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代衚䜜『眪ず眰』などおすすめドスト゚フスキヌ小説遞

    はじめに

    今回の蚘事ではロシアの文豪ドスト゚フスキヌのおすすめ䜜品を玹介しおいきたす。

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    ドスト゚フスキヌ1821-1881Wikipediaより

    あのトルストむず䞊ぶロシアの文豪、ドスト゚フスキヌ。

    ドスト゚フスキヌずいえば『眪ず眰』や『カラマヌゟフの兄匟』など文孊界では知らぬ者のない名䜜を残した圧倒的巚人です。圌の䜜品は人間心理の深局をえぐり出し、重厚で混沌ずした䞖界を私達の前に開いおみせたす。そしお圌の独特な語り口ずあくの匷い個性的な人物達が織りなす物語には䜕ずも蚀えない黒魔術的な魅力がありたす。私もその黒魔術に魅せられた䞀人です。

    私は幎よりほが幎間「芪鞞ずドスト゚フスキヌ」をテヌマにブログを曎新しおきたした。私がなぜここたでドスト゚フスキヌに心惹かれたかに぀いおは「なぜ僧䟶の私がドスト゚フスキヌや䞖界文孊を」蚘事䞀芧芪鞞ずドスト゚フスキヌの驚くべき共通点」のたずめ蚘事でお話ししおいたすのでこちらを参照しお頂きたいのですが、やはり私にずっおは『カラマヌゟフの兄匟』ずの出䌚いが倧きかったです。

    私はドスト゚フスキヌの皲劻に撃ち抜かれおしたいたした。それ以来私の䞭でドスト゚フスキヌはあたりに倧きな䜍眮を占めるようになったのでした。たさに私の僧䟶ずしおのあり方の根本にドスト゚フスキヌがいるのです。だからこそ私はドスト゚フスキヌを孊び続けたのでありたした。

    さお、前眮きはここたでにしおドスト゚フスキヌに魅せられたそんな私がおすすめする䜜品をこれより玹介しおいきたいず思いたす。それぞれのリンク先ではより詳しくその䜜品に぀いおお話ししおいたすので興味のある方はぜひ合わせおご参照ください。


    『死の家の蚘録』1860-1862シベリア流刑での極限生掻を描いた傑䜜

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    『死の家の蚘録』はドスト゚フスキヌ䜜品の䞭で私が最もおすすめしたい䜜品です。入り口ずしおはこの本が読みやすさ、分量、ドスト゚フスキヌらしさを感じる䞊でベストなのではないかず思いたす。

    ドスト゚フスキヌは幎に瀟䌚䞻矩思想サヌクルに出入りしおいたため思想犯ずしお逮捕され、極寒のシベリア、オムスク監獄ぞ流刑ずなっおしたいたした。

    圌は月日、氷点䞋床にもなる極寒の䞭、銬車で連行されおいきたした。オムスク監獄に着いたのはなんずそのおよそカ月埌の月日でした。

    䞊の本玹介の通り、この䜜品はシベリアのオムスク監獄での䜓隓を詳现に描いおいたす。

    ドスト゚フスキヌずいえば、心の奥深くのドロドロをえぐり出すような心理描写をむメヌゞしたすが、この䜜品ではそのような内面描写よりも、䞻人公の目を通しお呚囲の状況や他の囚人たちの心理を冷静に分析しおいるような文䜓で進んで行きたす。

    その出来栄えはあの文豪トルストむやツルゲヌネフも絶賛するほどでした。

    そうした意味で、この小説は他のドスト゚フスキヌ䜜品よりも非垞に読みやすい䜜品ず蚀うこずができたす。

    この䜜品は心理探究の怪物であるドスト゚フスキヌが、シベリアの監獄ずいう極限状況の䞭、垞人ならざる囚人たちず共に生掻し、間近で圌らを芳察した手蚘です。぀たり、面癜くないわけがありたせん。

    あのトルストむやツルゲヌネフが絶賛するように、今䜜の情景描写はたるで映画を芋おいるかのようにリアルに、そしお臚堎感たっぷりで描かれおいたす。読んでいおたるで自分もそこにいるかのような、それほどの迫力をもっお描かれおいたす。

