
観葉植物の葉先が枯れる原因は土で見分けます|水切れ・根腐れ・肥料焼け
葉の先だけが、茶色くカサカサしてきた。昨日までは青々としていたはずなのに、ふと目をやると先端だけが枯れ始めている。
観葉植物を育てていると、非常によく出くわす場面です。「水が足りないのだろうか」と考えて、慌ててじょうろを手に取る気持ちは、たいへんよく分かります。
しかし、そこで水を足すのは少し待ってください。三十年、この商売をやってきましたが、葉先の茶色は水が足りない合図とは限りません。
葉先が枯れるのには、幾つかのまったく異なる事情が隠れています。
葉先が枯れたら、まず土を触って見分けます。乾いてサラサラなら水切れ、湿ったままなら根腐れ、直前に肥料をやったなら肥料のやりすぎを疑います。
焦って水を注ぐ前に、まずは鉢の土の様子を確かめてみましょう。
葉先が枯れたら、水を足す前に土を触ります

葉先が枯れてきたときは、まず鉢の土に指を入れて、土の中の乾き具合を確かめます。
病害虫ナビ(KINCHO園芸)の資料を見ると、「葉先から枯れてくる」症状の原因として挙げているのは、「栽培管理」と「葉枯病」の2つだけです。病気を疑う前に、まずは日頃の水やりや肥料、置き場所といった栽培管理を見直すことが基本になります。
では、栽培管理のどこに問題があるのか。それを見分ける確実な手がかりが、株元の土の感触です。
ここは、カルテに書いておきましょう。
鉢の土を触り、最近の管理を振り返って、次の状態のどれに当てはまるかを観察します。
■ 指に土がつかず、サラサラこぼれる → 水切れ
■ 水をやってもすぐ鉢底から抜ける、または鉢底から根が出ている → 根詰まり
■ 土が湿ったまま乾いていない → 根腐れ
■ 直前に肥料をやった → 肥料のやりすぎ
指で土を触ったときに、指にまったく土が付着せずサラサラとこぼれ落ちるなら、土の中の水分が尽きている水切れのサインです。
水を与えても土に染み込まずにすぐ鉢底から流れ出てしまったり、鉢の底穴から根が飛び出していたりするなら、根詰まりを起こしています。
前回の水やりから日数が経っているにもかかわらず土が湿ったままであれば、根腐れを疑います。
そして、直前に肥料を与えた心当たりがあるなら、肥料のやりすぎ(肥料焼け)を疑います。
水やりはカレンダーで機械的に決めず、土の状態を見て行います。ハイポネックスの資料では、「土の表面が乾いて白っぽくなっているときや、土の中を触って完全に乾燥しているとき」にたっぷり与える、と書かれています。
水を与えるときは、鉢の底穴から水があふれるくらいたっぷりと注ぎます。そして受け皿に溜まった水は、必ずその場で捨ててください。受け皿に水を溜めたまま放置することは、根腐れを招く直接の原因になります。
冬の水やりはさらに控えめに管理します。土の表面が白っぽく乾いてから数日待って、与える回数や量も夏の半分以下に抑えてください。
葉先に限らず、株全体がぐったりしたときの切り分けは、土の触り方から順に、こちらのカルテに並べています。
土が乾いてサラサラなら、水切れを疑います

株元の土に指を入れてみて、指に土がつかずサラサラとこぼれ落ちる状態なら、水切れを疑います。
ハイポネックスジャパンによるアレカヤシの育て方の資料には、「春~秋は土が乾くと、葉先が茶色くなるので、乾く前にたっぷりと水やりします」という記述があります。これはアレカヤシの春から秋についての記述で、ほかの品種でも同じことが起きるとは書かれていません。
水切れが確認できたら、すぐにたっぷりと水を与えてください。たっぷりとは、鉢の底穴から水が勢いよくあふれ出てくるまでの量のことです。鉢土全体にまんべんなく水を行き渡らせてください。
ただし、水をしっかり注いでいるつもりでも、結果として水切れと同じ状態に陥ることがあります。それが根詰まりです。
資料によると、根詰まりを起こしていると「水やりをしてもすぐに鉢底から流れ出て、乾燥してしまう」という現象が起きます。別の資料にも、根詰まりを起こすと養分や水分が吸収しにくくなる、とあります。
メーカーの資料には、根詰まりそのものが「葉先を枯らす」という直接の記述はありません。それでも、水分や養分を吸いにくくなる点では、水切れと同じ側に位置するトラブルです。
根詰まりへの手当ては、根を3分の2程度切り詰めて、新しい用土を使ってひと回り大きな鉢へ植え替えることです。予防のためには、1〜2年ごとに定期的な植え替えを行います。
「乾いた」を土の色で見分けるやり方は、水やりのカルテが受け持っています。
土が湿ったままなら、根腐れを疑います

