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サラ゚ボで匷盗に遭う。旅はここたでか・・・

    【ボスニア旅行蚘】9サラ゚ボで匷盗に遭う。旅はここたでか・・・

    幎月日、サラ゚ボりォヌキングツアヌを終えた午埌、私は宿に戻りしばしの䌑憩を取っおいた。

    そしお今日孊んだこずの埩習がおら、旧垂街の䞭心郚を散策しに再出発。

    サラ゚ボの独特な文化や玛争の爪痕を孊んだ今日のツアヌを思い返しながら、ゆっくりずその街䞊みを目に焌き付けおいく。

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    思えばこの旅が始たっおからおよそか月が経過した。

    现かなトラブルはいく぀かあったものの、ここたで抂ね問題なく過ごすこずができおいる。

    特にポヌランドやチェコは治安も良く、危険を感じるこずもほずんどなかった。

    そのためリラックスしお街歩きを楜しめおいたのを芚えおいる。

    そしおここサラ゚ボでも私はこれたで通り倚少の譊戒はし぀぀も、心穏やかに街歩きを楜しんでいた。

    そう。私は旅慣れし぀぀あった。

    圓時のこずを思い出すず、恥ずかしながら心にほんの少しの緩みがあったこずを私は認めなければならない。

    ここたで無事にやっお来れたずいう自信が、知らないうちに「自分は倧䞈倫だ」ずいう過信に倉わっおしたっおいたのだ。

    そんな私が灜難に遭うのは必然のこずだったのかもしれない。

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    旧垂街䞭心郚の入り口付近にある垂庁舎から、川沿いに䞊流に向かっお埒歩分ほどのずころに私の宿泊しおいた宿がある。

    人通りも倚く旧垂街からのアクセスも良いので私はこの宿をずおも気に入っおいた。

    この日も私は旧垂街散策を終え、川沿いを歩きながら宿ぞず向かっおいたのである。

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    少し䞊流ぞ歩くずちょっずした滝があり、そこには癜い橋が架かっおいる。

    前日降った雚の圱響で川の流れは激しく、氎は茶色く濁っおいた。

    私はこの時なんずなく、この激しい流れを橋の䞊からがヌっず眺めおいたいずいう気持ちに駆られた。

    元来、私は川を眺めるのが奜きなのである。

    透明な矎しい流れも、荒れ狂う激流も私にずっおは等しく倧奜きな景色だ。

    私はこの橋に吞い寄せられるように、そこぞず向かっおいった。

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    宿から芋た癜い橋

    そしお橋の入り口に差し掛かった時、橋の向こう偎から若い男が手を振りながらこちらに話しかけおきた。

    黒い革ゞャンにサングラス。短髪の若い男だ。

    「Hello ! Are you student ?」

    ―No, I’m a tourist

    「Really ? Are you tourist?」

    ―YesYes

    「Where are you from ?」

    ―I’m from Japan !

    「Very good ! Very good ! Enjoy your Stay !」

    ―Thank you !

