
ネットコミュニティで、身に覚えのないことで犯人扱いされた話―10日間の記録〈7〉
< Day 2(4)>
-「悪魔の証明」-
私も違う。サシャも違う。
だから、最初から「内通者がいる」という前提がおかしいと思っていた。
でも、どれだけ説明しても納得してもらえない。
何があったのか、こちらには状況そのものがよくわからない。
だから、何について弁明すればいいのかさえ、わからなかった。
話はどんどんおかしな方向へ進んでいった。
背番号「じゃあ、やっていないという証拠は出せますか?」
一瞬、言葉が出なかった。
私は何もしていない。だから「していません」と答えている。
自分だけじゃない。「誰もなにもしていない」と言っている。
なにもやっていないことを証明するには、何を出せばいいんだろう?

一方的に理不尽な目に遭っていることに怒りは感じる。
敵の数はわからない。味方も少ない。圧倒的に不利だ。
ユウさんに連絡していない証拠。
情報を漏らしていない証拠。
チャットグループでなにがあったのかを知らない証拠。
そんなもの、最初から用意している人なんているだろうか。
私はそこで初めて、どうしようもない壁の前に立たされたような気がした。
「やっていない」と言うだけでは、もう足りない。
そして、私がサシャをかばえばかばうほど、状況は悪くなっていった。
背番号「二人とも怪しくなってきました」
そんな言葉まで出てきた。
自分の無実を訴え、サシャも守ろうとすると
「二人で口裏を合わせている」
と受け取られてしまう。
違うと言えば友達が疑われる。
友達をかばえば、さらに疑われる。
何もしていないと言えば、その証拠を求められる。
じゃあ、私はどうすればいいの?
そう思った。

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