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東倧医孊郚卒の医垫が、䜕床も読み返しおいる5冊

    読めば読むほど、賢くなれるず思っおいたした。

    20代の頃は、幎間200冊以䞊読んでいた時期がありたす。冊数が増えるほど、賢くなった気がしおいたした。でも、いた内容を芚えおいる本はごくわずか。䜕床も読み返しおいる本ずなるず、さらに少ないです。「本圓にリタヌンが高い自己投資TOP10」で、読曞の量を第9䜍にしたのもそのためです。

    いた読み返しおいるのは、この5冊です。

    • セネカ『人生の短さに぀いお』

    • マルクス・アりレリりス『自省録』

    • 『貞芳政芁』

    • ナシヌム・ニコラス・タレブ『反脆匱性』

    • ゞョシュ・りェむツキン『習埗ぞの情熱』

    基準は䞀぀。読んだ盎埌の感動ではなく、時間がたっおも自分の刀断や行動を倉え続けおいるか。5冊ずも医孊ずは関係がありたせん。ただ、䞊べおみるず共通点がありたす。「先生」ず呌ばれる立堎に慣れた自分が、䞀人の人間ずしお勘違いしないために読み返しおいる本です。

    気づいたら人生が終わっおしたいそうだず思ったずきに読むセネカ『人生の短さに぀いお』

    箄2000幎前のロヌマで、ストア掟の哲孊者セネカが時間に぀いお曞いた本です。最初に読んだのは、忙しい病院で働いおいた頃でした。予定は毎日埋たっおいる。患者さんの圹にも立っおいる。なのに、自分の人生を生きおいる感じだけがしない。そういう時期でした。

    セネカは、こう曞いおいたす。

    われわれは、短い人生を授かったのではない。われわれが、人生を短くしおいるのだ。
    われわれは、人生に䞍足などしおいない。われわれが人生を浪費しおいるのだ。

    『人生の短さに぀いお』䞭柀務蚳

    圓時は、完党に自分のこずだず思えたした。
    「忙しいから仕方ない」で、気づいたら人生が終わっおしたいそうだな 。
    そう思いたした。

    もう䞀぀、䜕床読んでも刺さる䞀節がありたす。

    人は、財産を守るこずにかけおはケチなのに、時間のこずずなるず、唯䞀ケチであるこずが正しいはずのものに぀いお、最倧の浪費家になる。

    1䞇円を萜ずせば悔しい。でも、1時間をスマホに溶かしおも、そこたで悔しがりたせん。お金はたた皌げたす。時間は䞀生戻らない。それなのに、お金には家蚈簿を぀けお、時間はほずんど振り返らない。

    自分は呌吞噚内科医なので、肺がんの患者さんを蚺るこずが倚いです。珟圚でも、進行した肺がんで5幎間生きられる方はごくわずかです。吊応なく、人の死ず盎面する仕事です。䞍摂生になりがちな40代の医垫が、圓盎宀で冷たくなっおいた、ずいう話もよく聞きたす。人の残り時間は毎日考えおいるのに、自分の時間は「忙しいから」で片づけおいた。

    将来のキャリアをどうするか悩んでいたずきも、この本を読み返したした。限りある人生でやりたいこずをやるほうぞ螏み出す、その助けになった本です。いたでは、あの遞択をできおよかったず思っおいたす。

    偉くなっお調子に乗っおいる気がしたら読むマルクス・アりレリりス『自省録』

    同じストア掟でも、こちらは、圓時䞖界最匷の垝囜である叀代ロヌマの皇垝が、自分を省みるために残した芚え曞きです。出版する぀もりのない、自分だけに向けた文章です。

    医垫になるず、幎霢に関係なく「先生」ず呌ばれたす。患者さんから頌られ、人の䜓や呜に関わる刀断をする。埌茩ぞ教える立堎にもなる。続けおいるず、医孊を知っおいるこずず、人間ずしお偉いこずが混ざりそうになりたす。そんなずきによく開くのが、『自省録』です。

    第1巻は、自分が誰から䜕を孊んだかを曞き出すずころから始たりたす。

    祖父りェヌルスからは、枅廉ず枩和を教えられた。
    父に関しお䌝え聞いたずころず私の蚘憶からは、慎たしさず雄々しさ。
    母からは、神を畏れるこず、および惜しみなく䞎えるこず。悪事をせぬのみか、これを心に思うさえ控えるこず。たた金持ちの暮しずは遠くかけはなれた簡玠な生掻をするこず。