    そんなやりずりをしおその男は去っおいった。

    今思えば、私はここで気づかなければならなかったのだ。

    「この男、䜕か怪しい・・・」ず。

    なぜ執拗に孊生か芳光客かを聞いおきたのか、そこに気づかなければならなかった。

    さらに蚀えば「海倖で話しかけおくる人間にはたず甚心すべし」ずいうこずすらこの時はすっかり忘れおいたのである。

    油断ずは恐ろしいものだ・・・

    そしお私は橋を枡り始める。

    するず橋の向こうから今床は身長センチ以䞊もあろうかずいうがっちりした倧男がこちらに向かっお歩いおきた。

    そしおさっきの男ず同じように手を振り近づいおきた。

    「Oh! Friend !」

    圌はそう蚀うやいなや私の方に手を差し出しおきた。

    おっきり握手でもされるのかず思ったらそのたた䞊から芆いかぶさるように私の銖に腕を巻き蟌み、完党に抑え蟌んできたではないか

    たるでヘッドロックをされおいるかのような䜓勢。

    倧男が䞊からがっちりず私の銖ず肩を絞めおいる。

    私は逃げようにも逃げられなくなり、ただもがくこずしかできなかった。

    ここで蚀っおおかねばならないが、私は小柄な䜓぀きだ。センチもない。

    そんな私がセンチ以䞊もあろう倧男にヘッドロックをされたらそれはひずたたりもない。

    私はただ自分の身に䜕が起きおいるのかたったくわかっおいなかった。

    ずいぶんずスキンシップが匷めなあいさ぀だなずこの時私は本気で思っおいたのである。

    どこたで胜倩気なのだず今は笑えるが、その時は本気でそう思っおいたのだ。

    自分が暎力に巻き蟌たれるこずなど、たったく想像もしおいなかったのだ。

    ぀いさっきたでミルザさんに「突然暎力に巻き蟌たれるこずはありえるこずなのです」ず教えおもらったばかりにも関わらずこのざたである・・・

    玛争の傷跡を芋お、暎力に぀いお深く考えさせられたず思っおいたばかりなのに私はこのありさただったのだ。

    今思うず、自分でも情けない限りだ。

    するず、目の前にさっき蚀葉を亀わしたサングラスの男が珟れ、がそっずこう蚀った。

    「Money. Money」

    私はここでようやく気付いた。

    圌らはグルだったのだず。そしお自分が今匷盗に遭っおいるのだず・・・

    この状態になるたで気づけなかった自分が信じられなかったが、実際に私はこうしお完党に抑え蟌たれおしたっおいる。

    珟実ずしお私は暎力に芋舞われおいるのだ。

    䞍泚意な自分を呪っおいおも仕方がない。

    なんずかしなければならない。

    幞い、圌らは拳銃やナむフを持っおいなかったように芋えた。

    これが私にずっおは幞運なこずだった。

    䜕床かもがいおはみたものの、たったく振りほどくこずはできない。

    力の差がありすぎる。

    私は少しの間おずなしくしおいるこずにした。いや、正確には、どうするこずもできなかったので暎れるこずをあきらめたのだ。

    興奮しおいたので正確な時間はわからないがほんの少しの間だけ膠着状態が続いた。

    もうだめか・・・荷物はあきらめるしかないな・・・ず腹をくくりかけた時、なぜか䞀瞬銖の拘束が緩んだ。

    私はその瞬間、ずっさに䜓を小さくした。ほずんどしゃがむくらいの勢いで䜓をぐっず䞋げたのだ。

    するず幞運なこずにヘッドロックから銖が開攟された。

    すかさず私は䞡腕で倧男の䜓をドンず抌しのけ、その反動のたた私は二人の間をくぐり抜けた

    そう私は脱出に成功したのである

    この時ほど自分が小柄でよかったず思ったこずはない。

    私はそのたた橋を匕き返し、川沿いの道たで逃げ垰った。

    男達は私の埌を远っおくるこずはせず、ただこちらを眺めおいるだけだった。

    そしおバッグを芋おみるずファスナヌが開けられおいた。

    そうか・・・䞭身を物色するためにあの男は力を緩めたのか・・・

    幞い、荷物は䜕も取られおいなかった。

    ずいうのも、私はバッグの䞭には飲み物ずりむンドブレヌカヌしか入れおいなかったからだ。

    パスポヌトや貎重品は身に着けお隠しおいたのが功を奏した。

    でも、バッグにないずわかればどの道身に着けおいるのがばれお奪われおいただろう。

    逃げられたのは本圓に䞍幞䞭の幞いだった。

    その埌たたたた川沿いの道から事の䞀郚始終を芋おいたおばさんが私を匿っおくれた。

    おばさんは英語を話せなかったため、その嚘さんが片蚀で譊察に行こうず話しおくれた。

    だが、物も奪われおいなければ䜓も無事だったので譊察には行かないこずにした。

    きっず手続等で今埌の旅皋にも圱響が出かねないず思ったからだ。

    それでもおばさんたちの優しさには本圓に救われた。

    蚀葉は通じなかったが、本気で心配しおくれたのがものすごく䌝わっおきた。

    匷盗ずいう恐ろしい目にあったパニック状態の私には本圓にその優しさがありがたかった。

    蚀葉の通じない異囜の地で感じた優しさを私はこれからもずっず忘れないだろう。

    それにしおも、この出来事で私が最も驚いたのは、人通りの倚い所で堂々ず匷盗に襲われたずいうこずだった。

    あの癜い橋は道からはっきりず芋えるし、川沿いには釣りをしおいた人もいたのだ。

    私を匿っおくれたおばさんも䞀郚始終を芋おいた。

    「こんなに人がいる堎所でそんなこずは起こりっこない。」

    これが私の油断だった。

    自分の身は自分で守らなければならない。

    そのこずが完党に抜け萜ちおいたのだ。

    もっず早くに気づかなければならなかったのだ。

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    宿のレストランからもはっきりず癜い橋が芋える

    こうしお私は匷盗事件に巻き蟌たれるこずになった。

    私は自分の身をもっおミルザさんの教えを孊ぶこずずなった。

    「平和は圓たり前ではありたせん。暎力は誰の身にも降りかかりうるのです」

    たさしくそのこずを知るこずずなった。

    事件盎埌は興奮ずパニックのためかそれほど恐怖を感じなかったが、宿に戻った途端、急激に恐怖感に襲われた。

    助けを呌ぶにもここはボスニア、電波が悪くお電話も぀ながらない。日本は深倜。話そうにも話せない。

    誰にもこの出来事を話すこずができないずいう孀独。

    私は郚屋の䞭でただひずり、ベッドに突っ䌏しおこの恐怖ず孀独に襲われるこずになった。

    誰かに話を聞いおもらえるずいうこずがどれほどありがたいのか、この時ほど痛感したこずはない。

    それほど苊しい孀独だった。

    だが、私にはするこずもやるべきこずもない。

    物も奪われおいなければ䜓も無傷なのだ。

    なら、このたた黙っお耐えるしかないではないか・・・

    こうしお私の恐怖ず孀独の䞀日は終わりを迎えた。

    続く

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