自作したほうは、安定して動く範囲だけを担当させています。
周波数ごとに光らせるのは断念した
当初は「低音は赤、高音は青」のように、音の高さごとに色を変えたいと思っていました。FFTという処理でそれをやろうとして、実際にかなり試しました。
結果としては、うまく音を反映してくれず、断念しました。
最終的には単純に音の大きさだけを見て光らせる方式にしています。
制作にかかったもの
半年かかりました。
途中で中断していた期間もありますが、時間がかかった理由のひとつは測定器です。 回路を自分で設計するとなると、オシロスコープのような道具が必要になります。これが高い。買えるようになるまで待つ、という期間がありました。
動かしてみた結果
うまくいきました。
音は問題なく出ますし、音量も十分です。何より音質が良かったです。LEDも音に合わせてきちんと反応しています。自作した電源も安定していて、長く鳴らしても問題はありませんでした。

暗い部屋で鳴らすと、部屋がLEDに照らされてなんだか幻想的な雰囲気になりました。
暗い部屋
明るい部屋
詳しい制作過程
自作した2枚の基板については、設計の段階から全部記事にしています。
電源を作る基板(DC-DCコンバータ)
・初学者が作るDCDCコンバーター〈回路設計と素子選定〉
初学者が作るDCDCコンバーター〈レイアウト設計〉
初学者が作るDCDCコンバータ〈完成〉
音の信号を扱う基板(オペアンプ回路)
・初学者が作るオペアンプ回路〈音声信号をESP32で読むための基板〉回路設計と素子選定
初学者が作るオペアンプ回路〈音声信号をESP32で読むための基板〉レイアウト設計
使ったもの
スピーカーユニット FOSTEX FE103NV2 アンプ TPA3116D2 搭載モジュール マイコン ESP32 LED WS2812B(144個/m、1m) 電源 24V ACアダプタ 電圧変換 自作DC-DCコンバータ + 市販5Vコンバータ(LED用) 音声信号処理 自作フロントエンド基板(オペアンプ) 筐体 アクリル + コルク
余談
ここまで淡々と書いてきましたが、最後に少しだけ本音を。
今回のスピーカーを作るにあたって、自作基板の作り直しや、新しく必要になった測定器、プリント基板に使えるはんだごてを買う必要がありました。総額は20万円近くです。
大学生には、なかなか厳しい金額でした。バイトで稼いだお金が、そのまま部品と工具に吸い込まれていく感覚。制作に半年かかった理由の半分は、正直これです。買えるようになるまで待つ、という期間がありました。
でもここまで来たら、測定器もはんだごても使い倒すしかありません。
これからも、電子工作でワクワクできるものを作っていきます。