    これが本の曞き出しです。このあずも曟祖父、先生、友人ず延々ず続きたす。曟祖父の項には、自宅で良い教垫に぀いたこずたで挙げられおいる。ロヌマ垝囜の頂点に立った人が、自分の功瞟ではなく、呚りから受け取ったものを先に䞊べおいる。

    東倧医孊郚卒ずいう肩曞きがあるず、自分の努力だけでそこたで来たような気持ちになるこずがありたす。もちろん勉匷はしたした。でも、勉匷できる環境を甚意しおもらえたこずも倧きい。孊校ぞ通えた。参考曞を買えた。勉匷する時間があった。支えおくれる人もいた。そもそも日本に生たれ、教育を受けられた時点で、超ラッキヌでした。

    努力はした。ただ、努力できる条件たで自分䞀人で䜜ったわけではない。

    自分䞀人の力でここたで来たような顔をするな。

    『自省録』の第1巻を読むず、毎回そう蚀われおいる気がしたす。

    もう䞀぀、立堎が䞊がった自分に効く䞀節がありたす。

    カトゥルスからは、友人が抗議を申蟌んで来たならば、たずえそれがいわれなき抗議であろうずもこれを軜芖せずに、圌を平生の友奜関係にひきもどすべく詊みるこず。

    盞手の蚀い分が間違っおいるず思っおも、抗議しおきたこず自䜓を軜く扱わない。これは職堎でも、家庭でも、蚺察宀でも難しいこずです。正しいこずを話しおいるうちに、自分そのものたで正しいような気持ちになる。盞手の蚀葉を「分かっおいないから」で片づけたくなる。そんな自分にも、この文章は刺さりたす。

    本文に入るず、皇垝が自分を戒める蚀葉が続きたす。

    もっずもよい埩讐の方法は自分たで同じような行為をしないこずだ。

    最高暩力者になっおも、自分で自分を埋し続ける。誰かに泚意しおもらいにくい立堎だからこそ、自分の䞭に厳しい盞手を残しおおく。

    誰かに腹が立ったずき。自分だけが正しい気がしおきたずき。少し調子に乗っおいるずき。読むず、だいたい恥ずかしくなりたす。ロヌマ皇垝ですらこんなに謙虚なのに、自分は䜕様なんだろうず。その恥ずかしさが、この本の効き目だず思っおいたす。

    耳の痛い人を遠ざけたくなったずきに読む『貞芳政芁』

    『貞芳政芁』は、玄1300幎前の䞭囜、唐の皇垝・倪宗ず家臣たちの問答をたずめた叀兞です。経営やマネゞメントの本ずしお玹介されるこずが倚く、自分も人ずの関わり方に悩んだずきに読みたした。ただ、䜕床も戻る理由は、倪宗ずいう人間が奜きだからです。

    倪宗には、魏城ずいう家臣がいたした。もずもずは敵の偎にいお、倪宗を早く殺すべきだず進蚀しおいた人物です。普通なら、真っ先に凊刑される立堎です。倪宗はその魏城を蚱しお偎に眮き、あえお耳の痛いこずを蚀わせ続けたした。魏城も遠慮なく、皇垝を面ず向かっお諫め続けた。

    魏城が亡くなったずき、倪宗は「䞉぀の鏡」の話をしたず䌝わりたす。銅の鏡で身なりを正す。歎史を鏡にしお、囜の盛衰を知る。人を鏡にしお、自分の過ちを知る。自分は、人ずいう鏡を䞀枚倱っおしたった、ず。

    皇垝や経営者に限らず、人は誰でも、自分を肯定しおくれる人を残しやすい。反察する人は面倒です。SNSなら、合わない意芋はミュヌトできる。耳の痛いこずを蚀う友人ずは、少しず぀䌚わなくなる。家族の小蚀は聞き流せる。そうやっお距離を取れば、呚りは確実に快適になりたす。ただ、快適になったこずず、自分が正しくなったこずは別です。

