
Guitar Player Repair Guide モノとルキ#37
「ダン、あなたの本にはこうあるけれど、もう少し詳しく教えてよ」
そんな風に英語で語りかけると、彼はいつだって軽快に答えてくれる。
ダン・アーリワイン。
ガルシアやクラプトンのギターを手がけた、伝説のビルダーだ。
そんな人が、僕の調整の手ほどきをしてくれるなんて。
ありがたい話だと思う。
かつての僕は、調整のすべてをリペアマンに委ねていた。
上手く弾けないのは自分の腕のせいだと思い込み、
ただがむしゃらに練習を重ねていた。
けれど、ある時を境に自分で工具を握るようになった。
するとどうだろう。ギターへの理解が深まると同時に、
ネックは吸い付くように手に馴染み、
あんなに苦戦したフレーズがするすると指から溢れ出した。
以前にもまして、音楽との距離がぐっと縮まった気がした。
その傍らにいつもあったのは、ダンの
「Guitar Player Repair Guide」。
単なるリペアガイドではなく、
「プレイヤー」のためのガイドであるところがいい。
クラプトンやイングウェイへの設定も、ちゃんと記されている。
もちろん手に負えない重症ならプロを頼る。
けれどその時も、この本があれば「何ページのあの調整だけど」と、
共通言語で話せる。
僕はまた、愛器を膝に乗せて彼に連絡する。
「ねぇダン、
今度はシンクロナイズド・トレモロのフローティングなんだけど…」
