
変人|ショートショート
樋口さんは少し変わった人だった。
どこか異国の血が混じっているような顔立ちで、つい目がいってしまう。
聞いたところによると、ハーフとかではなく、バリバリの日本人らしい。
樋口さんとは、小さな塾でクラスが一緒だった。
僕も、樋口さんも、それぞれに仲の良い友達と一緒に通っていた。
樋口さんは個性的な人だった。
塾で同じ教室にいると、友達と会話しているのがよく聞こえてくる。
「ひーちゃん、ボウリングやったことある?」
「あるよ。時々やりたくなるよね。」
「結構行ってる感じ? 誰と行くの?」
「一人。」
「……。そうなんだ。すごいね。」
樋口さんはキョトンとしている。
また別の日の会話。
「ひーちゃん、これ、可愛くない?」
「いいね。」
「ひーちゃんは好きなキャラクターいるの?」
「いるよ。これ。」
「……。個性的な子だね。」
「かわいいでしょ?」
「うん、まあ、そうと言えなくもないかな。」
友達、毎回動揺しすぎじゃないか?
だけど友達の気持ちもわかる気がした。
気づけば、塾で樋口さんの意外な一面を知れるのが楽しみだった。
僕は、樋口さんに惹かれはじめていた。
僕もいつか、ひーちゃんって呼んでみたい。
ある日の塾の帰り道。
僕は友達と別れて、一人で歩いていた。
後ろから突然、声をかけられた。
「山崎君!」
樋口さんだった。
「一人? 一緒に帰ろっ。」
びっくりした。まさか樋口さんのほうから声をかけられるとは思ってなかった。
「いいけど、急に何で?」
「別に特に理由はないけど。強いて言えば山崎君、変わってて面白そうだから。」
* * *
山崎君は少し変わった人だった。
見た目は地味なんだけど、よく見ると顔のパーツがイケメン? みたいな感じ。
山崎君とは、小さな塾でクラスが一緒だった。
私も山崎君も、それぞれに仲の良い友達と一緒に通っていた。
山崎君は個性的な人だった。
塾で同じ教室にいると、友達と会話しているのがよく聞こえてくる。
「ザッキーさあ、ダーツとかやったことある?」
「あるよ。よくやる。」
「お前、俺とは行ったことないじゃん。もしかして彼女いたりするのか?」
「違うよ。一人。」
「……。そっか、悪かったな。」
山崎君はキョトンとしている。
また別の日の会話。
「ザッキー今度このゲームやらない?」
「いいね。」
「ザッキーのおすすめのゲームとかないの?」
「あるよ。これ。」
「……。これクソゲーで有名なやつ。」
「だからいいんだよ。」
「うん、まあ、たまにはそういうのもいいかな。」
友達、毎回動揺しすぎじゃない?
だけど友達の気持ちもわかる気がした。
気づけば、塾で山崎君の意外な一面を知れるのが楽しみだった。
私は、山崎君に惹かれはじめていた。
私もいつか、ザッキーって呼んでみたい。
* * *
ある日の塾の帰り道。
一人で歩いている山崎君を見かけた。
思わず声をかけたけど、何を話すか決めてなかった。
「一人? 一緒に帰ろっ。」
「いいけど、急に何で?」
「別に特に理由はないけど。強いて言えば山崎君、変わってて面白そうだから。」
変なこと言っちゃった。
「僕も樋口さんと話してみたかった。」
「あのさ、私もザッキーって呼んでいい?」
「じゃあ、僕もひーちゃんって呼んでいい?」
「いいよ。」
「もちろん。」
二人で並んで歩いて帰った。
そういえば、山崎君に夢中で、友達のことを忘れていた。振り返った時には、もう友達の姿はなかった。
* * *
次の日。
塾で私と山崎君は自然に隣り合って座っていた。
その外側に、それぞれの友達が座った。
「昨日、置いてかれてびっくりした。」
そう言いながら私の友達は小さな紙を渡してきた。
こう書かれていた。
「変人同士?」
恋人の間違いだと思うことにした。
読んでいただき、ありがとうございます。
夏なので、夏だから! アオハル強化中です。
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