
Claudeを右腕に、ChatGPTを相談相手に。管理部長が実践するAI活用術【現場会社のAI実験室 Vol.3】
こんにちは。ナカソネ住設株式会社編集部です。
突然ですが、皆さんは仕事でAIをどこまで活用していますか?
ChatGPTにメールの文章を考えてもらったり、Geminiで情報を整理したり。私自身も、採用広報の仕事で生成AIを使う機会がかなり増えました。
でも、社内には私の想像を超える使い方をしている人がいました。
以前、こちらのnoteで「AIを使う会社から、AIで変わる会社へ」という記事を公開した際、こんなエピソードをご紹介しました。
管理部長とAI活用について話していたところ、返信の最後に書かれていた一言。
「この文章作成&送信も私のAI(秘書)が行なっていますw」
……AIの秘書!?そのときから、ずっと気になっていたんです。一体、どんなふうにAIを使っているんだろう?
ということで今回は、その「AI秘書」の持ち主である、当社の管理部長にお話を伺いました!
実は管理部長、Claudeを仕事の「右腕」として活用しながら、ChatGPTにも相談。さらに情報管理ツールのObsidianを組み合わせ、AIに秘書や財務、法務・人事などの役割を持たせた仕組みをつくっているのだそうです。
毎朝8時の情報整理から、タスク管理、週報の作成まで。
しかも、最初からプログラミングに詳しかったわけではないというから驚きです。
今回は、そんな管理部長のAI活用の裏側を、試行錯誤も含めてご紹介します!
Claudeは右腕、ChatGPTは相談相手。AIを使い分ける理由
管理部長が生成AIを使い始めたのは、AIが世の中で話題になり始めた頃。
最初はGeminiを使った情報収集など、比較的シンプルな活用からスタートしたそうです。そこから少しずつ使い方が変わり、現在はClaudeとChatGPTを中心に活用しています。
メインで使っているのはClaude。日々の業務を一緒に進める、いわば「右腕」のような存在です。
一方、ChatGPTは別の視点から意見をもらう相談相手として活用しています。
でも、どうしてAIを2つ使うのでしょうか?
理由のひとつは、ひとつのAIの回答だけでは、考え方が偏ってしまう可能性があるから。
例えば、Claudeから提案をもらったとき。
「本当にこの方法がベストなのか?」
「ほかに見落としていることはないか?」
そんなときはChatGPTにも意見を聞き、回答を比較してみるそうです。
もちろん、2つのAIが同じことを言ったからといって、それが必ず正しいとは限りません。
ただ、別の視点から考え直したり、自分では気づかなかった選択肢を見つけたりするきっかけにはなります。
さらに面白いのは、2つのAIに共通の情報を自動で参照させていること。
Claude側で整理している仕事の情報を、ChatGPTでも参照できるように工夫しています。
つまり、前提となる情報をそろえたうえで、異なるAIに意見を聞けるというわけです。
単に複数のAIを契約しているのではなく、それぞれの役割を考えながら使い分ける。
なるほど……。
私も複数のAIを使いますが、ここまで意識して使い分けたことはありませんでした。
そして、管理部長のAI活用はこれだけではありません。
AIの中に「管理部」をつくる!?秘書も財務担当もAI
今回、私が一番驚いたのがこのお話です。
管理部長は、なんとAIの中に会社の組織のような仕組みをつくっているそうです。
……どういうこと!?
その仕組みを支えているのが、「Obsidian(オブシディアン)」という情報管理ツールです。
Obsidianは、メモや資料などを整理・蓄積できるツール。
管理部長は、ここに仕事に関する情報をまとめ、AIが必要な情報を参照できる環境を構築しています。
さらに、AIにはそれぞれ異なる役割を設定。
例えば、こんなイメージです。
秘書: 日々の相談や依頼を受け付ける
財務: 財務に関する検討をサポートする
法務人事: 法務や人事に関する情報整理や検討をサポートする
総務: 総務業務に関する相談や作業をサポートする
まずは秘書役に相談し、必要に応じて専門担当の役割を持つAIに検討を引き継ぐ。
まるで、管理部の中にそれぞれの担当者がいるような仕組みです。
もちろん、本当にAIの社員がいるわけではありません(笑)
AIに担当ごとの役割や指示を設定し、相談内容に応じて適切な情報や機能を使えるようにしている、ということです。
例えば、AIに仕事を依頼するとき。
毎回「うちの会社ではこういうルールで、この仕事はこう進めていて……」と説明するのは大変ですよね。
でも、あらかじめ必要な情報を整理しておけば、毎回ゼロから説明する手間を減らせます。
しかも、蓄積した情報をClaudeだけでなくChatGPTでも活用できるように工夫しています。
ただし、Obsidianに情報を保存すれば、AIが自動的に何でも理解してくれるわけではありません。
情報をどのように整理し、何を参照させ、どんな役割を与えるのか。
そうした仕組みも、管理部長自身が考えながら構築してきたのです。
AIに仕事をお願いするために、まずはAIが仕事を進めやすい環境を整える。
これは、単にAIを便利なツールとして使うだけではない、新しい発想だと感じました。
なお、財務や法務人事の担当といっても、あくまでAI上の役割です。専門的な判断が必要な場面では、人間や専門家による確認が前提になります。

毎朝8時に情報整理。週報まで支えるAI秘書の仕事
では、実際にAIはどんな仕事をしているのでしょうか?
