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「台風が来なくてよかったですね。」漁師さんの答えは意外だった。(#264)

    「今年は、台風が来なくてよかったですね。」

    先日、漢方相談のお客さまである
    地元の漁師さんに何気なくそう話しました。

    すると、少し困ったような顔をして、
    こう言われました。

    「そうでもないんですよ。」

    正直、意外な答えでした。

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    台風が来ない海で起きていたこと


    漁師さんは続けました。
    「今、赤潮が出ているんです。」

    赤潮が出ると、漁に影響が出るそうです。

    そして漁師さんは、こんなことを教えてくれました。

    「台風に、海をかき混ぜてもらわんと。」

    台風の強い風によって、
    海の上下の水が混ざり、
    水温や酸素、栄養塩などの環境が
    変わり、赤潮の状態に
    影響する場合もあるそうです。

    もちろん、
    自然界のはたらきは複雑ですので
    台風が来れば必ず赤潮が減る、
    という単純な話ではありません。

    海域や条件によって、影響は違います。

    でも私は、

    漁師さんの話を聞くまで、
    考えたこともありませんでした。

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    「台風が来ない=良いこと」と思っていた


    台風は、大きな被害をもたらします。

    九州が拠点の私たちの会社も
    幾度となく被害にあっています。

    ある店舗は膝上まで浸水しました。
    私の実家も床上浸水したことがあります。
    オープンしたばかりの私たちの施設
    くすきの杜の植栽がなぎ倒されたこともあります。

    だから、
    できれば来てほしくない。
    その気持ちは、今も変わりません。

    でも私は、
    台風は、誰にとっても嫌なもの
    と、決めつけていたことに気づきました。

    漁師さんには、

    私には見えていなかった
    反対側が見えていたと思いました。

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    陰陽は、「善悪を逆転する」考えではない


    東洋医学の根幹には、「陰陽」
    という見方があります。

    ものごとには
    陰の面も、陽の面もあります。

    ただ、陰陽は、
    悪いと思っていたものを、
    良いものに思い直すための
    考え方ではありません。

    一つの現象を、一つの面だけで
    決めつけない。
    反対側にも目を向けてみる。

    そんな見方です。

    台風による被害は、
    なくなるわけではありません。

    でも、台風の被害だけを見ていると
    見えなくなるものもある。

    漁師さんの一言で、
    そんな大切なことを教えて頂きました。

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    身体を見るときも、同じことがある


    これは、
    漢方相談でもよく感じることです。

    「冷えは悪い。」
    「熱は悪い。」
    「下痢は止めた方がいい。」

    辛い症状のネガティブな面だけを見ていると

    身体が伝えていることを
    見落とすことがあると思うんです。

    冷えがなければ血行不良や代謝の悪いところに気づけないかもしれません

    熱がでなければウイルスをやっつけることができないかもしれません。

    下痢をしなければ、悪いものを身体に留めることになるかもしれません。

    「この症状の反対側は?
    なぜ、今それが起きているのだろう。」

    私は、そこを大切にしています。

    自然も、
    身体も、

    「良い」「悪い」
    だけでは分けきれない。

    その人、
    その場所、
    その時によって、
    見え方は変わります。

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    今回の問い


    「今、私に見えていない 反対側はなんだろう?」


    台風を好きになったわけではありません。
    被害は、ない方がいいです。

    ただ、自分には、
    一面しか見えていなかったことを
    地元の漁師さんに気づかせて頂きました。

    僕は、つらい被害があったとき
    反対側をみることで今までやってこれました。


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    【併せて読みたい】

    古代エジプト人はナイル川の氾濫に感謝していた?
    ナイル川の定期的な氾濫が土に栄養をはこび農業を支え、
    人々の暮らしの基盤になっていたという話です


    吐いたり下したり、そんなつらい症状が漢方治療の目的だった?
    そんなことをテーマに書いた記事です。

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    〖この記事について〗

    この記事は、東洋医学の「陰陽」という考え方をもとに、自然や身体の見方について書いた読み物です。
    台風は大きな被害をもたらす自然災害であり、その被害を肯定する意図はありません。
    また、台風と赤潮の関係は、海域・水温・栄養塩・プランクトンの種類など複数の条件によって異なり、「台風が来れば赤潮が必ず抑えられる」というものではありません。

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    〖参考・考え方〗

    ・東洋医学における陰陽論
    物事を一つの面だけで決めず、反対側や関係性も含めて見る考え方を参照。
    ・海洋学・漁業における台風時の鉛直混合と海況変化
    台風による強風が海水を混合し、海況や赤潮に影響する場合があるという知見を参照。
    ・中庸道™
    人生デザイン大学校®︎ 学長・高衣紗彩先生から学んだ思想を参照。

    ※自然科学部分は、特定の海域ですべて同じ現象が起こることを示すものではありません。

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    #健康

     
     
    漢方相談30年|東洋医学・陰陽論を暮らしに翻訳する人 佐賀県伊万里市「くすきの杜」で、日々漢方相談しています。 一人ひとりに向き合い、症状だけではなくその人全体を見ることを大切にしてきました。 東洋医学の根幹である「陰陽論」を日常や暮らしに活かせる言葉に翻訳して発信しています。

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