
九州の海と山の景色に思い馳せる 日本最長片道きっぷの旅#4
最も経路が長い片道きっぷで日本全国を巡る「日本最長片道きっぷの旅」。今回は、海と山の景色に思いを馳せながら九州の東側を北上した、3日目の記録をお届けする。
鹿児島中央▷仙巌園
この日の旅の始まりは鹿児島中央駅から。昨年(2025年)3月に開業したばかりの仙巌園駅まで乗車する。錦江湾越しの桜島が見えてくると間もなく仙巌園駅に到着である。

鹿児島本線・日豊本線 6928M
817系 クモハ817-525


仙巌園
仙巌園駅で途中下車し、その駅名にもなっている仙巌園へ行った。とはいえオープンまでまだ時間があったので、それまで周辺を散策した。





いまは博物館になっている

せっかくなのでお参りした
9時の営業開始とともに仙巌園へ入場した。仙巌園は薩摩藩主である島津氏の別邸で、19代当主の島津光久が築いたそう。桜島の景色を取り入れた大名庭園でもあり、迎賓館としての役割も担っていたのだとか。
入って最初の場所には集成館の反射炉跡がある。これは鉄製の大砲鋳造に必要な反射炉として最初に完成したもので、世界遺産である明治日本の産業革命遺産の構成資産にもなっている。

その先に仙巌園の正門があり、鋳門を過ぎると御殿が現れる。御殿には中庭もあり、時代劇に出てくるような雰囲気で風情がある。
縁側からは庭園の先に錦江湾と桜島を望む美しい景色が広がっていた。縁側のすぐ隣には謁見の間や島津忠義の居室があり、当時の人々もこの景色を見ながら過ごしていたのだろうかと思いを馳せる。










ここに来た人々は桜島の景色に心を打たれていただろう


島津氏はこの美しい景色を見て何を思っていたのだろう


1814年に3900人がかりで刻まれたそう




仙巌園▷吉松
仙巌園は入場料が1500円で少し高いと感じていたが、それを払う価値のある良い場所だった。
そんな仙巌園を後にして、仙巌園駅から再び日豊本線の列車に乗り、次の乗換駅である隼人駅へ向かった。仙巌園駅から重富駅あたりまでは、車窓から錦江湾越しに桜島を見る綺麗な景色が広がっていた。

日豊本線 6932M
817系 クモハ817-1502

隼人駅では肥薩線に乗り換え、終点の吉松駅まで乗車した。1両のディーゼル車両で運行されるローカルな列車に揺られ、のどかな風景が広がる中を進んでいく。
途中の嘉例川駅と大隅横川駅には、1903年の開業当時から残る、国の登録有形文化財にもなっている県内最古の木造駅舎があり、レトロな雰囲気が漂っていた。大隅横川駅には駅の柱に第二次大戦中の機銃掃射の跡も残り、歴史の重さを感じさせられる。



肥薩線 5224D
キハ40系 キハ40-8064









吉松
吉松駅では1時間半程の乗継時間があった。駅から徒歩圏内にはこれといった観光地は無いが、駅前にはSL (C55 52) が保存されていて、隣には食事が摂れる観光SL会館がある。ちょうどお昼時でもあったので、SLの保存されている広場を軽く散策してからそこで昼食を摂った。




この頃の吉松は鉄道の街だったのだろう




昼食を摂ってもまだ少し時間があったので駅の周辺を散策した。近くには川内川が流れていて、橋の上から川の先に霧島連山を望めた。
川内川から駅に戻る道中には鉄分濃いめな建物を見かけた。特に店などが営業している感じは無かったが、残っている表記類を見たところ昔はお土産屋だったようだ。


吉松▷高鍋
吉松駅からは吉都線の列車に終点の都城駅まで乗る。車両は先ほど肥薩線で乗ったのと同じだった。
列車は霧島連山の麓の盆地を走り、車窓には進むごとに角度を変えながら霧島連山の山々が映る。ローカル感も相まって、今回の旅で今のところいちばんの列車だ。


吉都線 4924D
キハ40系 キハ40-8064





終点の都城駅では、鹿児島中央から来る日豊線の特急きりしま号に乗り換え、宮崎県を北上していく。都城駅を出るとその先は山がちな大自然の中を走っていくが、やがて住宅街に入り、南宮崎を出て大淀川を渡ると間もなく宮崎駅に到着した。

日豊本線 6012M 特急きりしま12号
787系 モハ786-4

この日は別府温泉に泊まりたかったのでさらにまた別の特急列車で別府まで行くが、宮崎駅から特急列車に乗ってしまうと宮崎県内はどこも立ち寄らず通過になるので、宮崎駅で隣に停まっていた普通列車に乗り換え、駅近くに日向灘の海岸がある高鍋駅へ向かった。

日豊本線 750M
817系 クモハ817-1506

高鍋
高鍋駅では後続の特急列車まで20分ほどしか無いが、宮崎の海を眺めたいと思い、駅近くの蚊口海浜公園へ行った。この日の海は波が立っていて迫力があった。曇っていたので青く映える海は見られなかったが、無事に日向灘の風を感じられた。

高鍋▷別府
そして高鍋駅から特急にちりんシーガイア号に乗り一気に別府まで向かった。
高鍋駅から暫くは海沿いを進み、ところどころで車窓に広がる日向灘の海を見ることができた。都農駅を過ぎるとリニアモーターカーの実験線跡も見えてくる。門川駅を過ぎ門川湾を車窓に見ると列車は海を離れ、延岡駅の先では山がちな中を進む。外が暗くなってきた頃に宮崎県と大分県の境を越え、別府に着く頃には外は真っ暗だった。

日豊本線 5014M 特急にちりんシーガイア14号
787系 サハ787-211







別府
別府は九州屈指の温泉地ということで、この日は別府温泉の宿に泊まった。別府駅すぐの場所にある別府八湯御宿野乃別府で、ドーミーイン系列なので夜鳴きそばも愉しめた。
別府では夕食にとり天を食べたかったが、にちりんシーガイアが着く頃には居酒屋以外の食事処は殆ど閉まっていたので、この日の夕飯はスーパーの唐揚げと宿の夜鳴きそばになった。



弱酸性で微弱白濁とあるが実際は無色透明に見えた


3日目のまとめ

列車乗車本数: 7 本
乗車営業キロ: 399.2 km
費用: 15,587 円
訪れた観光スポット
磯海水浴場
仙巌園
観光SL会館
蚊口海浜公園
別府八湯 御宿 野乃 別府
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