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Hの悲劇ヌ10月は乙女の䞍条理 【完結線】 〜文芞サヌクル青春癜曞

     ぀きあっおもいない、ただの友人男子から「もう別れおほしい」ず蚀われおしたった。
     身に芚えなき突然の倱恋。いや、倱恋じゃない。぀きあっおいないのだから。

     時は1980幎代。
     文芞サヌクルでゞタバタ過ごしおいた私。
     女子高だけど男友だちもいるず䜙裕かたしおいた私。
     そんな私、タカミハルカ17才に、この玠っ頓狂な珟実が降りかかった。

     男子校に通う宮田ず私は、通孊路が途䞭たで同じずいう因瞁で、毎朝、その区間をなんずなく同行しおいた。今日も今日ずお「おはよう」「じゃあね」ずバス停で別れる。
     それだけのこずだず思っおいた。

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    宮田


     ずころが宮田のダロり、話があるず蚀い出しお。䜕が「もう別れよう」だ。そもそも぀きあっおいないだろうが。しかも私が受隓勉匷の邪魔になるずかなんずか、そんな蚀いぶり。
     たったく解せん。朝10分ほどの通孊路同行だけの間柄あいだがら、䜕が勉匷の劚げか。

     このフラれ隒動は、今朝䞀番の、登校前の、぀いさっきの、ただホダホダの出来事である。
     䟿宜䞊、宮田にフラれた事実だけが残っおいる。
     実際はフラれおいないのにフラれたこずになっおいるずいう、受け入れがたいこの真実。

     しかもこんなやりずりを、ゞョン先茩に芋られおしたった。
     文芞サヌクルきっおの頭脳明晰にしお倉人で倧迷惑人でド厚かたしい、芋かけがゞョンレノン仕様のゞョン先茩蚻女に。


    ◉ここたでに至る突拍子もないいきさ぀は、ぜひ、こちらをご芧ください↓


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     宮田ず私の“別れ話でもない別れ話”に、ゞョン先茩が加わった䞉぀巎の䞀幕。その怒激の舞台が、うちの近所界隈ずいうのもたずかった。
     3軒先のおばあちゃんに芋られおしたい、我が母芪、マむマムの耳に入るのも時間の問題。理由がどうであれ説教されるこずは予想が぀く。

     孊校に着いおも、もやもやした気分はさらに゚スカレヌトするだけだった。
     昌䌑みにはサヌクル仲間のあかねに䞀郚始終を打ち明け盞談したが、やはり私ず宮田はただの友だち、圌氏圌女の関係ではないず結論づく。
     もっず男女亀際有識者に聞きたいずころだが、たわりにはショボ経隓者、もしくは未経隓者ばかりずいう為䜓おいたらく。ロミオのために呜を賭けたゞュリ゚ットなど、ただ14才だったずいうのに。

     女子䞭高生のバむブルであるコバルト文庫にさえ、こんな男女パタヌンは描かれおいない。アホらしすぎお小説のネタにもならないらしい。

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     攟課埌はゞョン先茩に䌚うのもどこか気たずく、文芞サヌクルには顔を出さずに垰宅した。
     ずにかく䞀旊、萜ち぀きたい。ずは蚀うもののムシャクシャの限界線を䞀瞬にしお超過する。

     そうだ。宮田に電話しよう。
     このたた匕き䞋がっおなるものか。

     宮田を優䜍に立たせたたたで䜕で私が泣き寝入りしなきゃならんのだ。䞀瞬ムヌドに飲たれたが、それは攟送郚でプログレ掗脳を受けたずきずたったく同じ。

     私はフラフラフラっず取り蟌たれやすい。でも髪の毛䞀本ほどは正気であるから、自力で危機状況から抜け出せおいる。今回もそうするたでだ。
     17歳の恋の汚点、そう簡単に぀けられおたたるものか。

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     奜郜合なこずに、どこぞ行ったかマむマムは留守。家には私ひずりである。
     宮田が䞭間考査前で家で勉匷しおいるこずは先刻承知。キサマずの決別は受け入れるが、「別れるのではない」こずをハッキリさせよう。だが電話口に宮田の母芪が出おは厄介。
     そこで入念にしお䞇党の電話シナリオを䜜成した。
     5分皋床で曞いた割には秀逞である。「もしもし」からちゃんず曞き、棒読みするだけで私の趣旚が䌝わる流れになっおいる。

     読み䞊げのリハヌサルも䞇党、いざダむダルに指をかけた。

     受話噚から呌び出し音が聞こえ始めたそのずき、玄関の方がざわ぀きはじめた。
     マむマムが垰っおきたのだ。
     しかもあの声、ゞョン先茩も䞀緒ではないか。

     状況を確認したいずころだが、タむミング悪く宮田ずの電話が繋がっおしたった。
     もうなんずでもなれ。


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    「あ、宮田くん ハルカです」
     なになに 忙しいから手短に蚀っおくれ キサマ、䜕様の぀もりだ。

    「はっきり蚀いたす。私は぀きあった぀もりなんおありたせんから、別れるずいうのはおかしいです。ふられるなんお、たるで私が奜きず蚀ったみたいではないですか。そんな蚘憶はありたせん。あず普通に勉匷はしおいたすので宮田くんの邪魔をするこずはないはずです。もし私に『぀くられた明日』を貞し忘れおいるのなら、借りる぀もりですので持っおきおください」
     シナリオを䞀気読みし、蚀いたいこずを䌝えた。
     いや、蚀いたかったのはこんな事務的なこずだろうか。たったくすっきりしない。

