
第2章 #46 知行合一 王陽明 ソクラテス
#46 Thus, knowledge was conceived as identical with its practical application in life ; and this Socratic doctrine found its greatest exponent in the Chinese philosopher, Wan Yang Ming, who never wearies of repeating, "To know and to act are one and the same.”


私の訳:このように知識は、人生における実践的な精進と同一のものとして考えられた。このソクラテス的教義は「知ることと行うことは一つであり同じものである(知行合一)」を倦まず弛まず説いた中国の思想家、王陽明(註)をその最大の解説者として見出したのである。




きゅうこう ―かう 0【躬行】
自分から実際に行うこと。「―実践」
「信ずる所のものを―して」〈福翁百話•諭吉〉
じっせん‐きゅうこう〔‐キユウカウ〕【実践×躬行】
[名](スル)《「躬」はみずからの意》実際に自分自身で行うこと





application 英単語の意味の拡がり
英単語の application は、動詞 apply(もともとラテン語で「折る・重ね合わせる・くっつける」という意味)から派生し、「何かを別のものにピタッと合わせる・向ける」というコアイメージ(核となる意味)から、物理的・抽象的なさまざまな意味へと広がっています。 [1, 2]
コアイメージ
この「あてがう・むける」という基本感覚から、次のように意味が広がっていきました。
意味の広がりの分類
1. 物理的に「あてがう・塗る」
意味:薬剤、クリーム、ペンキなどを皮膚や物体に塗ること・塗布
例:application of ointment(軟膏の塗布)
2. 注意や力を「向ける・集中させる」
意味:仕事や勉強への努力・勤勉・集中
例:steady application to work(仕事へのひたむきな専念)
3. 自分の希望を組織や相手に「あてがう(提出する)」
意味:申し込み、申請、出願、応募、およびその書類(願書)
例:job application(求人への応募)、application form(申込書)
解説:自分の意思や経歴を、大学や会社という「相手の枠組み・制度」にぴったり合わせて提出する行為。
4. 知識や理論を現実の場に「あてはめる」
意味:応用、適用、活用
例:application of theory to practice(理論の実践への応用)
解説:抽象的なルールや科学的知識を、具体的な状況に「あてはめて使う」こと。
5. コンピューターにおける「あてはめ用ソフト」
意味:アプリケーション(アプリ / app)
例:web application(ウェブアプリケーション)
解説:OS(基本ソフト)という土台の上で、特定の目的・作業(写真加工、文書作成など)に特化してあてはめて使うソフトウェアのことです。






ソクラテスと王陽明の共通点
ソクラテスと王陽明(Wang Yang-ming)は**「知識とその実践(行動)は同一のものである」という思想を共有・体現した人物同士**として関係付けられています。
具体的には、以下のような関係として記述されています。
思想の共通性(知行合一): ソクラテスが抱いていた「知識とは人生における実践的な応用と同一である(知徳合一・主知主義的実践論)」という構想・教義(Socratic doctrine)に対し、王陽明は「知行合一(知ることと行うことは同じことである)」を繰り返し説きました。
最大の体現者・解説者: 文章中では、王陽明がこのソクラテス的教義の**「最大の主唱者・体現者(greatest exponent)」**であったと位置づけられています。
つまり、西洋のソクラテスと東洋の王陽明が、時代や地域を超えて**「真の知識は行動(実践)を伴う」という全く同じ哲学の本質に到達し、王陽明がそれを最も見事に証明・発展させた**という関係性で描かれています。


