
3Dプリンターの造形失敗を減らす意外な改善法
3Dプリンターを使っていると、どうしても避けられないのが造形の失敗です。
朝起きて、昨日セットしたパーツがぐちゃぐちゃに絡まっているのを見ると、なんとも言えない気持ちになりますよね。
特に、造形物の端が浮き上がる「反り」や、途中で剥がれてしまう現象には頭を悩ませてきました。
ネット上のTipsをあれこれ試してみましたが、実は良かれと思ってやっていたことが、かえって状況を悪化させていたと気づくことが何度もありました。
今日は、多くの人がやりがちな「逆効果な対策」を3つ紹介します。
逆効果な対策3選
1. ビルドプレート温度を上げすぎる
定着が悪いと、真っ先にプレートの温度を上げたくなりませんか。
熱を加えれば素材が柔らかくなり、接着力が増すはずだと考えがちです。
ですが、温度を上げすぎると、今度は素材が冷える過程で収縮する力が強まってしまいます。
土台はしっかりくっついていても、冷える過程で素材が引っ張られ、結果として反りを助長してしまうのです。
プレート温度を上げるのではなく、まずはプレート表面の脱脂を徹底してみてください。
無水エタノールで丁寧に拭き取るだけで、驚くほど定着が安定することは珍しくありません。

2. ノズル温度を極端に高くする
積層剥がれが起きると、ノズル温度を上げて強度を出そうとする方がいます。
これも実は、層間の密着度を逆に下げてしまう原因になりかねません。
ノズル温度が高すぎると、フィラメントが過剰に溶けて流動性が高まりすぎてしまいます。
層と層の隙間に安定して素材が乗らず、冷却のバランスが崩れてしまうんです。
適正な温度はフィラメントのメーカーや種類によって決まっています。
まずはスライサーの推奨値を守り、そこから5度単位で微調整するのが一番の近道です。
3. ファンをオフにして造形する
反りを防ぐために、冷却ファンを完全に止めて造形するケースを見かけます。
風が当たって温度が急激に下がれば、素材が収縮して反りやすくなるというのは一見理にかなっています。
しかし、最近の高性能な素材は、適切な冷却がないと自分の熱で形が崩れてしまうものが多いです。
熱が籠もりすぎると全体の強度が低下し、積層の重みで歪みが生じてしまいます。
ファンをオフにするのではなく、最初の数層だけ冷却を控えめにし、その後は適切に風を当てる設定が基本です。

失敗を減らすために
結局のところ、魔法のような解決策はありません。
設定の数値だけに頼るのではなく、まずはプレートの清掃や、素材ごとの特性を再確認すること。
特に、自分が使っているフィラメントが「本当に適正な保管状態にあるか」も確認が必要です。
湿気を吸ったフィラメントは、どんな設定をしても綺麗に仕上がりません。
地味なことの積み重ねですが、こうした基本動作を丁寧に行うことが、結果として最も効率の良い近道になります。