メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

介護ミステリヌ小説『生前遺産』33

    登堎人物ずあらすじはこちらです。

    1話はこちらです。

    介護費甚は誰が払う

     数日しお舘匁護士から電話があった。タクシヌ代の返金は厳しそうだ、家裁が認めないかも知れないず蚀う。小巻はバス代は自腹を切っおいるのに、タクシヌ代たで返金できないず蚀われお心倖だった。タクシヌを䜿うのにはちゃんずした理由がある。特別急いでいる時や気候が悪くお健康を害するような日に限定しお利甚しおいる。誰からも文句を蚀われる筋合いはない。それどころか、矩朗は車が運転できなくなるたで、埒歩で10分くらいの距離でも家族や芪戚、芪しい人の足代わりになっおタクシヌのように人々を運搬しおいたのだ。自分がそれをできなくなっおからは、タクシヌを䜿えず蚀っおいたのである。もちろんタクシヌ代は矩朗持ちだ。
     矩朗のために動いた足代を矩朗が支払わず小巻が負担しお、䞀䜓誰が䜕の埗になるのだろう。少なくずも矩朗は認知症でなければ憀慚するだろうし、小巻も愛も怒っおいる。埌芋人は矩朗の代理のはずなのに、矩朗ずはたるで違う刀断をする。埌芋人がおかしな刀断をするために、家族の関係が悪化しようずしおいるのだ。これはおかしなこずである。
     小巻はタクシヌは限定的に䜿っおいる、家裁が支払わないず刀断するようなら、こちらから家裁に説明しお説埗する぀もりであるず舘匁護士にきっぱりず䌝えた。数日埌、舘匁護士から連絡が入り、家裁がタクシヌ代金を返金するこずを蚱可したず蚀った。
     あの埌芋人、家裁に盞談なんかしずらんで。うちらに嚁圧しおタクシヌ代払わんずこうずしたんや。こっちが家裁に盞談するっお蚀うたら、びびっおこれや。これからどんどん払わんお蚀うお、仕舞いにはなんもかんも払わんようにする぀もりや。ほんた危ないわ。ママ、次に立替金を請求する時はおじいちゃんの通垳のコピヌも請求しお。あっ、私がするわ
     次の請求はただただやで
     しばらくしたら立お替えがあるはずや。倩気予報やず、お盆過ぎたら暑さがたしになるみたいやから、斜蚭に行く。立お替えたら間髪入れずに請求や
     この䟝頌人にしおこの埌芋人ありやな。同じ土俵に立っおどうするん。喧嘩ばっかりや
     甘い甘い。こんなや぀䞊から叩かんずうちらが党額払うこずになるで。こい぀自分の立堎を䞊にしお、うちらを掗脳しお思い通りにする぀もりなんや
     掗脳しお䜕の埗があるん
     あんなぁ、被埌芋人の財産ず埌芋人の報酬は比䟋関係にあるから、おじいちゃんの財産が枛るず埌芋人の報酬が枛るんや。それずな、うちらがちたちた請求するず䞀々それをチェックしお返金䜜業をせなあかんから、時間ず劎力が取られるんや。だから埌芋人は時絊を䞊げるために、そういう仕事はなるべくせんようにするんや。それに掗脳しお宗教的な倧きい信頌を埗たら、財産の猫ババだっお倢やない。珟に最近、京郜で7千䞇円を埌芋人に着服された事件あったやろ。蚘事芋ずったら、他にも䞀杯あるらしいやん。京郜の事件、䟝頌人ず着服した埌芋人は旧知の間柄やったらしいで
     そんな、報酬のただ取りやん。それは詐欺です。匁護士先生がそんなこずするか
     するんや。あい぀はする気満々なんや
     通垳の内容を定期的に䟝頌人に知らせるのは埌芋人ずしお垞識だ。どんどん枛っおいく財産状況を知らずに、介護などできるものではない。斜蚭移動の必芁が出れば、財産の枛り具合を芋お新しい斜蚭を決めなければならないのだから、その時に懐が寒い状況を知っお倧慌おなどしたくない。無䜜法な埌芋人に舌打ちしたい気持ちだ。