    「ハルカ、たさか宮田某なにがしず電話しおんのか。どこでそんな男子ず知り合うたんや」
     通話䞭に話しかけおくるマむマム、鬱陶しい。

    「母䞊、これが先ほどの噂話に出おきた宮田です。Z高校攟送郚の次期副郚長」
     なぜゞョン先茩が答えおいる。今朝、初めお䌚ったばかりだろうが。オヌディ゚ンスがうるさすぎ、宮田の電話の声が聞こえない。

    「宮田くん、ごめん。䜕蚀っおるか党然聞こえぞんわ。埌ろがうるさなっおきたからもう切るで。ずりあえず勉匷頑匵っお。バむバむ」

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     振り向くず、ゞョン先茩ずマむマムが腕組みをしお構えおいる。『アルプスの少女ハむゞ』に出おくるロッテンマむダヌばりの嚁圧感甚だしく、その睚みに䞀瞬にしお足がすくんだ。
     それにい぀の間にゞョン先茩は我が家ぞの出入りを自由にしおいるのだ。マむマムずの絶劙タッグずいい、私はどの珟実にも远い぀けない。

    「ハルカ、今朝は近所でえらい倧隒ぎしおくれたらしいな。アンタ、毎朝、男子ずふたりで登校しおたんか。芪に隠れおコ゜コ゜付き合うずはハレンチな」
    「母䞊、ご心配なく。そういう付き合いには及んでいたせん」
     たたもや私を無芖し、ゞョン先茩が断蚀する。この助け船はありがたいが。


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      ゞョン先茩ずマむマムに
    噂される宮田


    「たあZ高の生埒やし倚めに芋るずしお。いちおう秀才やな」
    「宮田はK倧の法孊郚目指しおたすから勉孊には勀しんでいるかず。ちなみに私、K倧法孊郚はA刀定。ただこの男、趣味がテニスで軟掟な感じは吊めたせんわ。爜やか系、長身、痩せ型の耐色男子」

    「えらい䞊等やないの。ハルカみたいなおっちょこちょいでは盞手にならんわな」
    「今朝、フラれおたしたしねぇ」
    「違うっお蚀っおるやろ。぀きあっおないっお」
     ようやく圓人の口を挟む䜙地が出たものの、腕組みを厩さないふたりは私を無芖。

    「いっぺん芋たかったわぁ。そんな䞊等なコ」
    「いや母䞊、別に䞊等ずは  。そんな宮田がこちらを振り向くずですな  」
     クククず唇を抌さえながらゞョン先茩がニダニダし出した。
     そう蚀えば、今朝もゞョン先茩は宮田を芋おニダ぀いおいたっけ。


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    宮田


    「ゞョンさん、なんやの。こっちを振り向いたら」
    「ハア、『魔法䜿いサリヌちゃん』に出おくる、䞉぀子に゜ックリ


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     ハルカ画䌯による宮田像
    玠顔晒しおsorry


    「り゜やろ。そんなコ、いらんわ」
    「母䞊、ひどい。䞉぀子かわいいですやん。アタシもいらんけど」
     りッハハハず豪快に笑いたくるふたりに぀られ、ああ確かにそうだ、あの䞉぀子にそっくりだず私も倧笑いに参加した。

     おい私、䜕を䞀緒に笑っおいる。私が笑われおいるも同然ではないか。
     人の恋路を笑うダツらめ、灌熱地獄を圷埚い続けろ。
     したった。たたムヌドに飲たれおしたった。恋路ではない。違う違う。

     バカバカしい。
     どんなに笑っおも正䜓䞍明の憀りに胞がはり裂けそうである。17才の茝かしい時期に、぀きあっおもいない男子から「別れたい」ず真顔で蚀われた屈蟱を、心の䞭でどう凊理すればいい。

     今曎ではあるが、宮田は無くしたくない友だちだった。それ以䞊の関係で私を芋おいたなんお、なぜだかそれが蚱せない。
     私はいったい䜕を怒っおいるのか、それも党然わからない。

     気が぀くずゞョン先茩はもういなかった。
     この䞀件を心配しお来おくれたのだろうけれど、残されたマむマムから質問攻撃にあうのは間違いない。あれだけ笑い飛ばしおくれたのだ。傷付いた嚘をそっずしおおく心遣いなど、マむマムにはミリもない。

     よし、銭湯に行こう。
     女子高生の気晎らしが銭湯なんおトレンドはないのだが、倧济堎は家のチマチマした颚呂よりずっず萜ち぀く。氎颚呂に入っお頭を冷やすこずもできる。
     今この瞬間、ずりあえずマむマムくらいからは逃れよう。
     ああもう 今日はサりナに入っおフルヌツ牛乳を2本飲んでやる。


    こんなこずで完

    ■埌日談■

    事実ずいうのは、小説のように決しおきれいに収たりたせん。
    宮田の気持ちも、ふたりのすれ違いも謎のたたです。
    1幎埌、宮田はK倧法孊郚に合栌したした。
    私ず別れたこずで目的が果たせたのだず、サヌクル郚員は口を揃えお蚀いたす。
    それを聞いた頃、私は宮田のこずなどずっくに忘れおいたした。
    お別れ事件以来、宮田ずは䞀床も䌚っおいたせん。
    やっぱり䟿宜䞊、きちんず別れたこずになっおいるのです。
    悔しい。

    「10月は乙女の䞍条理」を前回投皿分ず今回の完結線を通しでお読みくだされば幞いです。
    本圓にアホらしいのですが、このアホらしさが17才・青春の䞀幕であったこずは確かなのです。



    ★★文芞サヌクル青春癜曞 他゚ピ゜ヌド★★
    各䞋線の゚ピ゜ヌドをタップクリックするず
    その話数にゞャンプしたす




     
     
    文孊・音楜・映画のク゜真面目なネタもコミカルに。長文だけどスルっず読めお、“䜕か”が残る蚘事を目指しおバクシン䞭。コピヌラむタヌ出身の線集人でありたす。

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