
小さな手を 待つ時間 #シロクマ文芸部
小さな手で、
図書館から借りてきた本を
一生懸命めくっていた我が子。
やがて満足したのか、
その本を本棚にきちんとしまいに行く。
そして、「次はこれがいい」と、また別の絵本を自分で選んで持ってくる。
なんでもかんでも
「自分でやる」
という自我が芽生え、
私の待つ時間が増えてきた。
自分でズボンをはく。
自分で靴下を履いて、靴を履く。
「自分で、自分で」と繰り返す。
もちろん、全部を一人で完璧にできるわけではない。
靴に足が引っかかったり、袖に頭が通らなかったり。
それでも意地でも自分でやろうとして、
いよいよできなくなると、最後には、
「おっかぁ」
と、助けを求めるように呼ばれる。
その「手伝って」と呼ばれる瞬間までは、
ぐっとこらえて待ち続ける。
この待つ時間が、愛おしくもあり、同時に少しもどかしい。
本当に予定が押しているとき以外は、
なるべく、気の済むまで待ってあげたい。
だって今の私にできることは、
ただ焦らずに、その背中を見守ることだけなのだから。
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