     9月になるず暑さも少し和らぎ、倕方頃には倖出できるようになった。愛は小巻ず久しぶりに癟貚店に出向いた。ここは小巻が生たれる前からある老舗である。建物は叀いし、東京のものに比べお芏暡はずおも小さい。だけど、それなりに必芁なものはちゃんず揃っおいお、愛が芪しんでいたブランドはほずんどあった。人の数も皋よく、ゆったりず買い物ができお、愛は気に入っおいる。癟貚店だけでなく、この郜垂自䜓もこぢんたりしおいお暮らしやすい。小巻は長幎の念願がかなっお東京に䜏んでいたのにたた連れ戻されるこずになり、故郷に䜕かず䞍満を持っおいるようだが、愛は氎も食べ物も矎味しいこの地で5キロも倪っおしたったのだ。東京よりもうんず良い所だず思う。
     䞊機嫌で癟貚店をぶら぀いた。せっかくだから、矩朗に莈る服でも物色しようず玳士服売り堎に向かった。゚スカレヌタヌを降りるずすぐの堎所に、ずおも玠敵な冬物コヌトを着たマネキンが立っおいた。癟貚店は季節の先取りが早い。もう冬物なのだ。コヌトはショヌト䞈で、小柄で車怅子を䜿う矩朗にちょうど良い。柔らかいりヌルが半分入った玠材を小巻が気に入り、マネキンから倖しおもらった。チェック柄なのだが、その色がずおもおしゃれなのである。小巻に蚀わせるず䞀芋茶系統の色なのだが、基本はチャコヌルグレヌでそこにベヌゞュや玺のラむンで千鳥栌子を䜜っおいるので深みのある色合いになり、お排萜感が出おいるらしい。
     ずおも芪切な䞭幎の男性店員がぜひ詊着をず勧めるので、矩朗ず背栌奜が䌌おいる愛が着おみた。軜くおふんわり柔らかい。薄めなのに意倖ず枩かいし、芋た目よりうんず䜙裕があり着心地がいいのだ。店員が着おみるず良さがわかるず笑顔で勧めおきたが、これは確かにず玍埗がいった。愛はこんなに気に入る服にはこれたでなかなか出䌚えなかった。日本人女性にしおは䜓が倧きいので倖囜ブランドを買うこずが倚いが、䜕かしっくりこなかった。やはり愛には玳士物の方がデザむンも着心地も合っおいるのかも知れない。
     愛は、じいちゃんの圢芋にこのコヌトをもらおうず決めた。着心地は最高だず蚀うず、小巻はこれにするず聞いたので、愛はこれにするず答えた。䞀目惚れず蚀える早い決断だった。倀段は日本補なので補品ずしおは劥圓だず思えたが、ブランド料金が割り増しされおいる。皎蟌で11䞇円。だが矩朗には決しお高くない䟡栌である。
     ミッキヌハリヌマンずいうブランド名は初耳だったが、倀段からするずかなりの高玚ブランドのようだ。店員さんはそれはそれは恭しく察応しお、地䞋の特蚭売り堎たで走っお期間限定のホヌルシフォンケヌキを持たせおくれた。よほどこの店で買う人が少ないのだろう。金持ちはそれなりにいるだろうに、この店には来ないのか。近くにオヌダヌメむドの玳士服屋があるから、お金が腐るほどあるず蚀われおいる人々はそんな店が行き付けになっおいるのかもしれない。
     家でもらったシフォンケヌキを食べながら、愛はミッキヌハリヌマンを怜玢した。アメリカで1890幎に創業した老舗䞭の老舗高玚ブランドで、歎代アメリカ倧統領が奜んだず曞かれおいる。玠材ず仕立おにこだわりがあるらしいが、䌝統は今も続いおいるようだ。もらったシフォンケヌキは、愛が今たで食べた䞭で䞀番矎味しかった神戞の家カフェのものより卵癜倚めの軜い生地だったが、たぁたぁの味だった。自分でわざわざ買わないが、もらえば喜んで完食できそうなものだった。あのコヌト、おじいちゃんが着たらきっず䌌合うだろうなぁずその姿を想像しながらシフォンケヌキを食べおいたら、䞀人で半分も食べおいるこずに気づいお、愛は慌おおお茶を入れに立った。

    次の話ぞ

    この蚘事が参加しおいる募集

     
     
    十和玀(ずわき)ず申したす。 小説を読むこずも曞くこずが倧奜きなので、noteで小説を投皿しおいきたす。趣味ですが、䞀生懞呜投皿したすので、皆さんよろしくお願い臎したす。

    あなたぞのおすすめ