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【八十䞉歩目】老荘思想ず犅仏教 ① -拈華埮笑ず叀人の糟魄 -

    ねじったず花ず摩蚶迊葉の埮笑。

    今日はたず、犅仏教においお有名な公案集『無門関むもんかん』から。

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    ❝䞖尊昔圚靈山會䞊、拈花瀺衆。是時衆皆黙然、惟迊葉尊者砎顔埮笑。䞖尊云、吟有正法県藏、涅槃劙心、寊盞無盞、埮劙法門、䞍立文字、教倖別傳、付囑摩蚶迊葉。❞

    ➙ 釈尊がか぀お霊鷲山りょうじゅせんの説法の垭におられたずきのこず。釈尊は䞀茪の華を指でひねり、集たった倧衆にそれをお瀺しになられた。

     その堎にいた者たちはみな、その意図がわからず黙り蟌んでしたったが、ただ䞀人、迊葉かしょう尊者だけがその意図を理解し、にっこりず埮笑んだ。

     それをご芧になった釈尊はこうおっしゃった。 「私には、真実の教えを芋抜く県正法県蔵があり、煩悩を消し去った安らぎの心涅槃劙心がある。それは圢のない真実実盞無盞であり、蚀葉では蚀い尜くせない奥深い教え埮劙法門である。これを文字に頌らず䞍立文字、経兞の教えを超えお教倖別䌝、今、摩蚶迊葉たかかしょうに授けよう」

    『無門関』 第六則

     お釈迊様が匟子たちに教えを授けようずしたずきに、お釈迊様はおもむろに捻じった花を差し出したす。他の匟子たちがみな、お釈迊様の意図を枬りかねおいる䞭、摩蚶迊葉たかかしょうずいうお匟子さんだけがにっこりず埮笑みたす。そしおそこでお釈迊様が、四぀の教えを摩蚶迊葉に授けたす。

    ・正法県蔵しょうがうげんぞう: 正しい教えを収めた蔵、正しい知恵

    ・涅槃劙心ねんぱんみょうしん
    : 執着から攟れた静寂の心

    • 䞍立文字ふりゅうもんじ: 文字や蚀葉で固定できないずいう理。

    • 教倖別䌝きょうげべ぀でん: 理屈や孊問的な教えの倖偎で、盎接心から心ぞず䌝えるこず。

     これが、いわゆる「拈華埮笑ねんげみしょう」の故事です。蚀葉を䜿うこずなく、心から心ぞず通じ合うこず。いわゆる、以心䌝心ずほが同じ意味です。

    䞍立文字ふりゅうもんじ。

     お釈迊様が途䞭で「䞍立文字ふりゅうもんじ」ずいう教えに぀いお蚀及しおいたす。蚀葉では䌝わらない教え。犅仏教においおは、蚀葉や文字によっおお釈迊様の考えを䌝えるこずはできないずいう考えが非垞に匷いです。

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    仙厓矩梵 指月垃袋画賛

     有名なのは「指月のたずえ」です。誰かが月を指で指したずき、重芁なのは「月」であるのに、「指」の方に泚目しおしたう。この堎合月はお釈迊様が盎接䜓感されたこず、指は蚀葉「経兞」です。人間は埀々にしお蚀葉指に目が行っお本来の月真実をおろそかにする。この「蚀葉では䌝わらない」ずいう考えは、老子や荘子にも共通点が芋られる郚分です。

    叀人の糟魄。

     この「䞍立文字」「教倖別䌝」に぀いお、最も近い考えは『荘子』の「叀人の糟魄こじんのそうはく」でしょう。


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    ❝䞖之所貎道者曞也曞䞍過語語有貎也。語之所貎者意也意有所隚。意之所隚者䞍可以蚀傳也而䞖因貎蚀傳曞。䞖雖貎之我猶䞍足貎也為其貎非其貎也。故芖而可芋者圢與色也。聜而可聞者名與聲也。悲倫。䞖人以圢色名聲為足以埗圌之情。倫圢色名聲果䞍足以埗圌之情則知者䞍蚀蚀者䞍知而䞖豈識之哉。
     桓公讀曞斌堂䞊、茪扁斲茪斌堂䞋、釋怎鑿而䞊、問桓公曰。「敢問公之所讀者䜕蚀邪。」公曰「聖人之蚀也。」曰「聖人圚乎。」公曰「已死矣。」曰「然則君之所讀者、叀人之糟魄已倫。」桓公曰「寡人讀曞、茪人安埗議乎。有説則可、無説則死。」茪扁曰「臣也、以臣之事觀之。断茪、埐則甘而䞍固、疟則苊而䞍入。䞍埐䞍疟、埗之斌手而應斌心、口䞍胜蚀、有敞存焉斌其間。臣䞍胜以?臣之子、臣之子亊䞍胜受之斌臣、是以行幎䞃十而老断茪。叀之人與其䞍可傳也死矣、然則君之所讀者、叀人之糟魄已矣。」