土の中を触ってみて、湿り気が残っているにもかかわらず葉先が枯れているときは、根腐れを疑います。
ハイポネックスのコルジリネに関する資料には、「水を与えすぎたり、水はけの悪い用土を使用したりすると根腐れを起こす可能性があります。根腐れを放置しておくと葉の先端が枯れる、もしくは株全体が枯れる恐れがあるので早めに植え替えを行いましょう」とあります。
こちらもコルジリネという品種についての資料ですが、根腐れによって葉の先端が枯れる恐れがあると示しています。
ここで避けたいのは、葉先が枯れているからといってさらに水を注ぎ足してしまうことです。
手当てとしては、受け皿の水を捨て、水やりを止めて土を乾かします。そしてコルジリネの資料にあるように、根腐れを放置せず早めに植え替えを行います。
鉢から抜くか、水を止めて待つか。その分かれ道は、根腐れのカルテで扱っています。
直前に肥料をやったなら、肥料焼けを疑います

直前に肥料を与えた心当たりがあるなら、肥料焼けを疑います。
肥料焼けは、園芸の世界では「肥やけ」「肥料あたり」「根やけ」とも呼ばれます。化学肥料だけでなく、油粕などの有機肥料や堆肥を与えすぎた場合にも同様に発生します。
KINCHO園芸の資料によると、肥料焼けの症状として「葉が緑から黄色や茶色に変色する」「葉の先端が萎れる」「植物が枯れる」といった状態が挙がっています(野菜なども含む園芸全般の資料です)。
なぜ肥料をやりすぎると葉先が傷むのか。その機序について、資料は次のように説明しています。
植物に多量の肥料を一度に与えると、土壌中の肥料成分が高濃度になります。すると、根の細胞膜を通過して根細胞に入るはずの水分が、逆に外に出てしまうことがあります。水分を失った根はダメージを受け、地上部への水分供給ができなくなり、葉が萎れたり枯れたりしてしまうのです。
良かれと思って与えた肥料が、かえって根から水分を奪い取ってしまうわけです。資料には「肥料焼けの症状は養分欠乏症など、ほかの病気と間違える場合があるため、十分に見極めたうえで対処しましょう」とあります。
観葉植物の肥料過多では、株全体が急に萎れる、葉の緑色が減って焼けたような色になる、葉が硬くなる、緑色の葉に白く筋が入るといった症状も現れます。
手当てとしては、直ちに肥料を与えるのをやめることです。固形の置き肥を置いているなら、土の表面ごと取り除きます。液体肥料を与えた場合は、鉢底からあふれ出るくらいたっぷりの水を与えて肥料分を洗い流すか、土ごと新しい用土に取り替えます。
弱っている株に、慌てて追加の肥料や活力剤を与えるようなことは絶対に避けてください。
土で説明がつかないときは、エアコンの風を見ます

土の湿り気にも水やりの加減にも問題がなく、肥料も与えていない。それでも葉先がカサカサと枯れてくる場合があります。そのときは、鉢の置き場所と空気の乾燥を疑います。
なお、メーカーの資料はここを「葉先が枯れる」とは名指ししておらず、「葉が乾燥する」「葉が枯れる」という記述にとどまっています。
エアコンや暖房の風が植物に与える影響については、同じハイポネックスの資料の中でも見解が分かれています。
ある資料では「空調の風が直接当たると、葉が乾燥して枯れたり、蒸散(葉から水分が出ていくこと)を抑えるために落葉してしまう場合がある」と説明され、特にベンジャミンやアジアンタムが例に挙がっています。一方で、別の資料では「冬場はエアコンなどによって葉が乾燥します。葉が乾燥した状態が続くとダメージを受けやすくなります。根から水分を吸収しているため枯れることにはなりませんが、葉の表面に湿度を与えることによって健康に生育を促せます」と書かれています。
風によって直接枯れるのか、枯れるまではいかないのか。どちらの記述が正しいかを断定することはしませんが、エアコンの風が直接当たることやストーブのそばに置くことが葉の乾燥につながる点と、風を直接当てないように管理する手当ては一致しています。
対策としてまず行うべきは、エアコンの温風や冷風が直接当たらない場所に鉢を移動させることです。ストーブの熱が直撃するような場所も避けなければなりません。
観葉植物が生育するのに適した湿度は50〜60%です。室内の空気が乾燥しているときは、霧吹きを使ってこまめに葉水をして乾燥を防ぎます。特に真夏や真冬は、室温になじませた常温の水を使って、毎日葉水を行ってください。
葉水には、たとえば「アイビル エアリーミストスプレー 300mL」のような霧吹きを使います。
暖房の部屋での置き場所と葉水の続きは、冬越しのカルテにあります。
葉の面まで茶色いなら、葉焼けか暑さです