    物語も展開が早く、次々ず堎面が動いおいくのでペヌゞをめくる手が止たりたせん。

    しかもドスト゚フスキヌはそんな䞭で随所に驚くほどの人間分析をやっおのけたす。

    人間の本質に迫るドスト゚フスキヌの目は、監獄ずいう極限状況の䞭でさらに研ぎ柄たされおいるように感じたす。

    そういう点でこの本はフランクルの『倜ず霧』に近い䜜品ず蚀えるかもしれたせん。

    それほどこの䜜品は人間の奥底にたで沈んでいく䜜品であるず私は思いたす。ドスト゚フスキヌ䜜品の䞭でも特異な䜍眮を占める䜜品です。埌の五倧長線の原点ずもなる䜓隓をしたのがこのシベリア流刑であり、『死の家の蚘録』になりたす。ドスト゚フスキヌの特城を知る䞊でも非垞に重芁な䜜品です。


    『賭博者』1866幎ギャンブル䞭毒の心理を実䜓隓からリアルに描写

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    ドスト゚フスキヌの長線䜜品に入る前にこの䞭線小説もおすすめです。

    この䜜品はドむツの保逊地を舞台に、家庭教垫の青幎ず将軍家の什嬢ずの病的な恋や、ギャンブルにのめり蟌む人間の心理をリアルに描いた物語です。

    䞊のあらすじにもありたすように、この䜜品はドスト゚フスキヌが実際に䜓隓した出来事が色濃く反映されおいたす。

    その䞭でも将軍家の倧金持ちのおばあさんがギャンブルにはたっおいき財産をほずんど倱っおしたう有り様や、䞻人公が異垞なツキの䞋勝ちたくり、圧倒的な興奮で粟神がおかしくなる過皋は特に印象に残るシヌンです。

    なぜ人間はギャンブルにはたっおしたうのか、そしおギャンブルにはたった人間の心理は䞀䜓どのようなものなのか。それをこの䜜品で知るこずができたす。この䜜品はなかなかにえげ぀ないです。

    たた、この䜜品の執筆がきっかけずなっおドスト゚フスキヌはアンナ・グリゎリヌ゚りナず知り合い、埌に結婚するこずになりたす。

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    1871幎のアンナ倫人 Wikipediaより

    ちなみにアンナ倫人に察しおはドスト゚フスキヌは䞀切浮気もせず、生涯劻を溺愛しおいたした。晩幎になっおもドスト゚フスキヌは読んでるこっちが恥ずかしくなるほど奥様に察しお愛の蚀葉を手玙に曞き連ねおいたす。

    そしおドスト゚フスキヌは結婚埌もギャンブル䞭毒に苊しみたすが最埌はそれも克服したす。こうしたドスト゚フスキヌの私生掻の面ずもリンクする䜜品がこの『賭博者』になりたす。


    『地䞋宀の手蚘』1864幎ドスト゚フスキヌらしさ党開の䜜品超絶ひねくれ人間の魂の叫び

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    この䜜品は文庫本でおよそペヌゞ少々ず、ドスト゚フスキヌ䜜品にしおは少なめの分量です。ですので手に取りやすい本であるのは間違いないず思いたす。

    そしおドスト゚フスキヌらしさ党開の語り口を堪胜できるずいう点でもこの本は䞀際存圚感を攟っおいたす。

    人間の心の奥底のどろどろな郚分、䜕が飛び出しおくるかわからぬ混沌が地䞋宀人の自意識過剰でひねくれた蚀葉を通しお珟れおきたす。

    たしかに、初めおこの䜜品を読むず、あたりに独特で奇劙な語り口に床肝を抜かれるかもしれたせん。しかしなぜか圌の術䞭に匕き蟌たれおしたうのです。

    地䞋宀人は決しお䞖の䞭の勝者ではありたせん。圌は䞖間的には人奜きのしないダメな人間です。自分の殻に閉じこもり、呚りず合わせるこずができない孀独な人間です。

    でも、だから䜕だずいうのです、おれにだっお叫びたいこずはあるんだず、地䞋宀人は蚀っおいるかのようです。

    そういう、敗者の哲孊、虐げられた人間の反抗ずでも蚀うべき蚎えがこの䜜品には蟌められおいるのではないでしょうか。

    そう蚀うず、なんだか難しそうな本かなず思われるかもしれたせんが、この小説は難解な哲孊曞ずいうわけではありたせん。地䞋宀人のひねくれっぷりがずお぀もないだけで、難解ずいうわけではありたせんのでご安心を。

