
Bradyのアリエルトラウト モノとルキ#38
ツイードジャケットに合うバッグを、ある時探した。
雑誌をめくり、いくつかのブランドを試し、
たどり着いたのがBradyだった。
1887年創業、バーミンガム生まれの英国老舗。
ロンドンのショップから取り寄せたのは、
オリーブ色のアリエルトラウトラージ。
なぜオリーブ色を選んだかというと、
グリーン系やブラウン系のツイードに、
これほど馴染む色はなかったから。
あまり取扱いのない色らしく、
ふらっと立ち寄ったアパレルショップで
どこで買ったか聞かれたりした。
A4書類が横向きに入る収納力は、
フィッシングバッグとして長年培われた機能美。
フロントの二つのポケットには、片方に携帯電話、
もう片方にカギと小銭入れ。それだけで一日が始まる。
秋冬のほぼ毎日、肩にかけて出かけている。
あるとき気づいたことがある。
日本で流通しているアリエルトラウトには
省略されている、内側のホックボタン。
僕のものには、それがちゃんと残っている。
本来はここに耐水ライニングを取り付け、
釣った魚を収めるためのもの。
タウンユース仕様ではなく、本物仕様。
使うことはないけれど、
インナーケースを自作するのも夢がある。
秋の風が吹くと、
ニット帽をかぶって、ツイードジャケットを身にまとい、
アリエルトラウトを肩にかける。
気分は映画「コンドル」のロバート・レッドフォード。
どんな真実を解明しに向かおうか。
