
積読美術館 【 毎週ショートショートnote 】
小学四年生の孫娘が
「おじいちゃん、積読美術館に行きたい」と言い出した。
孫によると、積読している本を一冊渡すことが入場の条件らしい。
孫が用意したのは、興味はあるが、難しくて数ページしか読んでいない『宇宙のしくみ』
私は、間違えて二冊買ってしまった小説を持参した。
私と孫は歩いてその美術館へ向かった。
なかなか大きくて立派な建物だった。
入口で本を渡すと、私たちは無料で入場ができた。
館内には、本を積み上げて作った巨大なタワーや、
見事なモザイクアートが展示されている。
中でも孫が足を止めたのは、積読で作られた寂しそうなウサギ。
そして、空に向かって羽ばたく白鳥だった。
何か思うことがあるのか、じっと眺めていた。
その帰り道、孫が言った。
「おじいちゃん、本屋さん寄って」
「何か欲しい本があるのかい?」
「うん! 『宇宙のしくみ』をもう一度買いたい」
私は孫の成長を、確かに見た。
こちらの企画に参加させていただいています✨️
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