    あらすじにもありたしたようにこの䜜品は「ドスト゚フスキヌ党䜜品を解く鍵」ず蚀われるほどドスト゚フスキヌの根っこに迫る䜜品です。

    ドスト゚フスキヌらしさを実感するにはうっお぀けの䜜品です。


    『眪ず眰』1866幎ドスト゚フスキヌの黒魔術を䜓感するならこの䜜品

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    『眪ず眰』は蚀わずず知れたドスト゚フスキヌの代衚䜜です。こちらもやはりドスト゚フスキヌの入り口ずしおおすすめしやすい䜜品でありたす。

    この䜜品は掚理小説的芁玠、瀟䌚颚俗画的芁玠、愛の芁玠、思想の芁玠、心理的芁玠など、ずにかく盛りだくさんな小説です。

    しかもただ単に様々な芁玠があるだけではなく、そのひず぀ひず぀がたた深いこず深いこず・・・

    蚳者の工藀氏も述べたすように「読み進むうちに異垞な熱気に感染し、ひきこたれお読み終るず、思わず考えこたせられおしたう」、これに尜きたす。

    䞻人公ラスコヌリニコフの苊悩や様々な登堎人物が織りなす物語が尋垞ではない迫力で描かれたす。

    ドスト゚フスキヌがこの小説を曞き䞊げた時、圌の生掻はどん底状態でした。

    ここでは詳しくお話し出来たせんが、「たるで熱病のようなものに焌かれながら」粟神的にも肉䜓的にも極限状態で朝から晩たで郚屋に閉じこもっお執筆しおいたそうです。

    もはや狂気の領域。

    そんな怪物ドスト゚フスキヌが䞀気に曞き䞊げたこの䜜品は黒魔術的な魔力を持っおいたす。

    この魔力をなんず説明したらよいのかわからないのですが、ずりあえず、読めばわかりたす。癟聞は䞀芋に劂かずです。隙されたず思っおたずは読んでみおください。それだけの䟡倀はありたす。黒魔術の意味もきっずわかるず思いたす。これはなかなかない読曞䜓隓になるず思いたす。

    ただ、読曞初心者がいきなりこの䜜品を読むず面を食らうかもしれたせん。登堎人物の名前がややこしかったり、ドスト゚フスキヌ独特の語り口に戞惑う方も倚いかもしれたせん。ここから玹介する䜜品は党おそういう芁玠がありたす。

    ですが、党く倪刀打ちできないような難曞かずいうず決しおそうではありたせん。珟代小説ず同じような感芚で読み進めるこずができたす。ある皋床本を読むこずに抵抗のない方でしたら問題なく読めるず思いたす。ぜひドスト゚フスキヌの黒魔術を䜓感しおみおください。


    『癜痎』1868幎あのトルストむも絶賛ドン・キホヌテやレミれずの深い関係も

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    『癜痎』は私も倧奜きな䜜品です。個人的には『眪ず眰』よりも奜きかもしれたせん。

    䜕が面癜いかいうず、登堎人物ひずりひずりのちょっずした衚情やしぐさの描写が驚くほど繊现で、読んでいるこっちの粟神にたで䜕か入り蟌んでくるような䞍思議な感芚になりたす。

    たた、この䜜品には次に䜕が飛び出しおくるかわからない緊匵感がありたす。登堎人物が皆謎を抱えおいお、突発的に状況が動いおいくずいうハラハラな展開です。

    そしお䜕よりもムむシュキンずいう䞻人公の魅力がこの䜜品で際立っおいたす。

    ムむシュキンはずにかく善良な人間です。そしお盞手の心の底を芋透かし、い぀の間にか心を開かせおしたう䞍思議な力を持っおいたす。

    そんな䞍思議な魅力を持぀圌は䜜䞭人物からもキリスト䟯爵ず蚀われるほど、矎しい人間です。

    ですが圌は同時に「癜痎」ず銬鹿にされたりする癲癇病みの人間でもありたす。たた、長い間スむスの山奥で療逊しおいたためロシアの人間瀟䌚のルヌルや现かい機埮には驚くほど無知です。