枯れているのが葉の先端だけにとどまらず、葉の広い面まで茶色く変色している場合は、光や温度を疑います。
KINCHO園芸の資料には、「葉が茶色くなり始めたら、葉焼けが疑われます」「一度葉焼けを起こしてしまった葉は、元に戻りません」と書いています。また、ハイポネックスのパキラに関する資料でも「日焼けして茶色く変色した葉は元に戻らないので、直射日光が当たらない場所に移動してあげましょう」と説明しています。
パキラの資料には、季節によっては直射日光で葉焼けをすることがある、と書かれています。
また、光だけでなく室温の高さも葉を茶色くします。ハイポネックスの資料によると、30℃を超えるような環境が長く続くと植物が夏バテを起こし、「葉が茶色く変色したり、落葉するなどの症状」が現れることがあります。
茶色く枯れた葉とパキラの葉が黄色い原因でも触れている黄色く変色した葉とでは、背景にあるトラブルの種類が異なります。先端だけでなく葉全体の色をよく観察して、直射日光や高温に晒されていないかを見極めてください。
ヤシの葉先は、アレカヤシとテーブルヤシで違います

ヤシの仲間は、品種によって資料の書き方が違います。ケンチャヤシについては、葉先の原因を書いたメーカーの資料が見つかりませんでした。
ここでは、資料で明確に管理方法が確認できるアレカヤシとテーブルヤシの2つについて、それぞれの特徴を整理しておきます。
アレカヤシは、乾く前に水をやります
アレカヤシの葉先については、先ほども触れたとおりハイポネックスジャパンの資料に「春~秋は土が乾くと、葉先が茶色くなるので、乾く前にたっぷりと水やりします。霧吹きで葉水もします」と書かれています。
一般的な観葉植物の水やりは「土の表面が乾いてから」が基本ですが、アレカヤシの生育期である春から秋に限っては、土が完全に乾く前に水を与えるよう勧めています。土を乾燥させてしまうと、葉先が茶色くなってしまうためです。
ただし、乾く前だからといって年中土を湿らせておいてよいわけではありません。資料にも「土が常に湿っている状態だと根腐れするので注意して。冬は乾燥ぎみにしましょう」と注意書きが添えられています。
春から秋に「しっかり乾いてから」水やりをしているとアレカヤシは葉先を傷めますが、常に湿らせておけば根腐れを起こします。この加減を見極めつつ、冬場は乾燥気味に管理を切り替える必要があります。
テーブルヤシは、風と日差しと寒さを見ます
同じヤシの仲間であっても、テーブルヤシの管理はアレカヤシとは大きく異なります。
まず前提として、ハイポネックスによるテーブルヤシの資料には「葉先」という言葉そのものは使われていません。そのうえで、テーブルヤシが枯れる原因として次の4つを挙げています。
1つ目は寒さです。資料では「5℃以上の室内で管理しましょう」とあり、寒さに強いとはいえ0℃以下になると葉が色あせることがあると書かれています。
2つ目は害虫です。ハダニやカイガラムシの被害にあうことがあり、ハダニは夏と乾燥した冬に出やすいと、資料にあります。
3つ目はエアコンの風です。資料には「エアコンの風を直接充ててしまうと、乾燥が急激に進んでしまいます。葉水をしていても、エアコンの風が直接当たる場所には置かないようにしましょう」と強く注意を促しています。
4つ目は直射日光です。テーブルヤシが最も好む環境は「明るい日陰」であり、直射日光に当てると葉を傷めてしまいます。
日頃のケアとしては、毎日葉水を行って空中湿度を保つことが大切です。これはハダニやアブラムシの予防にも役立ちます。
水やりに関しては、冬場は休眠期間に入るので断水気味にし、2週間に1回程度でも十分と、資料にあります。冬に乾かし気味にする点は、アレカヤシの資料と同じです。
また、傷んだ葉を整える際の剪定についても注意が必要です。資料には「新しい葉が生える生長点(新芽が出る部分)を切ってしまうと新しい葉っぱが生えてこなくなります」「剪定が不安な方は、古い葉を切り落とす程度にしておきましょう」とあります。生長点を決して切り落とさないよう注意してください。
枯れた葉先は戻らないので、早めに切り落とします

