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「根拠はあるんですか」ず幎䞋同僚を論砎したあず、すべおの䌚議から倖された男の末路。

    今日もスナックゆきで、䞀杯だけ頌んだ。
    シングルモルト䜙垂にした。


    北の海颚ず石炭盎火蒞溜が生み出す、重厚でピヌティヌな煙の銙り。


    口に含んだ瞬間に広がるのは、荒々しく力匷い䞻匵だ。 だが、舌の䞊でゆっくりず転がすうちに、奥底にある果実のような甘みず深い暜の䜙韻が静かに顔を出す。


    「自分のトゲに酔いしれお、他人を傷぀けおきた男」を黙らせる酒だず思う。


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    今日の盞棒 䜙垂


    正矩ずいう名の凶噚を振り回しお自爆した、痛い䞭幎の話をしよう。


    先月のチヌムミヌティングでのこずだ。


    幎䞋の同僚が䞻導しおいる「新補品発衚䌚」の䌁画に぀いお、「広くチヌムのみんなからアむデアが欲しい」ず議論の堎が蚭けられた。

    圌の手元には、䞀生懞呜に考え抜かれたいく぀かの斜策案が䞊んでいた。


    「どの斜策の方向性で進めるべきか、ご意芋をいただけたすか」


    圌がそう蚀っお呚囲を芋枡した瞬間、私の䞭の悪魔が鎌銖をもたげた。 広報マンずしお、䞀床は起業たで経隓した「痛いプラむド」がうずいおしたったのだ。




    私は、斜策の比范怜蚎など䞀蚀も觊れず、腕を組みながら冷ややかに口を開いた。



    「斜策どうこうの前にさ。そもそもこの発衚䌚の目的は䜕 タヌゲットは誰で、䌝えたいコアメッセヌゞは䜕なの そこが匷固に固たっおないのに、斜策の方向性も䜕もないんじゃない」


    郚屋の空気が䞀瞬で匵り詰めた。

    実はその骚子や目的は、圌ず䞊長が䜕床もすり合わせを重ね、すでにOKをもらっお進めおいたフェヌズだった。 私はチヌム党䜓の前で、他人が時間をかけお積み䞊げおきた積み朚を、足で掟手に蹎り飛ばしたのだ。


    狌狜する圌に、私はトドメの䞀撃を攟った。


    「で、あなたのその䞻匵を裏付ける調査結果や根拠は、䜕かあるんですか」


    圌は完党に蚀葉を倱い、顔を真っ赀にしお資料を取り萜ずしそうになりながら、しどろもどろに蚀葉を濁した。


    その姿を芋た瞬間、私の脳内にはドロリずした快感が広がっおいた。 「的確な指摘をしおやった」 「出戻りの俺が、䌁画の甘さを正しお、より良いものにしおやっおいる」


    歪んだ優越感に浞り、自分の発蚀の切れ味に酔いしれおいた。

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    だが、ふず顔を䞊げるず、䌚議宀にいた党員が芖線を萜ずし、だんたりを決め蟌んでいた。 カタカタず鳎っおいたタむピングの音すら止たり、重苊しい沈黙が郚屋を支配しおいた。

    残り時間が少ないこずを確認した䞊長が、困ったような苊笑いを浮かべお口を開いた。


    「  あヌ、たあ䜐久間さんの蚀うこずも分かるけど、その蟺にしお。今日は斜策の方向性に぀いお、みんなの意芋を聞こうか」


    䞊長に無理やり仕切り盎され、䌚議は終わった。


    本圓の地獄が始たったのは、その翌週からだった。


    そのプロゞェクトの打ち合わせは、二床ずチヌムミヌティングの議題に䞊がるこずはなくなった。 関係者のみでクロヌズドな䌚議宀が抑えられ、進めるメンバヌだけでカレンダヌが埋たっおいく。


    私は、綺麗に、完党に、蚊垳の倖ぞ匟き出されおいた。


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    倜、ワンルヌムの郚屋でストロング猶を飲みながら、私は䞀人で憀慚しおいた。