    ぀たりロシアにおいお圌は完党に異質な人間であり、月䞖界の䜏人のように思えおしたうほどなのです。

    ムむシュキン自身もそのこずに悩みたすがどうしようもありたせん。

    珟実䞖界に銎染めない善良な䞻人公。それが『癜痎』におけるムむシュキンなのです。

    キリスト䟯爵ムむシュキンがロシア瀟䌚に珟れたこずによっお、物語の歯車は動き出したす。

    圌を䞭心に繰り広げられる人間の愛や憎しみ、粟神の混乱、生きる意味を求めるドラマ。

    ここではあらゆるものが耇雑に絡み合った物語が進んで行きたす。

    人間の心の混沌、䞍確かさ、次に䜕をしでかすか自分でもわからぬほどの激情。

    そしお『癜痎』のラストは文孊史䞊に残る芞術的なシヌンで幕を閉じたす。

    あの文豪トルストむもこの䜜品を絶賛し、䞻人公のムむシュキンに぀いお、

    「これはダむダモンドだ。その倀打ちを知っおいる者にずっおは䜕千ずいうダむダモンドに匹敵する」ず称賛しおいたす。

    「無条件に矎しい人間」キリストを描くこずを目指したこの䜜品ですが、キリスト教の知識がなくずも十分すぎるほど楜しむこずができたす。もちろん、知っおいた方がより深く味わうこずができたすが

    それほど小説ずしお、芞術ずしお優れた䜜品ずなっおいたす。

    たた、この小説の䞭に登堎する『墓の䞭の死せるキリスト』ずいう匷烈な絵画も印象的です。ドスト゚フスキヌは実際にスむスのバヌれルでその絵を芋お匷いショックを受けおいたす。この絵の恐るべきリアルさは䜜品䞭でも倧きな鍵ずなっおいたす。私も幎にこの絵を実際に芋に行きたした。その時の䜓隓を以䞋の蚘事でお話ししおいたすのでぜひご参照頂けたらず思いたす。

    『癜痎』は『眪ず眰』の圱に隠れおあたり衚には出おこない䜜品ですが、ドスト゚フスキヌの代衚䜜ずしお非垞に高い評䟡を受けおいる䜜品です。これは面癜いです。私も匷くおすすめしたす。


    『悪霊』1871-1872幎革呜家達の陰惚な珟実を暎露したドスト゚フスキヌの代衚䜜

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    『悪霊』はドスト゚フスキヌのペヌロッパ倖遊が終わりに近づく幎から執筆が始められ、幎月にペテルブルクに垰還した埌も曞き続けられた䜜品です。

    幎にわたり祖囜を離れペヌロッパに滞圚しおいたドスト゚フスキヌは、改めおペヌロッパ思想に察しおその行く先を案じるこずずなりたした。

    このたたでは祖囜ロシアも危ない。愛するロシアがペヌロッパ思想に呑み蟌たれおしたっおは囜は砎滅に突き進んでしたう。

    ドスト゚フスキヌはそんな危機感を募らせたのでありたした。

    そしおそんな時に実際に起こったネチャヌ゚フ事件ずいう、革呜思想を狂信する集団が内ゲバを起こし、メンバヌをリンチしお殺しおしたう惚劇が起こっおしたいたす。

    ドスト゚フスキヌはこの事件ず聖曞の「悪霊に憑かれた豚が湖に飛び蟌み溺死する」ずいうむメヌゞを重ね合わせ『悪霊』を執筆しおいきたす。

    『悪霊』は『眪ず眰』や『カラマヌゟフの兄匟』ず䞊ぶドスト゚フスキヌの代衚䜜ずしお知られおいる䜜品です。

    そしおこの䜜品が抱えおいる思想問題の深刻さは圌の䜜品の䞭でも明らかにトップクラスずなっおいたす。

    私が初めおこの䜜品を読んだ時も、そのあたりの盛りだくさんぶりに䜓調が悪くなりぐったりしおしたうほどでありたした。

    ただ、『悪霊』はたしかに重厚な䜜品ではありたすが、決しお読みにくいずか難しすぎるずいうわけではありたせん。

    むしろ、この䜜品を入口ずしおドスト゚フスキヌにはたったずいう方もたくさんいるほどです。

    䞭にはこの䜜品がきっかけでドスト゚フスキヌに打たれ、その圱響で牧垫さんになった方もおられたす。

    この䜜品が持぀魔力は蚈り知れたせん。異様な力を秘めた䜜品です。

    ドスト゚フスキヌ䜜品の最高峰『悪霊』、おすすめです。ぜひこの䜜品ず栌闘しおみおはいかがでしょうか。


    『カラマヌゟフの兄匟』1879-1880幎ドスト゚フスキヌの最高傑䜜神ずは人生ずは自由ずは

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    『カラマヌゟフの兄匟』はドスト゚フスキヌの晩幎に曞かれた生涯最埌の䜜品です。

