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足の裏の流れを整えること|臨床note ⑦


    ──足底筋膜炎が長引く理由と、炭酸足浴という補助線

    朝、
    ベッドから足を下ろし、
    立ち上がる瞬間。

    踵に走る、
    あの鋭い痛み。

    歩き始めの数歩が、
    一日の中でもっとも憂鬱になる。

    足底筋膜炎を経験した人なら、
    この感覚を知っていると思う。

    施術の現場では、
    足底筋膜炎までいかなくても、

    足底腱膜や筋膜に、
    小さなトラブルの種を抱えている人はかなり多い。

    そしてまだ、
    その本当の重要性に、
    ほとんどの人が気づいていない。

    ⸻

    僕が臨床で感じているのは、

    慢性化した足底の痛みは、
    単なる「炎症」だけでは説明しきれない、
    ということだ。

    もちろん、
    急性期には炎症反応が起きている。

    ただ、
    長引いているケースでは、

    繰り返される微細な損傷や、
    組織の硬化、
    滑走性の低下、
    血流不足などが、
    複雑に絡み合っていることが少なくない。

    足底筋膜は、
    もともと血流が豊富な部位ではない。

    さらに、
    心臓から遠く、
    荷重負荷も大きい。

    そのため、
    回復環境が整いにくい構造を持っている。

    だからこそ、
    「安静にしているだけでは変わらない」
    というケースが多いのだと思う。

    ⸻

    ここで興味深いのが、
    炭酸足浴という発想だ。

    炭酸水に含まれるCO₂(二酸化炭素)は、
    皮膚表面や血流環境へ影響を与える可能性が示唆されている。

    そこで関連して語られるのが、
    ボーア効果という生理学的な仕組みだ。

    ボーア効果とは、
    CO₂濃度が高まることで、
    ヘモグロビンが酸素を組織へ放出しやすくなる現象のこと。

    つまり、
    酸素を必要としている場所へ、
    酸素を届けやすくする方向へ働く。

    炭酸足浴が、
    局所循環や組織環境に対して、
    補助的に働く可能性は十分考えられる。

    もちろん、
    これだけで足底筋膜炎が「治る」
    という話ではない。

    ただ、
    「なぜ治りにくいのか」
    という構造を考えたとき、

    血流。

    酸素供給。

    組織滑走。

    こうした視点を持つことには、
    意味があると思っている。

    ⸻

    そして、
    最終的に重要なのは、
    やはり「動かすこと」だ。

    適切な荷重。

    適切な刺激。

    足部のアーチ構造。

    筋膜の滑走。

    呼吸との連動。

    足は、
    単独で存在しているわけではない。

    全身の重心と、
    姿勢と、
    呼吸と、
    神経系の影響を受けながら働いている。

    だから、
    局所だけを見るより、

    身体全体の流れの中で、
    足裏を捉え直した方が、
    回復の糸口が見えることがある。

    炭酸足浴は、
    そのための“補助線”としては、
    面白い発想だと思っている。

    ⸻

    身体は、
    適切な刺激と環境が揃うと、
    驚くほど自ら修復しようとする。

    足の裏の痛みを、

    「仕方ない」

    「もう年齢だから」

    そう諦める前に、

    まずは、
    足の裏の“流れ”を見直してみる。

    そこには、
    まだ変化の余地が残っているかもしれない。


    ※本記事は生理学的考察と情報共有を目的としており、医療的診断・治療を目的としたものではありません。症状が続く場合は、医療機関や専門家への相談をおすすめします。


     
     
    呼吸と身体の専門家|臨床もうすぐ30年 身体を通して、人生の見え方を変える。 呼吸・感覚・無意識から、自分の主導権を取り戻すためのnote。 初めての方へ ▶ 身体を知るための3つの入口 https://note.com/labo402/m/m921dacd5f7fa

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