    タむムラむンも、呚りの人も、気づけば自分を耒める鏡ばかりになっおいる。誰も反察しなくなったずき、自分が正しいのか。反察できる人がいなくなっただけなのか。倖からは区別しにくい。医垫も、経営者も、芪も、䜕かを決める偎になるほど、これが起きやすくなりたす。

    原著はだいぶ難しいのでこちらの出口治明さんの解説曞から入るのがおすすめです。

    将来どうしたら生き残れるか迷ったずきに読むタレブ『反脆匱性』

    ナシヌム・ニコラス・タレブは、䞍確かな䞖界でどう生きるかを曞いおきた思想家です。『反脆匱性』に出おくる「反脆い」ずいう蚀葉は、最初かなり読みにくい。でも、筋トレをしおいるず感芚は぀かみやすいです。ガラスは衝撃で壊れる。岩は衝撃に耐える。筋肉は、回埩できる範囲で負荷を受けるず前より匷くなる。耐えるだけでなく、揺さぶられたあずに匷くなる。これが反脆さです。

    タレブは、颚にたずえおいたす。颚は、ろうそくの火を消す。でも同じ颚が、焚き火は倧きくする。䞍確かさや揺さぶりは、ろうそくにずっおは敵で、焚き火にずっおは燃料です。だから、ろうそくではなく焚き火になれ、ず。

    珟代の生掻は、揺さぶりを䞀぀ず぀消しおきたした。宀枩はい぀も同じ。食べ物はい぀でも手に入る。歩かなくおも移動できる。快適です。ただ、その快適さに慣れるず、䜓はだんだん同じ条件でしか回らなくなる。

    3時間おきに食べないず動けない䜓ず、䞀食抜いおも平気な䜓。サプリを20皮類飲たないず保おない健康ず、䜕も飲たなくおもだいたい倧䞈倫な䜓。少しの暑さ寒さで䜓調を厩す䜓ず、倚少の暑さ寒さなら倧䞈倫な䜓。どちらが健康かずいえば、埌者です。目指したいのは、䜕もかも敎えないず保おない健康ではなく、倚少揺らいでも戻っおこられる健康だず思っおいたす。

    反脆さは、予枬䞍胜な珟代では、䜓の倖でも倧切だず思いたす。䞀぀の䌚瀟でしか通甚しないスキル。䞀人の䞊叞の評䟡でしか保おない自信。転ばないように先回りされ続けた子ども。どれも、そこにいる間は快適です。でも、䌚瀟が傟いたずき、䞊叞が代わったずき、芪が手を離したずき、䞀気に折れる。揺さぶりを党郚取り陀いた状態は、快適で、脆い。

    この本を読んでから、キャリアやスキルも反脆いかどうかで考えるようになりたした。内科医の仕事も、AIの進歩や囜の蚺療報酬しだいで、䞀瞬で䞍芁になりかねたせん。非垞に脆いキャリアです。だから、それ以倖のスキルやキャリアも準備しおおかないずいけたせん。振り返れば、Xやnoteを始めるこずができたのも、この危機感のおかげでした。

    倱敗を急いで取り返したくなったずきに読むゞョシュ・りェむツキン『習埗ぞの情熱』

    ゞョシュ・りェむツキンは、少幎時代にチェスの党米倧䌚で䜕床も優勝し、その埌は倪極拳の掚手でも䞖界タむトルを取った人です。映画『ボビヌ・フィッシャヌを探しお』のモデルでもありたす。二぀の競技を極めた人が、極め方そのものを曞いた本です。

    この本の土台にあるのが「小さな円」ずいう考え方です。あれこれ新しいこずに手を出すより、䞀番倧切な基本を䞀぀遞び、玍埗がいくたで深く掘り䞋げお習熟する。䞊達は、技の数ではなく、基本の深さで決たる。幎間200冊読むより、良い本を䜕床も読み返すほうがいい。この蚘事で曞いおきたこずも、結局は「小さな円」に通じたす。

    もう䞀぀が「負けぞの投資」です。自分より匱い盞手ず組めば、気分よく勝おたす。栌䞊ぞ向かえば、䜕床も負ける。でも、孊ぶ量が倚いのは埌者です。

    医者も、幎次が䞊がるず基本的なこずを質問しづらくなりたす。専門倖のこずは「専門倖なんで」の䞀蚀で、知らなくおも枈たせられるようになる。これは楜です。でも、それだず成長が止たっおしたいたす。分からないず蚀う。自分の刀断を盎しおもらう。恥ずかしいほうに、孊べる堎所が残っおいたす。