お話を伺うと、想像以上に日常の業務へ入り込んでいました。
毎朝8時、前日の情報を整理する
管理部長は、毎朝8時に前日の情報を自動で整理する仕組みを運用しています。
例えば、
会議メモや業務記録の要約
タスクの確認や更新候補の抽出
提案書の内容確認
必要な情報のスプレッドシートへの整理
といった作業です。
私たちも日々の仕事の中で、会議をしたり、資料を確認したり、次のタスクを考えたりしますよね。
そして、気がつけば情報があちこちに……。
「あれ、あの話ってどうなったっけ?」
「この件、誰が対応するんだっけ?」
そんな経験、ありませんか?
管理部長は、こうした情報をAIで整理し、次の仕事につなげやすい状態にしています。
ただし、AIが抽出したタスクをすべて自動で採用するわけではありません。
実際に何を進めるのか、優先順位をどうするのかは、管理部長自身が確認・判断しています。
AIに情報整理を手伝ってもらうことで、人間はその先の判断や仕事に集中できる。
この役割分担がポイントです。
管理部の週報もAIがサポート
さらに、管理部の週報作成にもAIを活用しています。
日々蓄積された業務記録や情報をもとに、週報の資料を作成。
毎週、記憶をたどりながらゼロから文章を書くのではなく、日々の記録を活かしてまとめられる仕組みです。
また、Obsidianには情報を一覧で確認できるダッシュボードも構築しています。
文章をずらっと並べるだけでなく、カード形式で必要な情報や状況を確認できるようにしているのだそうです。
これなら、必要な情報を探したり、全体の状況を把握したりする際にも役立ちそうですよね。
情報を「ためる」だけで終わらせない
そして、もうひとつ興味深かったのが、情報の整理そのものにもAIを活用していること。
仕事をしていると、メモや資料はどんどん増えていきます。
でも、古くなった情報や重複した情報が増えると、必要な情報を探すのが難しくなります。
AIにとっても、それは同じです。
例えば、古いルールと新しいルールが混在していたら、AIがどちらを参照すべきか迷ってしまうかもしれません。
そこで管理部長は、情報を蓄積するだけでなく、内容を見直し、整理する作業にもAIを活用しています。
AIに仕事を任せるために、AIが参照する情報も整えていく。
日々の情報整理、タスク管理、週報作成。
それぞれ別々の作業に見えますが、実はひとつの仕組みとしてつながっているのです。

AIが優秀すぎて困る!?試行錯誤から生まれた工夫
ここまで読むと、管理部長は最初からAIを自在に使いこなしていたように感じるかもしれません。
でも、実際は試行錯誤の連続だったそうです。
中でも印象的だったのが、「AIが優秀すぎて困る」という問題。
……優秀なのに、困る?
