
新しい職場が合わないと感じている人へ|試用期間に「辞めさせてください」と告げた話|デイサービス編②
前回は、デイサービスセンターの面接から、初出勤の日までの話でした。
送迎の運転手として働き始めた私には、前から不安に思っていたことがありました。
送迎用の大きな車を、安全に運転できるだろうか。
この記事では、その不安が現実になった日のことを書きます。
「少し運転してみる?」
大野さん(仮名)の車に同乗するようになって、数日後のことです。
「田中(仮名)さんも運転に慣れたほうがいいので、少し運転してみる?」
と言われました。
まずは、利用者さんが乗っていないときに練習してみたら、とのことでした。
1回目:ゆるやかなカーブで
出発して数キロ先に、少し道が細くなって、ゆるやかなカーブになっているところがありました。
そこを通るときに、車のサイドシル(ドアの下についている敷居の部分)を、道路の縁石に接触させてしまったのです。
ハイエースは、ホイールベース(前のタイヤと後ろのタイヤの間の長さ)が長く、内輪差が大きい車です。
そのうえ、運転席のシートの真下に前輪があります。
そのため、乗用車の感覚でハンドルを操作すると、こうなりやすいのです。
大野さんからは、
「今回の接触事故は、施設長にも報告しないといけないので」
と言われました。
あとで、施設長からも、
「くれぐれも気をつけてください。」
と注意を受けました。

2回目:迷路のような住宅地を抜けたところで
それから数日後、今度は別の職員の方の車に乗る機会がありました。理学療法士の上原さん(仮名)です。
利用者さんが全員降りたあとの帰り道で、
「田中さんも運転しますか」
と言われ、運転を交代することになりました。
この送迎コースは、碁盤の目のように細かく区切られた、家が密集した住宅地を通ります。
どこを曲がっても、同じような狭い道が続きます。まるで迷路に迷い込んだような気がするところでした。
なので、とても不安でした。
事故は、交代して数分後に起こりました。
住宅地を抜けて、少し広い道に出ようとしたときです。
ハンドルを切るタイミングが早かったのか、今度はリアタイヤ(後ろのタイヤ)を、道路の縁石にこすってしまいました。
いつもの感覚で「運転席が縁石を通り過ぎたから」とハンドルを切ると、後輪が思った以上に内側を攻めてしまいます。
それで、縁石にガリッと引っかかったのです。

すぐに車を降りて、上原さんといっしょにタイヤを確かめました。
職場に帰るぶんには、問題はなさそうでした。
ただ、近いうちにタイヤを交換したほうがよい、という判断になりました。
このとき、もう辞めようと思っていた
実は、この時点で、私の頭の中には、
「この仕事は、どうも自分に合っていない。もう辞めよう」
という気持ちがありました。
何も言わなかった施設長
職場に戻って、施設長に事故の報告をしました。
施設長はこちらをにらんで、何も言いませんでした。
たぶん、「また、やったの。この間、注意したでしょ」と言いたかったのだと思います。
「8月末で辞めさせてください」
勤務時間が終わり、帰るときに、施設長に声をかけました。
「ちょっとお話があります。お時間はよろしいですか。」
「いいですよ」との返事でした。
私が入社したのは、8月のお盆明けです。最初から説明を受けていたとおり、8月いっぱいは試用期間でした。
実際に仕事をしてみて、車の運転には、すっかり自信をなくしていました。
もし、利用者さんが乗っているときに、こんな事故を起こしたら。
利用者さんにも、職場にも、大きな迷惑をかけてしまいます。
今は試用期間だし、早めに辞めておいたほうが無難だ。
そう結論を出して、施設長に告げました。
「8月末で辞めさせてください。」

(次回につづく)

☑ 「辞めたら収入は?」のところで、考えが止まっている
☑ 「60歳過ぎても働かなきゃならない」という言葉を見るたび、不安になる
☑ 退職金や年金の制度を調べても、自分がいくらあれば暮らせるのかは分からない
ひとつでも当てはまる方へ。
私が確かめたのは、制度ではなく、自分の家計の表でした。
横に年度、縦に収入・支出・資産を並べた「ライフプラン表」です。
その作り方を、こちらに書いています。