    ドスト゚フスキヌは生涯倉わらず抱き続けおきた「神ず人間」ずいう根本問題を描き、この䜜品は圌の䞖界芳を集倧成したものずなっおいたす。

    この䜜品の最倧の山堎は䞊巻の終盀に珟れる「倧審問官の章」です。䞀床読んだら絶察に忘れるこずができないほどの衝撃がありたす。

    『カラマヌゟフの兄匟』はドスト゚フスキヌ䜜品の䞭でも私が最も奜きな、そしお思い入れのある䜜品です。

    ただ、この䜜品も䞇人におすすめできる䜜品ではありたせん。分量も䞊䞭䞋巻合わせおペヌゞ以䞊の倧䜜であり、難解な箇所もありたす。しかもよく蚀われるように䞊巻の冒頭郚分がずにかく読みにくいずいう問題がありたす。

    䞊巻の前半は忍耐が必芁になりたす。正盎に申したしお、前半はプロロヌグずいいたすか、䞭盀からの盛り䞊がりのための前準備のような内容です。

    もしかしたら、ここで挫折しおしたう人が倧半なのかもしれたせん。

    ですがここを蟛抱するず䞊巻の埌半から䞀気に゚ンゞンがかかっおきたす。

    ここたで蟛抱匷く読んできた方なら、これたで溜めおいた゚ネルギヌが爆発するがごずく䞀気にドスト゚フスキヌの筆の勢いに呑み蟌たれおいくこずになるでしょう。

    䞭巻䞋巻に入っおもその勢いは止たるこずはありたせん。きっず抜け出せなくなるほど没頭するこず請け合いです。それほどすごいです。この䜜品は。

    䞊巻の前半郚分さえ突砎すれば埌はもう怒涛のごずしです。

    以䞋の蚘事でこの䜜品に぀いおより深く考察しおいきたすのでぜひご芧になっお頂ければず思いたす。「難しい」「読みにくい」ず蚀われるこずの倚いこの䜜品ですが、なぜそのように感じおしたうのか、その理由にも迫っおいきたす。

    この䜜品の背景を知るず、『カラマヌゟフの兄匟』がたた違っお芋えおきたす。

    『カラマヌゟフの兄匟』はドスト゚フスキヌ䜜品の䞭でも私が最も奜きな、そしお思い入れのある䜜品です。

    長線小説ずいうこずでなかなか手に取りにくい䜜品ではありたすが、心の底からおすすめしたい䜜品です。


    ドスト゚フスキヌはおすすめできない私個人の思いを正盎に告癜したす

    さお、ここたでドスト゚フスキヌのおすすめ䜜品遞をご玹介したした。「芪鞞ずドスト゚フスキヌ」をテヌマに幎間孊び続けおきた私が自信を持っおおすすめする䜜品です。

    ただ、これたで圓ブログにお付き合い頂いた皆さんの䞭にはトルストむやチェヌホフ、シェむクスピアなどのおすすめ䜜品蚘事はすでにあったのに、なぜドスト゚フスキヌの「おすすめ䜜品の蚘事」を今になっお曞いたのだろうかず䞍思議に思われた方もおられたかもしれたせん。

    なぜドスト゚フスキヌを愛する私が「おすすめ䜜品の蚘事」をこれたで曞かなかったのかずいうず、実は私はドスト゚フスキヌを愛するがゆえに、気軜に人におすすめするこずができないずいう矛盟に苊しんでいたのでありたした。

    正盎に癜状したしょう。私はドスト゚フスキヌをおすすめできたせん。

    「ドスト゚フスキヌおすすめ䜜品をご玹介」ずここたで話しおおきながら䜕たる暎論ずお思いになられた方もおられるかもしれたせんが、少々お埅ちください。

    正確には、「私は誰しもに気軜にドスト゚フスキヌをおすすめするこずはできない」ず蚀いたいのです。

    これはどういうこずかずいいたすず、シンプルに述べるならばドスト゚フスキヌは難しいずいうこずに尜きたす。

    読曞初心者の方や重厚な長線小説に慣れおいない方がいきなりドスト゚フスキヌ䜜品を手に取るずその分量や難解な蚀葉、物語にめたいを起こしかねたせん。最悪、読曞が嫌いになっおしたうかもしれたせん。私はそれを恐れるのです。しかもドスト゚フスキヌの䜜品には圌の思想が詰たっおいたす。それをどう捉えるかによっお䜜品の芋え方がかなり倉わっおきたす。同じ䜜品でも人によっおは党く違う䞻題を読み取るこずも倧いにありえるのです。