専門的すぎるメールができてしまう
例えば、税理士や弁護士など、社外の専門家に送るメール。
AIに文案を作成してもらうと、必要以上に専門的な内容や要求を盛り込んでしまうことがあったそうです。
一見すると、とても詳しくて立派なメール。
でも、実際にはこちらが把握していない専門的な内容まで含まれていたり、本来伝えたいことから離れてしまったり……。
これでは、そのまま送ることはできません。
そこで管理部長は、管理部として把握している知識や情報の範囲を踏まえて回答するように、AIへの指示を調整してきました。
AIが詳しい回答をしてくれることと、仕事で使える回答をしてくれることは、必ずしも同じではないんですね。
私も文章を作ってもらうときに、「いや、そこまで大げさにしなくていいんだけど……」と思うことがあります(笑)
大切なのは、AIにどれだけ詳しく答えてもらうかではなく、自分の仕事に合った回答をしてもらうこと。
そのためには、AIに何を求めているのかだけでなく、何を求めていないのかまで伝えることも必要なのだと感じました。
AIの失敗を「引き継ぎメモ」に残す
もうひとつ面白かったのが、AIのミスへの対応です。
例えば、日時の扱いなどで想定外の動きをした場合。
管理部長は、その場で修正して終わりにはしません。
ミスの内容を専用のファイルに記録し、次回以降の作業で参照できるようにしているそうです。
いわば、AIのための「引き継ぎメモ」。
過去にどんなミスが起きたのか。
何に注意すればよいのか。
次からどう対応すればよいのか。
こうした情報を残し、AIへの指示や参照情報を少しずつ改善していきます。
もちろん、記録したからといってAIが必ず同じミスをしなくなるわけではありません。
それでも、問題が起きたときに原因や注意点を整理し、次の改善につなげることはできます。
これって、人間の仕事にも少し似ていますよね。
新しい仕事を覚えるときも、失敗したことや注意点をメモして、次に活かしていきます。
AIの場合は人間のように経験から自然に成長するわけではありませんが、指示や参照情報を改善することで、より業務に合った動きを目指せます。
一度設定したら完成、ではない。使いながら、AIとの仕事の進め方を育てていく。
そんな姿勢が印象的でした。

「APIって何?」からのスタート。専門知識がなくてもできた理由
ここまで読んで、こう思った方もいるかもしれません。
「いやいや、これはITに詳しい人だからできるんでしょ?」
私もそう思いました。
AIに役割を設定して、情報を連携させて、日々の業務を仕組み化する。
かなり専門的な知識が必要そうですよね。
ところが、管理部長は最初からAPIやプログラミングに詳しかったわけではないそうです。
では、どうやってここまでの仕組みをつくったのでしょうか?
答えは、意外にもシンプルでした。
わからないことは、AIに聞く。
例えば、仕組みを構築する際には、
「小学生でもわかるように、手順を教えて」
といった聞き方もしているそうです。
専門用語がわからなければ、わかる言葉で説明してもらう。
作業の進め方がわからなければ、一つずつ教えてもらう。
うまくいかなければ、何が原因なのかを相談する。
そして、実際に試してみる。
その繰り返しによって、自分の仕事に合った環境を少しずつ構築してきました。
これ、実は私もすごく共感しました。
以前、このシリーズでもご紹介した採用サイトのリニューアル。
私自身もWeb制作の専門家ではありませんが、AIに相談しながら、サイトの構成やデザイン、コードの作成などを進めてきました。
もちろん、わからないこともたくさんありました。でも、「知らないからできない」で終わらせず、AIに聞きながら試してみる。その積み重ねで、できることが増えていったのです。
管理部長のお話を聞いて、改めて感じました。
AIを使いこなすために大切なのは、最初から何でも知っていることではなく、わからないことを一緒に解決していこうとする姿勢なのかもしれません。
もちろん、AIが教えてくれたことがすべて正しいとは限りません。
特に、システムの設定や業務データに関わる操作では、内容や影響を確認しながら進めることが大切です。
それでも、「専門家じゃないから無理」と思っていたことに挑戦できる。
これは、AIが私たちにもたらしてくれる大きな可能性のひとつだと思います。
AIに仕事を任せる。でも、最後に判断するのは人間
さて、ここまで管理部長のAI活用をご紹介してきました。
では、AIがこれだけ仕事を進めてくれるなら、人間はもう何もしなくていいのでしょうか?
