
ネットコミュニティで、身に覚えのないことで犯人扱いされた話―10日間の記録〈6〉
< Day 2(3)>
- 犯人なんていない -
サシャは、明らかに動揺している。
サシャ「ひのき……私、知らないところで犯人にされているみたい」
「間に合わなかった」と思った。事態は関係者を増やし、大きくなっている。
サシャに届く前に、なんとか誤解を解きたかった。ひのきが疑われているだけなら、まだ耐えられた。
サシャまで巻き込まれるのは嫌だった。サシャは清廉潔白かつ正義感が強く、そして繊細だ。こんなバカバカしい犯人探しに巻き込んではいけない人なのだ。
この件でひのきからサシャへは連絡をしてていなかった。
ひのきは、自分が否定すれば解決すると思っていた。
サシャに余計な心配をかけたくなかったし、事を荒立てる必要もない。犯人なんていないと思っていたから、そう伝え続けていた。
けれど、間に合わなかった。
なぜ、解決しないんだ……。
ひととおりサシャの話を聞いてから、ひのきも今までの経緯で知っていることを話した。
二人が今、どういう状況に置かれているのかを一緒に整理した。

いつ、誰が、何を言ったのか。
そもそも「漏れた情報」とは何なのだろうか。
ヨルBのチャットグループで何があったのか。
YouTubeで何が起きたのか。
自分たちはユウさんに何か伝えられる状況だったのか。
サシャもやっぱり、チャットグループを使いこなしていなかった。
お互い、ユウさんへ直接連絡する手段もない。
私たちはふたりとも、何があったのか全く知らない出来事の「内通者」扱いをされている。
「犯人なんていない」
仲間の中に犯人がいるという前提がおかしい。
暗闇の向こうの人々はなぜ、他の原因を探ろうとしないのか?
なぜ、信じてくれないのか?
辛い……。

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