
「言葉が遅い、まだ一語だけ」それ、伝える力はちゃんと育っているかもしれない話
こんにちは、みみみです。保育士・児発管(児童発達支援管理責任者)として、療育の現場で7年目になります。
発達が気になる子の保護者の方や、支援者の方に向けて書いています。
今日は、一語が中心の子の「伝える力」と、家でできる関わり方について書いていきます。
まわりの子はもうおしゃべりしているのに、うちの子はまだ一語だけ。言葉の遅れが気になって、ついほかの子と比べてしまう。そんな方もいるかもしれません。
4歳前後で、言葉はまだ一語が中心。でも、身ぶりや手ぶりで伝えてくることはとても多い。現場では、そんなお子さんに出会うことがあります。
言葉だけを見ると「遅れている」と感じるかもしれません。でもジェスチャーが豊かな子は、伝えたい気持ちも、相手をよく見る力も、頭の中のイメージを形にする力も、しっかり持っています。
「伝わった経験」が積み重なっている
わたしはこういう子を見ると、「伝わった経験」をたくさん積んできた子なのかな、と考えます。
身ぶりで伝えたら、ちゃんと分かってもらえた。その積み重ねで、ジェスチャーが一番確かな伝え方になっているのかもしれません。
ジェスチャーは、言葉への橋渡し
ジェスチャーは、言葉の邪魔をするものではありません。
子どもが先に指さしや身ぶりで示したものが、あとでその子の言葉になりやすい。そんな研究もあります。
ご家庭でできること
言葉を添えて返す:コップを傾ける仕草には「のむね」「お茶、のむ」と、短い言葉で返す
少しだけ待つ:すぐに先回りせず、その子が伝えようとする時間をつくる
言わせようとしすぎない:「言ってごらん」が続くと、伝えること自体が苦しくなることがあります
伝わったら、一緒に喜ぶ:「伝わった!」の経験が、次の「伝えたい」につながります
ひとつ、大事なこと
「伝わっているから大丈夫」と、様子を見続けてほしいわけではありません。
ジェスチャーを「選んでいる」子もいれば、言葉を口から出すのが難しくて「ジェスチャーしかない」子もいます。外から見ると同じでも、必要な関わりは変わります。
4歳で一語が中心なら、一度相談してみる価値は十分にあります。かかりつけの小児科や、地域の保健センター・発達相談の窓口で、聞こえの確認も含めて話を聞いてもらえます。
相談の前にどんな様子を見ておくといいかは、「様子を見ましょう」の記事にまとめています。
発達検査をすすめられたときのことは、「発達検査を受けるのがこわい」の記事に書いています。
支援者の方へ
「選んでいる」のか「それしかない」のか。手がかりのひとつは、ジェスチャーが伝わらなかったときの反応です。
声を出そうとするのか、別の身ぶりを試すのか、怒ったり諦めたりして終わるのか。その違いが、支援の方向を考える材料になります。
さいごに
言葉は少ないけど、伝える工夫はたくさんしてる。
その見方を持って相談に行けると、お子さんの力を一緒に見てもらいやすくなると思います。
※記事に出てくるエピソードは、個人が特定されないよう、複数のケースを組み合わせたり内容を変えたりしています。