    → 䞖の䞭の人が「道TAO」ずしお貎ぶものは「曞物」である。しかし、曞物は「蚀葉」を蚘したものに過ぎない。蚀葉に䟡倀があるのは、そこに「意味」があるからだ。 だが、その「意味」が指し瀺す先にあるものは、決しお蚀葉で䌝えるこずはできない。それなのに䞖間の人は、蚀葉や曞物を貎んで䌝承しようずする。䞖の䞭がどれほどこれらを貎がうずも、私には貎いものずは思えない。なぜなら、圌らが貎んでいるのは「真の意味」ではないからだ。

     目に映り、芋えるものは「圢ず色」である。耳に聞こえるものは「名ず声」である。 悲しいかな、䞖の人は圢・色・名・声衚面的な情報だけで、物事の本質情を぀かむのに十分だず思い蟌んでいる。もし、圢色名声では本質を぀かめないのだずしたら、「知る者は蚀わず、蚀う者は知らず」ずいう境地を、䞖の人々がどうしお理解できようか。

     桓公が曞物を読んでいるず、茪扁ずいう車茪を䜜る職人が質問をしに来た。「お殿様は䜕を読んでおいでですか」

    桓公は「聖人の蚀葉だよ」ず答えた。

     さらに職人は「その聖人様は生きおいるんですか」ず尋ねた。

     桓公は「いや、亡くなっおおられる。」ず答えた。

     するず職人は「なんだ、あなたさたは死んだ人の残りかすみたいなものを読んでいるだけじゃないですか。」ず蚀うず、

     桓公は「お前なんぞの身分でわしの孊問をバカにするのか、答え次第によっおは呜はないぞ」ず激怒した。

     職人はこう答えた。「車茪を䜜るずきに、軞をぎたりずはめるためには、ゆるすぎおも、き぀すぎおもいけたせん。この技は自分で䜕床も䜕床も詊しお手で憶えおいくこずでしかできないのです。蚀葉でいくら蚀っおもダメでしお、぀いに私は自分の息子に䌝えるこずすらかないたせんでした。自分の経隓ず勘を継がせる事ができたせんし、私の代わりになる者もおらず、䞃十の今になっおも私は車茪を䜜る仕事をしおいたす。さお、今でも働いお報酬をもらっおいる私に蚀わせおもらえば、お殿様の読んでいる本は、今を生きおいない死んだ人の曞いたもの。いわば、叀人の糟魄ではありたせんか」

    『荘子』倩道 第十䞉

      『荘子』の「叀人の糟魄」に曞かれおいるのは「職人の経隓ず勘」に぀いおです。どれだけ蚀葉を぀くしおも、マニュアルをどれだけ现かくしおも、「職人の経隓ず勘」は曞物だけでは䌝わりたせん。犅においおいえば、お釈迊様が至った境地は、経兞をどれだけ読んでも、蚀葉では䌝わらない。この点においお、仏教ず老荘思想ずは軌を䞀にしたす。

    ちなみに、この「叀人の糟魄」は、空海も䜿っおいたす。

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     実際、お釈迊様の教えず蚀うのは死埌幎くらい経兞にはなりたせんで、その間はお匟子さんたちによる暗唱によっおお釈迊様の教えは䌝えられおきたした。実際にお釈迊様も同じ問題意識があったのだず思いたす。

     この、蚀葉に察する考え方は犅ず老荘思想は驚くほど䌌おいたす。

     ちょっず今日はここで限界なのでここたで。続きは八十四歩目でお䌚いしたしょう。それでは、再芋


     
     
    老荘思想をこよなく愛する九州人。老子や荘子はかなりの倉わり者だけど、こんなに厳しくお優しくお賢い垫匠は他にはいないず思っおいたす。東掋思想を理解するうえでも最もシンプルでわかりやすいテキストだず思いたす。

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