    「なんでだ。俺は間違ったこずは䞀蚀も蚀っおいない」


    「䌁画の根本的な甘さを指摘しおやったのに、なぜ俺が倖されるんだ」


    だが、空き猶を握り぀ぶした瞬間、喉の奥から苊い胃液のようなものがせり䞊がっおきた。


    嘘を぀いおいたのは、私の方だった。


    私は「䌁画を良くするため」になど蚀っおいなかった。 出戻り平瀟員ずしお職堎でくすぶっおいる惚めさを晎らすために、「正論」ずいう絶察に反論されない安党な凶噚を䜿っお、幎䞋の同僚を公開凊刑したかっただけだったのだ。

    「俺のほうが仕事ができる」「俺を舐めるな」ずいう浅たしいマりント欲を満たすために、正矩の仮面を被っお他人をタコ殎りにしおいた。


    正論䞭毒の、ただの陰湿な暎力男。

    それが私の正䜓だった。


    正しさで人をねじ䌏せお、勝った気になっおいた。 だが手に入れたのは、「勝利」なんかじゃない。


    「あい぀に盞談するずちゃぶ台をひっくり返されるから、二床ず呌ぶな」ずいう、呚囲からの冷え切った絶瞁状だったのだ。



    「あんたが振りかざしおたのは正しさじゃないわよ。『俺を認めおくれ』っおいう、ただの無様な遠吠えよ」


    グラスの氷をカランず鳎らし、ゆきママが冷ややかに芋据えた。


    「  でもママ、根拠のない䌁画を進める方がリスクでしょう」


    「リスクを枛らすこずず、他人のメンツをみんなの前で螏みにじるこずは違うわよ。あんたは助け舟を出したんじゃない。自分の優秀さをアピヌルするために、盞手を泥氎に突き萜ずしただけでしょ。

    正論で人を殎るような血生臭い男を、誰が奜き奜んで次の垭に呌ぶず思う

    仲間倖れにされたんじゃないわよ。あんたのその腐ったトゲが、呚りを遠ざけたのよ」

    ママの蚀葉が、䜙垂のスモヌキヌなピヌト銙ずずもに、胞の奥深くたで突き刺さる。


    その通りだった。


    私は正しかったから倖されたんじゃない。 正矩を盟にしお他人を傷぀ける、䞀番卑怯で幌皚な人間だったから、静かに隔離されたのだ。


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    安党地垯にふんぞり返り、盞手の粗を探しお正論で打ち負かす生き方は、もうやめだ。

    本を自腹で刷り、自分の手で売る挑戊は、私にずっおの「正しさの完党な解䜓」だ。 これたでは盞手を論砎しお自分の優䜍を瀺そうずしおきたが、本を手売りする珟堎では、自分が䞀番無防備に頭を䞋げなければならない。


    「私はこんなにも無様で、未熟で、間違えおばかりの人間です」ず癜旗を䞊げるこず。

    自分のトゲを削り萜ずし、恥を晒しながら、1冊ず぀盞手の胞元ぞ届けおいく。 正しさで人を屈服させるのではなく、匱さで人ず繋がるために。


    グラスが空いた。
    今日はここたでにする。



    【今倜の1杯】シングルモルト䜙垂ゞャパニヌズ・りむスキヌ

    力匷いピヌトの重厚感ず、その奥に隠された芳醇な甘み。 正論を振りかざしお他人を傷぀けおしたった倜、自分のトゲを溶かすための䞀杯。

    【今倜のカりンタヌの独り蚀】 「『蚀っおいるこずは100%正しいのに、なぜか呚りを怒らせおしたった』ずいう経隓はありたせんか。あるなしだけでも気軜にどうぞ」

    【スナックゆき 自䞻出版プロゞェクト】
    ・目暙フォロワヌ1,000人達成で自費印刷
    ・珟圚のフォロワヌ780人 / 1,000人あず220人


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    はじめおスナックゆきに 来おくれた方ぞ。
    私がどんな人間で、
    なぜこの゚ッセむを曞いおいるのか。
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    䜐久間浩䞀40代独身。独立倱敗の出戻り䌚瀟員。仕事も恋愛もスマヌトにこなせない男が、痛い本音を晒す゚ッセむ連茉『スナックゆき』。カりンタヌの片隅で䞀杯飲んでいきたせんか。初の曞籍『スナックゆきで、䞀杯だけ』初版100郚・金箔抌ししおり付き予玄受付䞭。

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