
VPSの選び方!FXにおける自動売買取引での注意点|取引サーバのある場所を考えたことありますか?
この記事では、自動売買取引=MT4/MT5のEA(エキスパートアドバイザ―)取引として話を進めていきます。
1.VPS vs 自宅PC
EAをVPSで稼働するか?自宅PCで稼働するか?
どちらも一長一短で正解はありません。

コスト以外の全てにおいて、基本的にVPSが優れているとは思います。
※前提として取引サーバに近いVPS(5ms以内)
💡VPSを利用した方がよいケース(※取引サーバに近い場所にあるVPS)
・取引数が多いEAを使っている
・超有名EAを使っている
・スキャEA(TP/SLが小さい)を多く使っている
・ステルス機能(TP/SLを隠す)を使用したEAを使っている
・成行注文するEAを多く使っている
💡自宅PCを利用してもよいケース
・取引数が多いEAを使ってない
・超有名EAを使ってない
・スキャEA(TP/SLが小さい)をあまり使ってない
・TP/SLを必ず設定するEAを使っている
・指値/逆指値注文するEAを多く使っている
あとはコストとの兼ね合いです。
たまに、取引サーバはNYだけど、VPSは日本にあるのを使っている方がおられますが、それなら安いミニPC等を購入して自宅PCでEAを動かした方がよいように感じます。

2.取引サーバのある場所
(1)東京サーバー(TY3)
日本の金融中心地である千代田区・外手町(Equinix TY3)などに設置されているサーバーです。
メリット:
国内からの物理的距離が近い: 日本国内から接続する場合、ピング(Ping)値が1〜5ms以下と圧倒的に速く、クリックした瞬間に約定する超高速取引が可能です。
アジア時間のスリッページ抑制: 日本時間午前(東京市場)の流動性が高い時間帯において、意図した価格で注文が通りやすくなります。
デメリット:
欧米時間の注文遅延: ロンドン市場やニューヨーク市場が活発になる夜間は、海外の主要LP(リクイディティプロバイダー)との通信に100ms以上の遅延が発生し、約定が不利になる(滑る)ことがあります。
有利な通貨ペア:
USD/JPY(米ドル/円)、EUR/JPY(ユーロ/円)、AUD/JPY(豪ドル/円)などのクロス円ペア。特に東京時間の取引に最適です。
(2)ロンドンサーバー(LD4)
世界最大の外国為替市場である英国・スラウ(Equinix LD4)に設置されているサーバーです。
メリット:
圧倒的な流動性と狭いスプレッド: 世界最大手のメガバンクやLPの主要システムがLD4内に集結しているため、最もマッチング効率が高く、スプレッドが狭くなりやすい環境です。
欧州・ドルストレートの約定力: 欧州市場からニューヨーク市場にかけてのボラティリティが高い時間帯でも、注文拒否(リクオート)のリスクが極めて低くなります。
デメリット:
日本からの物理的遅延: 日本国内から直接接続すると、海底ケーブルを経由するため物理的に約定速度が200ms〜250ms前後遅れます(※VPSを利用すれば解消可能)。
有利な通貨ペア:
EUR/USD(ユーロ/米ドル)、GBP/USD(ポンド/米ドル)、EUR/GBP(ユーロ/ポンド)などの欧州通貨・ドルストレート全般。
(3)ニューヨークサーバー(NY4/NY5)
米国金融の心臓部であるニュージャージー州・セコーカス(Equinix NY4)に設置されているサーバーです。
メリット:
米ドルの中心地: すべての基軸通貨である「米ドル」の決済インフラに最も近いため、ドル絡みの注文処理が極めて安定的です。
ゴールド・指標発表時の強さ: NY市場の時間帯や、米雇用統計などの重要経済指標発表時における注文処理能力が非常に高いです。
デメリット:
ロンドン同様の距離問題: 日本国内からの直接接続では、約定速度が150ms〜200ms前後遅れます(※VPSの利用が推奨されます)。
有利な通貨ペア・銘柄:
XAU/USD(ゴールド)、USD/CAD(米ドル/加ドル)、および米国株価指数(NAS100、US30など)のCFD銘柄。
(4)まとめ

💡海外サーバー(LD4/NY4)のブローカーをメインで利用する場合は、ロンドンやニューヨークのデータセンター内に設置されたVPS(仮想専用サーバー)を経由してMT4/MT5を稼働させることで、物理的距離による遅延を1〜5ms以下に抑えることができます。
3.ゴールドの取引
ゴールドはロンドン最強じゃねーの?
結論から言うと、歴史的・実物取引としてはロンドンが世界最強ですが、MT4/MT5のFXブローカー(CFD取引)におけるシステム上の約定という点ではニューヨークが強い、という二面性があります。
「ロンドンの方が強いのでは?」と思われるのは、金融の知識として非常に正しい着眼点です。この仕組みは以下の2つの理由に分かれます。
(1)「現物の流動性」はロンドン(LD4)が世界一
ロコ・ロンドン市場: 世界の金の「現物取引」の中心地はロンドンです。1日に2回、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)による「値決め(金フィキシング)」が行われ、世界の金価格の基準となっています。
夕方の圧倒的な流動性: 日本時間の夕方(欧州時間)は、このロンドン現物市場が動き出すため、ゴールドの取引量が跳ね上がりスプレッドが最も狭くなります。
(2)「取引プラットフォーム(CFD)」はニューヨーク(NY4)に集まる
一方で、私たちがMT4/MT5で取引している「XAU/USD(ゴールド)」は現物の受け渡しをしないCFD(差金決済取引)です。
先物市場(COMEX)の影響: CFDの価格形成やブローカーのカバー先(リクイディティプロバイダー)は、米国のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME/COMEX)の金先物や、ニューヨークのドル決済システムに強く依存しています。
ブローカーのデータセンター事情: 海外FXブローカー(例: TitanFX、ThreeTraderなど)の多くは、米ドル通貨ペア(USD/JPYなど)や米国株価指数とインフラを共通化させるため、メインのゴールド配信サーバーをニューヨーク(NY4)に集約しています。
(3)ゴールド(XAU/USD)は決済通貨が「米ドル」
ゴールド価格の決済通貨: 私たちが取引するゴールド(XAU/USD)は、決済通貨が「米ドル」です。そのため、ゴールドの流動性を提供する主要なLP(米系メガバンクなど)のコアシステムは、ドル決済インフラの中枢であるニューヨーク(NY4)に集結しています。
もしゴールドのためだけにサーバーをロンドン(LD4)に分けてしまうと、NY4にある米ドルインフラとの間で「データの引っ張り合い(大西洋をまたぐ通信遅延)」が発生し、かえって約定スピードが低下(レイテンシーが数十ms悪化)してしまいます。
4.最後に
この記事での注意点は、少額運用(100万円未満)の場合はあまり気にしなくてよいと思います。少額運用では「優位性のある取引」と「資金管理」に注力することが望ましいです。
証拠金が少額でも多額でも、やることは基本的に同じです。
FXの自動売買のメリットを最大限に生かしつつ、予見できるコストを抑えて、安定した最良の自動売買ライフを!