もちろん、そんなことはありません。
管理部長が大切にしているのは、AIに任せる部分と、自分で判断する部分を分けること。
例えば、AIが作成したメールや資料。そのまま送ったり、業務に適用したりするのではなく、必ず内容を自分で確認します。
AIが抽出したタスクについても、最終的に追加するかどうかを判断するのは管理部長自身です。
AIの役割は、情報を整理し、選択肢や検討材料を用意すること。
そこから何を選び、どう進めるのか。
その判断には、人間の経験や知識、責任が欠かせません。
便利だからこそ、情報の扱いにも注意
そして、もうひとつ欠かせないのが情報セキュリティです。
管理部では、財務や人事など、機密性の高い情報を扱う機会もあります。
だからこそ、管理部長はローカル環境とクラウド環境の使い分けや、AIに参照させる情報の範囲についても工夫しています。
例えば、個人情報や機密情報をAIが不用意に参照しないよう、情報の管理方法や利用範囲を考えること。
便利だからといって、何でもAIに読み込ませればよいわけではありません。
また、ローカル環境を使えば必ず安全というわけでもありません。AIとの連携方法やサービスの設定、アクセス権限なども含めた管理が必要です。
AIを活用することと、安全に使うことはセット。
仕事でAIを使う範囲が広がるほど、こうした考え方も重要になっていきます。
個人の工夫を、会社全体の力に
そして今、ナカソネ住設では、こうしたAI活用を個人の取り組みだけで終わらせず、社内に広げていくことも検討しています。
管理部長へのヒアリング時点では、エリア長や課長などの役職者向けに生成AIツールの有料アカウントを導入する計画も進められていました。
目指しているのは、単にAIを使える社員を増やすことだけではありません。
会社側で業務に合った環境や基本的な仕組みを整え、社員が実際の仕事にAIを取り入れやすくすることです。
たしかに、「AIを使ってみよう!」と言われても、最初は何から始めればよいのか迷いますよね。
何を聞けばいいのか。
どんな仕事に使えるのか。
そもそも、どこまで任せていいのか。
だからこそ、会社として使いやすい環境を整えていくことにも意味があります。
もちろん、管理部長の方法が、そのまま営業所やメンテナンスの現場でも使えるとは限りません。
それぞれの仕事には、それぞれの課題があります。
だからこそ、現場の実情に合わせながら、AIで何ができるのかを考えていく必要があります。
一人の工夫から、会社全体の変化へ。
管理部長の取り組みは、そのきっかけのひとつになっていくのかもしれません。

AIを使うだけじゃない。AIと一緒に「仕事の仕組み」をつくる
今回、管理部長のお話を伺って、一番印象に残ったことがあります。
それは、AIの使い方を工夫するだけでなく、AIがあることを前提に仕事の進め方そのものを見直しているということです。
Claudeを右腕に、ChatGPTを相談相手に。Obsidianを脳みそとして情報を蓄積し、AIに秘書や専門担当としての役割を持たせる。
毎朝の情報整理や週報作成を仕組み化し、うまくいかないことがあれば改善する。
そして、AIに任せるところは任せながら、最後の判断は人間が行う。
これこそ、以前の記事でご紹介した「AX(AI Transformation)」の具体的な一歩なのかもしれません。
AIを導入するだけでは、仕事のやり方は変わりません。
でも、AIを前提に「この仕事、もっと違う進め方ができるんじゃない?」と考え始めると、少しずつ変化が生まれます。
しかも、管理部長は最初からAIやプログラミングの専門家だったわけではありません。
わからないことをAIに聞き、一緒に試しながら、ここまでの仕組みをつくってきた。
このお話は、私にとっても大きな刺激になりました。
「AIって便利だよね」で終わらせない。「AIがあるなら、今までの仕事をどう変えられるだろう?」と考えてみる。
そんな人が社内に少しずつ増えていったら、ナカソネ住設の働き方も、もっと面白くなっていく気がします。
私たちは、水まわりのメンテナンスを中心とした、いわゆる「現場会社」です。
でも、だからこそ、AIを使って変えられる仕事や、広げられる可能性がまだまだあるのではないでしょうか。
もちろん、私たち自身も試行錯誤の途中です。
だからこそ、この「現場会社のAI実験室」では、うまくいったことも、失敗したことも、できるだけリアルにお届けしていきたいと思います。
AIを使う会社から、AIで変わる会社へ。
ナカソネ住設の「現場会社 × AI」の挑戦は、まだまだ続きます!
次回もぜひお楽しみに!
誰かのために一生懸命な仲間を募集中!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ナカソネ住設では現在、一緒に働く仲間を募集しています。
「仕事も大切。でも家族や自分の時間も大切にしたい」
そんな想いを持つ方に、ぜひ知っていただきたい会社です。
今回の記事を読んで少しでもナカソネ住設に興味を持っていただけたら、ぜひ採用サイトもご覧ください。
また、「ナカソネ住設ってどんな会社なんだろう?」と思った方は、公式サイトもぜひご覧ください。
会社概要や事業内容、取り組みなどをご紹介しています。
ナカソネ住設公式noteでは、
・働き方レポート
・社員インタビュー
・編集担当のエッセイ
・水まわりのお役立ち情報
・現場会社のAI実験室
などを発信しています。
「続きも読んでみたい」と思っていただけたら、ぜひフォローや記事への「スキ」をお願いします。
皆さまの応援を励みに、これからも情報発信を続けてまいります。
最後に、X(元Twitter)やInstagram、Youtube、Stand.fmも定期的に更新しておりますので、よろしければご覧ください!
・X(元Twitter):@NakasoneJusetsu
・Instagram:@nakasone_jusetsu
・YouTube:@nakasonet
・Stand.fm:残業しない働き方研究所