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【簡単あらすじ】学生街の殺人(微ネタバレ)【東野圭吾/講談社文庫】


    『 償う気持ちを宝にして‥‥‥ 』


    複雑な展開と解明のためのアプローチは流石の東野作品と感じましたが、

    刑事・加賀恭一郎や最新作での湯川教授では考えにくい、犯人の追い込み方やラストが印象的でもありました。

    初期だからこその、粗さと力強さを感じさせる魅力ある作品です。



    ―

    『はじめに』
    日本各地で雪の便りが届くようになり、東北南部も外出には厚手のコートが必要な季節になりました。そうすると、必然的に家や自室で過ごす時間が増えることになり、読書も捗る季節とも言えます。
    このように、読書をするための絶好のシチュエーションを得られる時期ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。この感想で、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。

    ーー

    『 道を間違ったらどうするんだい?』

    大学を卒業したものの「卒業後に普通の道を歩くのではなく、自分が本当に打ち込める仕事を見つけたい」と考えている津村光平。

    光平は、大学院に進学したと家族には嘘をつき、大学付近の学生街にあるビリヤード店「青木」で、アルバイトをしている。

    その日暮らしで、それなりに日常を楽しんでいる光平だったが、ある日青木の同僚である松木元晴が自宅アパートで殺されてしまう。

    松木の死体の第一発見者であり、さらに、聞き込みに来た刑事から「松木とは、偽りの名だ」と伝えられ、光平は松木の事件に巻き込まれ、興味を持つ。

    そして、松木の事件が落ち着く間もなく、光平の彼女である、有村広美までもが殺されてしまう…


    ―

    以前レビューしました「秘密」

    でも、登場人物のセリフに、(恐らくですが)作者・東野圭吾さんの考えが分かる部分がありましたが、本作にも下記のようなセリフがあります。

    「将来は機械だけで仕事ができるのかい?」
    「機会を育てるのは人間さ。だけど機械以下の人間は不要になる。
     優秀な人間と優秀なコンピュータが、社会を運営していく」
    「まだ少し時間がかかりそうだがね」と付け加えた。

    P215

    電気工学科を卒業後に、生産技術エンジニアに勤務しながら執筆をしていたということもあり、こういった考え方があったのでしょう。

    今から約40年前の1987年に書かれた作品ですが、現在を見通しているようですね。

    すべてがFになる。

    の森博嗣さんもそうですが、ある分野での専門性・専門知識がある作家さんの作品というのは、ミステリー的な面白さだけでなく、その分野での知見が広まることが出来ることが多いので、読了することで一作品で二度楽しいですね!


    綺麗な殺人など無く、事件には様々な・大小関係のない悪意が隠されていることを思い知らされる作品。

    是非ご一読ください。


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