    読者によっお受け取るものが違うずいうのはある意味その䜜品の奥行ずもいえるかもしれたせん。それは長所たりうるものです。この奥行き、読者の思考の䜙地もドスト゚フスキヌ䜜品の魅力のひず぀だず間違いなく蚀えるのですが読曞初心者には正盎おすすめできたせん。わけが分からないたた挫折しおしたう可胜性もやはり高いのです。

    ですが、それでもなおドスト゚フスキヌを読んでみたいずいう方にはぜひドスト゚フスキヌ䜜品を読むのをおすすめしたす。もちろん、読曞に慣れた方でしたら問題なく読むこずができるのがドスト゚フスキヌです。ぜひドスト゚フスキヌ独特の䞖界芳を堪胜しお頂けたらず思いたす。

    以䞋の蚘事でドスト゚フスキヌ䜜品を読んでいく䞊で私自身が実感したこずをお話ししおいたす。ぜひ参考にしお頂けたしたら幞いです。

    どの翻蚳、出版瀟がおすすめ

    ドスト゚フスキヌ䜜品は岩波曞店や新朮瀟、光文瀟など数倚くの出版瀟から発行されおいたす。

    その䞭で私がおすすめしたいのは新朮瀟版のドスト゚フスキヌ䜜品です。

    特に五倧長線においおはぜひ新朮瀟版をずいうのが私の個人的な思いです。

    蚳も玠晎らしく、ドスト゚フスキヌの原兞に忠実か぀、珟代人の私たちにも読みやすい蚳ずなっおいたす。

    その䞭でも『カラマヌゟフの兄匟』はぜひぜひ原卓也蚳の新朮瀟版を手に取っお頂けたらず思いたす。

    たた、近幎新たに翻蚳された氎声瀟、杉里盎人蚳の『詳泚版 カラマヌゟフの兄匟』もおすすめです。解説が非垞に充実しおいお、私も「『カラマヌゟフの兄匟』はなぜ難しい䜕をテヌマに曞かれ、どのような背景で曞かれたのかドスト゚フスキヌがこの小説で䌝えたかったこずずは」の蚘事で参考にさせお頂きたした。

    ドスト゚フスキヌ䜜品を気軜に手に取るのであれば新朮瀟版が䞀番おすすめです。私も基本的には新朮瀟版で䜜品を読んでいたす。


    ドスト゚フスキヌ䜜品は䜕から読むべき

    ドスト゚フスキヌを読んでみたいけど、䞀䜓䜕から読み始めるべきなのか。おすすめの順番はあるのだろうか。

    これは倚くの方が悩む問題なのではないでしょうか。

    たしかにこれは難しい問題です。

    「有名な䜜品だし」ずいうこずで『眪ず眰』や『カラマヌゟフの兄匟』を読んでみたはいいものの早い段階で挫折しおしたった方も倚いのではないでしょうか。

    最近私も孊生から『眪ず眰』は読みやすいですか䜕から読めばいいでしょうか私でもドスト゚フスキヌを読むこずができたすかず質問されたしたが、これはなかなか難しい問題です。

    先ほども述べたしたように、読曞初心者の方がいきなり『眪ず眰』や『カラマヌゟフの兄匟』を読むのはかなり難易床が高いです。読曞慣れしおいる方であれば䜕から読んでも倧䞈倫ですよず答えるのですが、そうでない方がドスト゚フスキヌを読むならば、私はたず『死の家の蚘録』をおすすめしたす。

    䞊の「おすすめ䜜品遞」でも玹介したしたが『死の家の蚘録』はずにかく読みやすいです。しかも話が章ごずに分かれおいるのでテンポもいいです。登堎人物の名前や物語の筋も五倧長線ず比べるず圧倒的にすっきりしおいおわかりやすいのもその特城です。

    埌の五倧長線のベヌスずなったのもこの小説です。ですのでドスト゚フスキヌずはどんな䜜家なのだろうかず知る䞊でこの䜜品はうっお぀けず蚀うこずができるでしょう。

    そしおできればでありたすが『眪ず眰』や『癜痎』、『悪霊』、『カラマヌゟフの兄匟』などの長線に入る前にいく぀か解説曞を読むのがおすすめです。ただ単に読むより圧倒的にその䜜品を楜しく読むこずができたす。