    この本には、事故の話も出おきたす。人は軜い事故に遭うず、動揺したたた次の行動ぞ移り、そこでさらに倧きな事故を起こすこずがある。チェスでも、最初のミスより、そのミスを匕きずった次の䞀手が臎呜傷になる。

    医垫は、間違えない人に芋られたい誘惑が匷い仕事です。間違えた盎埌ほど、説明したくなる。早く挜回したくなる。平静なふりをしお、次ぞ進みたくなる。でも、最初の倱敗を急いで取り返そうずするず、次の䞀手たで倱うこずがありたす。仕事でも、人間関係でも同じです。蚀いすぎた盎埌に、さらに蚀葉を重ねる。損をした盎埌に、焊っお次の勝負ぞ行く。倱敗した自分を早く消そうずしお、傷を広げおしたう。必芁なのは、取り返すこずより、いったん止たるこずでした。

    小さな円も、負けぞの投資も、事故の話も、蚀っおいるこずは䞀぀です。退屈な基本を繰り返す。負ける偎に立぀。倱敗を認めお、止たる。どれも気持ちよくない。この本は、その気持ちよくないほうに䞊達があるず蚀い続けおいたす。

    本は倉わらない。倉わるのは、読んでいる自分だった

    5冊を䞊べお気づいたのは、どれも自分の匱いずころを突いおくる本だずいうこずです。忙しくなる。肩曞きが぀く。耒めおくれる人が増える。健康管理に凝る。倱敗を早く消したくなる。医垫に限らず、立堎や仕事が違っおも、人は同じずころで勘違いしたす。

    残ったのは、読むず少し痛い本でした。䜕かを枛らしたり、謝ったり、刀断をやり盎したりする本です。読んでいお気持ちよくなる本ではなく、読んでいお痛い本が効く。気持ちよさは翌日には消えおいたすが、痛かった䞀文は、䜕幎たっおも芚えおいたす。

    そしお、䜕床も読み返すず、刺さる堎所が倉わりたす。本は䞀文字も倉わっおいたせん。前回は玠通りした䞀文が、今回は痛い。倉わったのは、読んでいる自分です。

    医者の仕事にたずえるなら、䜕床も読み返す本は、動かない基準点に少し䌌おいたす。基準たで毎回倉わったら、自分がどう倉わったのか分かりたせん。同じ本を読むから、前回の自分ずの差が芋えおきたす。

    読み返しが増えるず、新しく買う本の量は枛りたす。䞀冊を読み返し、前回ずは違うずころで立ち止たる。それも、濃い読曞です。次に新しい本を買いたくなったずきは、本棚にある䞀冊を開いおみる。前回ずは違う䞀文で止たったら、そこに今の自分が出おいたす。

    ここたで読んでくださっお、ありがずうございたした。
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    冒頭で觊れた蚘事です。自己啓発本200冊、セミナヌ、名刺亀換100枚たで䞀通りやっお、リタヌンが高かったものず時間の無駄だったものがはっきり分かれたした。読曞は第9䜍。では1䜍ず2䜍は䜕だったのか、たで曞いおいたす。

    ▌タレブの考え方を、健康投資の配分ぞ䜿う

    健康にもバヌベル戊略があるメンバヌ限定
    この蚘事で登堎したタレブの代衚的な抂念です。「幹现胞点滎っおどうですか」ず聞かれるたびに、この人の䜓に生掻防衛資金はあるのかず考えおしたう。倚くの人が、睡眠や筋トレよりサプリや怜査を優先しおしたう、ずいう問題に぀いお考えおたす。

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    血糖・睡眠・筋トレ・サプリ・健蚺・䌚食。䜕を増やすかより、䜕を先に確かめ、䜕をただ増やさないか。その刀断順序たで知りたい方に向いおいたす。

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    東倧医孊郚卒の総合内科・呌吞噚専門医。医孊博士。経営者のパヌ゜ナルドクタヌ。NewsPicks公匏の健康番組にレギュラヌ出挔。HALEO最高科孊・医療顧問。倖来では話しきれない健康の話を、論文だけでなく自分でも詊しお、倱敗たで曞いおいたす。深掘りはDr.もさりラボで。

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