茶色くカサカサに枯れてしまった葉先を見ると、「水や肥料を適切に与えれば、また元の青々とした緑色に戻るのではないか」と期待される方がいらっしゃいます。
しかし、一度茶色く枯死してしまった葉先が元の緑色に戻ることはありません。
KINCHO園芸の資料には、「枯れた葉や腐った部分は元の状態には戻らないので、早めに切り落としましょう。悪くなった部分を取り除くことでトラブルの拡大を防ぎ、新たな出芽と伸長を促し、再生しやすくなります」とあります。
ハイポネックスのドラセナに関する資料でも、剪定の節に「枝を剪定するときに傷んでいる葉があれば、その都度切り取ります。一度枯れてしまった葉は元には戻らないので、黒く変色していたら斜めに切り取って樹形を整えます」とあります。
枯れた部分をそのまま残しておいても回復することはないため、見た目を整えたりトラブルの拡大を防いだりするためには切り落とすのが基本です。
なお、メーカーの資料には「枯れた部分は切り落とす」と書かれていますが、葉先を切る具体的な位置までは書かれていません。
枯れた葉先は元に戻らないので、早めに切り落としてかまいません。
原因が水切れなのか、根腐れなのか、それともエアコンの乾燥なのかを特定して、環境を改善します。切り落とすのと合わせて、なぜ枯れたのかを突き止めて止めることが欠かせません。原因が残っていれば、新しく出てくる葉も同じように傷むことがあるので、その様子も見ておきます。
まとめ — 葉先が枯れたときの順番

葉先が茶色く枯れ始めたときに、慌てて水を足すのは失敗のもとです。目の前の症状に惑わされず、まずは鉢の状況を一つずつ確かめていきましょう。
対処の順番を整理しておきます。
■ まず土を触る
■ 乾いていれば水切れ、湿っていれば根腐れか肥料焼けを疑う
■ 土で説明がつかなければエアコンの風や直射日光を見る
■ 枯れた葉先は早めに切り落とし、原因を止めて新芽を見守る
葉先が枯れたら、まず土を触って見分けます。乾いてサラサラなら水切れ、湿ったままなら根腐れ、直前に肥料をやったなら肥料のやりすぎを疑います。
土がサラサラなら水をたっぷり与え、湿ったままなら水を止めて根腐れを疑います。直前に肥料を与えていたなら洗い流し、土に異常がなければエアコンの直風や日差しを疑います。そして枯れた葉先を切り落とし、新しく出てくる葉の様子を見守ります。
枯れるのには、必ず理由があります。
その理由さえ正しく見極めて取り除いてあげれば、植物はまた新しい青い葉を広げて応えてくれます。
よくある質問
Q1. 葉先が枯れるのは、なぜ起きるのですか?
A. 結論:仕組みまで分かっているのは、肥料のやりすぎです。 土の肥料が濃くなると、根の水分が外に出てしまいます。水切れや根腐れで葉先から枯れる仕組みは、ここでは断定しません。
Q2. 新しく出た葉も、葉先から枯れてきます。
A. 結論:葉先を傷めている原因が、まだ取り除かれていない合図です。 枯れた葉先を切っても、後から展開してきた新しい葉の先まで同じように茶色くなるのであれば、根や環境にかかっている負荷が続いている可能性があります。切り落とすのと合わせて、水やりの間隔を見直し、エアコンの風が直接当たっていないか、直射日光が当たっていないかといった置き場所の環境をもう一度点検してください。
Q3. 葉枯病の薬は使えますか?
A. 結論:鉢植えに使える葉枯病の薬は、登録されていません。 病害虫ナビでは葉先から枯れる原因に葉枯病が挙がっていますが、観葉植物で登録がある薬剤は土壌くん蒸剤(土を気体で消毒する薬)だけです。室内の鉢植えに散布する薬ではありません。病気の薬を探すよりも、水やりや用土、風通しといった日頃の栽培管理を見直すことが先決です。
Q4. 葉水は毎日やっても大丈夫ですか?
A. 結論:真夏や真冬であれば、常温の水を使って毎日行って構いません。 テーブルヤシの資料には、葉水がハダニやアブラムシの予防にもつながるとあります。水は常温のものを使ってください。
Q5. 冬に葉先が枯れてきたら、水を増やせばよいですか?
A. 結論:冬場に土へ与える水の量を増やすのは避けてください。 冬の水やりは土の表面が白っぽく乾いてから数日待ち、与える回数や量も夏の半分以下に抑えます。土に水を注ぎ足すと、土が湿ったままになり、根腐れのもとになります。乾燥が気になるときは、霧吹きを使った葉水で空気中の湿度を補います。
この相談帳を書いている私のことは、こちらに。
では、よい緑を。