    こちらの蚘事ではドスト゚フスキヌ小説をもっず楜しむためのおすすめの解説曞をたずめおいたす。ぜひこちらもご参照ください。


    ドスト゚フスキヌ小説よりも面癜いドスト゚フスキヌの奥様による䌝蚘『回想のドスト゚フスキヌ』

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    Amazon商品玹介ペヌゞはこちら

    これたでドスト゚フスキヌのおすすめ䜜品や参考曞を玹介しおきたしたが、ここでぜひおすすめしたいのがドスト゚フスキヌの奥様による䌝蚘『回想のドスト゚フスキヌ』です。

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    アンナ・ドスト゚ヌフスカダ1846-1918Wikipediaより

    私がドスト゚フスキヌを孊がうず思ったきっかけは『カラマヌゟフの兄匟』でした。

    ですが心の底からドスト゚フスキヌを奜きになったのはこの『回想のドスト゚フスキヌ』のおかげだったのです。

    そしおこの本の䞭で説かれるドスト゚フスキヌずアンナ倫人の西欧旅行。これが私の心を打ちたした。新婚早々二人はロシアを離れおペヌロッパぞず旅立ちたした。そしお幎に及ぶ西欧滞圚で人の運呜は倧きく倉わるこずになりたす。この旅がなければ『癜痎』以降の倧䜜、぀たり『悪霊』も『未成幎』も『カラマヌゟフの兄匟』も生たれるこずはなかったでしょう。それほどこの旅はドスト゚フスキヌにずっお倧きなものがあったです。

    そしお䜕よりこの旅を通しお人は匷く結ばれ、ドスト゚フスキヌは苊しみ抜いた前半生ず党く異なる幞犏な家庭生掻を過ごすこずができたした。ドスト゚フスキヌずいえば重く陰鬱なむメヌゞがあるかもしれたせんが、圌の晩幎は幞犏そのものだったのです。これは私にずっおも倧いに救いずなった事実でありたした。

    そしおドスト゚フスキヌを孊び始めおすでに幎以䞊が経った今、私は匷く感じおいたす。「私はアンナ倫人ず共にいるドスト゚フスキヌが奜きなのだ」ず。

    ドスト゚フスキヌの小説は面癜いです。そしお䜕より、深いです。私の僧䟶人生にずお぀もない圱響を䞎えたした。

    ですがこのアンナ倫人の䌝蚘もそれに劣らず私に巚倧な圱響を䞎えるこずになりたした。ドスト゚フスキヌその人を心の底から奜きになったのはこの本のおかげです。私はこの䌝蚘が奜きで奜きでたたらなく、昚幎幎にこの䌝蚘で語られるゆかりの地巡りに出掛けたほどです。その旅の蚘録が『ドスト゚フスキヌ、劻ず歩んだ運呜の旅狂気ず愛の西欧旅行』ずいう蚘事になりたす。

    アンナ倫人のこの䌝蚘が䞖に広たるこずを私は匷く願っおいたす。正盎申したしお、ドスト゚フスキヌ䜜品そのものよりもぜひこの䌝蚘を読んで䞋さいず蚀いたくなるほど私はこの䜜品を愛しおいたす。それほど玠晎らしい䜜品です。ただ、残念ながらこの䌝蚘はただ文庫化されおいたせん。アンナ倫人の『回想のドスト゚フスキヌ』が文庫化されるこずを祈るばかりです。

    おわりに

    さお、ここたで私のおすすめするドスト゚フスキヌ䜜品ずその参考曞、読むべき順番に぀いおお話ししおきたした。

    ただ、実はひず぀蚀わなければならないこずがありたす。

    これたで芋おきた䜜品の䞭でも実は『地䞋宀の手蚘』ず『悪霊』は私個人ずしおは少し苊手な䜜品なのです。

    この䜜品がドスト゚フスキヌにおいお名䜜であるこずは疑いようがありたせん。ただ、私個人ずしおは苊手ず蚀いたすか、その暗さにどうしおもメンタルがやられおしたう䜜品なのです。『悪霊』に関しおは特にそれが顕著で、読む床に私は䜓調が悪くなりたす。ドスト゚フスキヌの黒魔術、憑䟝の術䞭にたさしくかかっおしたったのでしょう。

    ですがだからず蚀っお『悪霊』や『地䞋宀の手蚘』が䜜品ずしお劣っおいるわけでは決しおありたせん。『悪霊』が倧奜きだずいう方も知人におりたすし、『地䞋宀の手蚘』を高く評䟡する人も䞖に倚くおられるこずを知っおおりたす。

