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Quantum Observation Lab通信Vol.30 『観測は世界を変えたのか』

    Quantum(量子)Observation(観測)Lab(研究所)量子という目に見えない世界を観測により具現化する研究所として、発信していこうと思います。

    略するとQOLとなり「Quality of LIFF(生命の質)」にも繋がります。
    今回は『観測は世界を変えたのか』です。

    前回の記事では、「存在とは何か」というテーマについて考えました。

    細胞は顕微鏡が発明される前から存在していました。
    銀河は望遠鏡が発明される前から存在していました。
    ニュートリノも、人類が発見する遥か以前から宇宙を飛び続けていました。

    つまり、観測によってそれらが生まれたわけではありません。
    存在は最初からそこにあったのです。

    では、観測によって変わったものは何だったのでしょうか。
    世界そのものは変わっていません。
    変わったのは、人類の認識です。

    顕微鏡によって細胞が見えるようになったとき、人類は初めて生命を構成する最小単位の存在を知りました。
    それまで病気は呪いや神の意思として解釈されることもありました。
    しかし細胞や細菌の存在が分かることで、衛生学や医学が発展し、多くの命が救われるようになりました。

    望遠鏡も同じです。
    夜空に見える星は昔から変わりません。
    しかし観測技術が進歩することで、人類は地球中心の世界観から宇宙規模の世界観へと認識を広げていきました。

    私たちが住んでいる世界は変わっていません。
    しかし私たちの頭の中にある世界地図は大きく書き換えられました。

    ここで興味深いことがあります。
    観測によって変わるのは認識ですが、その認識の変化はやがて現実そのものを変えていきます。

    細菌を知ることで衛生管理が生まれました。
    電磁気の法則を知ることで電気を使えるようになりました。
    重力を理解することで人工衛星を打ち上げられるようになりました。
    世界に新しい法則が生まれたわけではありません。

    もともと存在していた法則を理解し、利用できるようになったのです。
    この流れを整理すると、
    観測→認識→行動→現実という流れになります。

    観測によって認識が変わる。
    認識が変わることで選択が変わる。
    選択が変わることで行動が変わる。
    行動が変わることで現実が変わる。

    人類の進化とは、この連続だったのかもしれません。

    ここまでのシリーズで探究してきたテーマも、実は同じ構造を持っています。
    エネルギーもそうでした。
    エネルギーとは「変化を起こす可能性」でした。
    しかしエネルギーを持っているだけでは何も起きません。
    ガソリンが満タンでも、車は走りません。
    法則を理解し、方向を決め、実際に動いたときに初めて変化が生まれます。

    生命も同じでした。
    生命は情報とエネルギーを利用しながら秩序を維持しています。
    しかし生命はただ存在しているだけではありません。
    環境と相互作用しながら変化し続けています。

    AIについても同じことを考えました。
    AIは膨大な情報を扱います。
    しかし情報を持つことと、その情報を生きることは違います。

    サーフィンの理論を知ることと、実際に波に乗ることは違います。
    物理法則を知ることと、その流れを使いこなすことも違います。

    観測とは知識を増やすことではなく、世界との関わり方を変えることなのかもしれません。

    人類の歴史を振り返ると、それは観測範囲の拡張の歴史でもありました。
    肉眼しかなかった時代。
    顕微鏡の時代。
    望遠鏡の時代。
    電子顕微鏡の時代。
    粒子加速器の時代。

    私たちは観測できる範囲を広げることで、世界の理解を深めてきました。
    そして観測範囲が広がるたびに、使える法則も増えてきました。

    ある意味で観測とは、宇宙の取扱説明書を少しずつ読み解いていく行為なのかもしれません。

    しかし、ここでさらに問いが生まれます。
    同じ景色を見ても、見えるものが違う人がいます。
    同じ出来事を経験しても、受け取る意味が違う人がいます。
    同じ情報に触れても、気付く人と気付かない人がいます。

    それはなぜなのでしょうか。
    観測によって認識が変わるのだとしたら、その認識を生み出している「観測する自己」とは何なのでしょうか。

    次回は、「観測する自己」について考えてみたいと思います。

    今までのテーマのバックナンバー
    vol.1『観測する自己を上げること』
    vol.2『見ている先の情報が入ってくる』
    vol.3『空間を意識する』
    vol.4『結果に反応しない』
    vol.5『無思考の潜在意識がもたらす影響』
    vol.6『仕方ないからの脱却』
    vol.7『振り返り、カタチにする』
    vol.8『アフォーダンスと観測』
    vol.9『情報の地と図を動かす』
    vol.10『流れは行き先を知っている』
    vol.11『地下の見えない世界が地上の見える世界を守っている』
    vol.12『今までの延長線上にない”これから” 』
    vol.13『 回転と光の照射』
    vol.14『エネルギーの流れを見ようとする』
    vol.15『強みを抽出する』
    vol.16『偶察力』
    vol.17『”ない”に潜むチャンス』
    vol.18『エネルギーとは何か?』
    vol.19『エネルギーの差が流れを生み出す』
    vol.20『物理法則と共に生きる』
    vol.21『私たちは何を見ているのだろう』
    vol.22『情報は世界を書き換える』
    vol.23『生命とは情報とエネルギーである』
    vol.24『生命はなぜ秩序を維持できるのか?』
    vol.25『生命とAI ~似ているからこそ違いが見えてくる〜』
    vol.26『記憶とは?』
    vol.27『ホログラムを生み出す脳』
    Vol.28 『観測することで世界は生まれる』
    Vol.29 『存在とは何か ~観測できる世界、観測できない世界~』

     
     

    SAEKO

     
     
    一般社団法人Quantum Observation Lab代表理事/Splus代表|身体・意識・環境を軸に、人と世界の本質を探究。学びと実践を重ねながら、人の可能性を広げる仕事をしています。

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