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「発表会の練習に、うちの子だけ入れない」それ、参加の形はひとつじゃない話

    こんにちは、みみみです。保育士・児発管(児童発達支援管理責任者)として、療育の現場で7年目になります。

    発達が気になる子の保護者の方や、支援者の方に向けて書いています。

    今日は、発表会の練習が苦手な理由と、その子に合った参加の形について書いていきます。


    秋から冬にかけては、発表会の季節です。

    練習が始まると、朝「行きたくない」と言うようになった。お迎えのときに、先生から「練習の輪に、なかなか入れなくて」と言われた。本番はどうなるんだろう。そんなふうに、気持ちが落ち着かない方もいるかもしれません。

    発表会の練習は、ふだんとちがうことだらけ

    子どもにとって、発表会の練習期間は、いつもの園とはかなりちがう毎日です。

    • いつもの流れが変わる:自由に遊べる時間が、練習の時間に置きかわる

    • 音や人が多い:ホールに集まる、ピアノや歌声が大きく響く

    • 待つ時間が長い:自分の出番まで、じっと待つ。同じところを何度もくり返す

    • 見られる:まわりの目が、自分に集まる場面がある

    どれも、大人が思う以上に力を使うことです。練習に入れないのは、やる気がないからではなく、それだけ負担の大きい場面だからかもしれません。

    わたしの見立て:「出たくない」ではなく「見通しが持てない」

    わたしは、練習に入れない姿を見たとき、まず「この子には、何が見えていないんだろう」と考えます。

    練習はいつ終わるのか。本番はいつで、どんな場所で、何をするのか。大人にはわかっていても、子どもには見えていないことが、たくさんあります。

    見通しが持てないまま、いつもとちがう毎日が続く。それだけで、輪に入る前に気持ちが止まってしまう子がいます。

    参加できないのは、参加したくないからとは限らない。

    反対に、「うまくできないってわかっている」から、入れない子もいます。まわりと自分をくらべられるようになった、育ってきたからこその姿です。この話は、「簡単なプリントなのに、嫌がってやらない」の記事にも書いています。

    参加の形は、ひとつじゃない

    「みんなと同じように、最初から最後まで舞台に立つ」だけが、参加の形ではありません。たとえば、こんな形もあります。

    • 立つ場所を変える:舞台の端や、先生のとなりに立つ

    • 出る場面をしぼる:最初の歌だけ、最後のあいさつだけ出る

    • 役割を変える:幕をあける、道具を渡すなど、その子が安心できる役をつくる

    • 見るところから始める:練習を、まずは少し離れたところから見る

    どの形がいいかは、子どもによってちがいます。「みんなと同じがいい」という気持ちが強い子もいるので、大人が決めるより、本人と一緒に選ぶのがおすすめです。

    おうちでできること

    1. 練習の様子を、先生に聞いておく:どんな歌や踊りをしているか、どの場面で止まりやすいかを知るだけで、家での声かけが変わります

    2. 本番までの見通しを、目に見える形にする:カレンダーに本番の日を書いて、一緒に数える。「あと何回練習したら本番」がわかると、安心しやすくなります

    3. 本番のゴールを、小さく決める:「最初の歌だけ出られたら、大成功」のように、できそうなところをゴールにします

    家で歌や踊りを無理に練習させる必要はありません。子どもが自分から歌い出したときに、一緒に楽しむくらいで十分です。

    支援者の方へ

    「練習に参加できない」と記録するときは、どこで止まっているのかまで見てもらえたらと思います。

    始まりの合図なのか、音の大きさなのか、待ち時間なのか、見られることなのか。止まっている場所がわかると、手立てを選びやすくなります。この「どこで止まっているか」の見方は、公園から帰れない話の記事でも書いています。

    参加の形は、本番の前に保護者の方と一緒に決めて、共有しておく。当日、保護者の方が「うちの子だけ」と驚かずにすむことも、大切な配慮だと思っています。

    さいごに

    発表会は、できばえを競う場ではなく、その子の「いま」を見てもらう場だと、わたしは思っています。

    舞台の端でも、1曲だけでも、その子なりに参加できたなら、それは大きな一歩です。気になることが続くときは、ひとりで抱えずに、園の先生や地域の子育て相談窓口、かかりつけ医などに相談してみてくださいね。


    ※記事に出てくるエピソードは、個人が特定されないよう、複数のケースを組み合わせたり内容を変えたりしています。

    この記事が参加している募集

     
     
    保育士・児発管のみみみです。療育の現場7年目。 負けず嫌いで、あきらめない子のとなりを歩くのが好きです。 「一般的には」より「この子の場合は」。 行動の意味を考える“見立て”を、発達が気になる子のまわりの大人へ。

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