    問題は同じドスト゚フスキヌ䜜品ずいっおも、䜜品によっおは奜みが分かれるこずもあるずいうこずです。これは村䞊春暹䜜品においおもそうですよね。私は『ダンス・ダンス・ダンス』や『ハヌドボむルド・ワンダヌランド』が奜きですが、他の人からするず党くそうは思わないずいうこずも埀々にしおありえるわけです。

    そしお同時に気軜にはおすすめはできないけれども私個人ずしお奜きな䜜品も実は存圚しおいたす。その筆頭がドスト゚フスキヌ初期の䞭篇小説『二重人栌分身』です。

    私自身この䜜品を読んでずおも心打たれるものがありたした。個人的にも『二重人栌』はドスト゚フスキヌ䜜品の䞭でも䞊䜍にくるくらい倧奜きな䜜品です。

    呚りずうたくなじめない。なじみたいずは思うのだけれどもやはりなじみたくもない。自分っお䜕なんだ。䜕でこんな自分になっおしたったんだ。どうしたらいい。なんで自分はこんな卑屈なんだ。自分がおかしいのかどうしたら私は生きおいけるのか。なんでこんなに苊したなければならないのだろう。

    そんな悩みを抱えおいる人にはぜひ読んでほしい䜜品です。ここに同じ悩みを抱えた人間のドラマがあるのです。ドスト゚フスキヌはそうした人間の味方です。

    私はこの䜜品を読んで、そうした人間の苊しむ姿に共感し共に苊しみながらも、同じ苊しみを耐えおいる人が他にもいるのだずいう䞍思議な安心感を感じたのを芚えおいたす。

    もちろん、この䜜品はハッピヌ゚ンドではありたせん。

    ですが䜕か心にずっしり来るものを私達に残しおくれる䜜品です。若干読みにくい䜜品ではあるので気軜にはおすすめできたせんが個人的に倧奜きな䜜品です。

    そしおもう䞀぀玹介したいのがドスト゚フスキヌの曞簡です。「28ドむツの枩泉地バヌト・゚ムスのドスト゚フスキヌゆかりの地を蚪ねお結婚埌10幎経っおも倫人に熱烈なラブレタヌを送るドスト゚フスキヌ」の蚘事の䞭でもお話ししたのですが、ドスト゚フスキヌの曞簡がこれたた面癜いのです。

    ドむツの枩泉保逊地バヌト・゚ムスからのドスト゚フスキヌの手玙は珟地での日々の出来事ずアンナ倫人ぞの愛が綎られおいたす。これがほずんど毎日のように曞かれるのでもはやドスト゚フスキヌの日蚘のようにも読めおきたす。そしおこれがずにかく面癜いのです。ドスト゚フスキヌは重厚な小説䜜品をたくさん生み出しおきたしたが、もし気楜な旅行蚘や日蚘文孊を出版したらそれこそそっち方面でも倧ブレむクしたのではないかず思うほど面癜いのです。

    ゞャヌナリスティックなセンスもあるドスト゚フスキヌのこずです。日々の䜕気ない出来事や、芋知らぬ町での䜓隓から面癜い蚘事を曞くのはお手の物でしょう。珟にドスト゚フスキヌはこれらの手玙で゚ムスでの日々を事现かにアンナ倫人に語っおいたす。その語りがたるで珟地の様子が目の前に浮かんでくるようなのです。その臚堎感たるやもしこの手玙をすべおたずめお本の圢にしたらものすごく面癜いものになるのではないでしょうか。詳しくは䞊の蚘事で実際の手玙の内容なども玹介しおいるのでぜひそちらをご参照願いたいのですが、アンナ倫人の『ドスト゚フスキヌの回想』ず合わせおぜひこの曞簡も文庫化を願っおおりたす。

    さお、長々ずお話ししおきたしたがドスト゚フスキヌ䜜品を読む䞊で少しでもお圹に立おたしたら䜕よりでございたす。

    「ドスト゚フスキヌはおすすめできない」ず蚀ったり、アンナ倫人の『回想』がおすすめだず蚀ったり、皆さんを混乱させおしたったかもしれたせんが、ドスト゚フスキヌを愛する私の正盎な気持ちをここに述べさせお頂いた次第でありたす。ここたでお付き合い頂きありがずうございたした。

    以䞊、「本奜き僧䟶が遞ぶおすすめドスト゚フスキヌ小説遞」でした。


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