
[log_011] Women In Music - EQUAL STAGE @SGCホール有明
🎼 音浴ライブログとは
ライブ会場の熱気や空気感を記録(ログ)し、ライブの没入体験を通じて「人生」や「ウェルビーイング」について考察します。
*公演内容に言及しておりますので、あらかじめご承知おきください。
🎤 一夜限りのコラボレーションステージ
前日のジャパニーズ・ヒップホップ40年以上の歴史を称えるトリビュートセレモニー「THE SUCCESSOR」では、Awichに触れることが何度もありました。現在のシーンを代表する女性ラッパーとして繰り返し名前が挙がる存在。
日本人女性ラッパーの代表格を、自分の目に刻む。
それが、「THE SUCCESSOR」を本当の意味で締めくくることになるのではと、感じていました。
そして、そのAwichと同じステージに立つのが、新しい学校のリーダーズ、羊文学、LANA。それぞれが全く異なるジャンル、全く異なるスタイル、世代も異なる女性アーティストたちが一夜に集まるという意味で、特別なイベントです。
会場はSGCホール有明。MUSIC AWARDS JAPAN WEEK(6月5日〜13日)の一環として開催される、Billboard JAPANとSpotifyによる一夜限りのコラボレーションステージです。
💡 MUSIC AWARDS JAPAN WEEK SPECIAL LIVE「Women In Music – EQUAL STAGE」とは
「Women In Music – EQUAL STAGE」は、Billboard JAPANとSpotifyが初めてタッグを組んだ一夜限りのコラボレーションステージです。
Billboard JAPANが2022年より始動した「Billboard JAPAN Women In Music」は、自身の活動を通じて社会をエンパワーする女性たちを多角的に紹介し、よりインクルーシブな社会を目指すプロジェクト。Spotifyのグローバルプログラムである「EQUAL」は、女性アーティスト・クリエイターの表現の機会を広げ、継続的にサポートするものです。
MUSIC AWARDS JAPANは、2025年に初開催されたアーティスト、クリエイター、レコード会社スタッフ、コンサートプロモーター、音楽出版社、海外音楽賞審査員など、各分野の音楽関係者より構成される5,000名以上の投票メンバーにて厳正なる投票を行ない、受賞作品/アーティストを決定する音楽賞です。
MUSIC AWARDS JAPAN(MAJ)の主催は、国内音楽業界の主要5団体(日本レコード協会、日本音楽事業者協会、日本音楽制作者連盟、日本音楽出版社協会、コンサートプロモーターズ協会)が垣根を越えて設立した一般社団法人CEIPA(カルチャーアンドエンタテインメント産業振興会)です。
MCは、mikako(Nagie Lane)と名越 涼。
転換ごとに各アーティストのインタビュー映像が流れ、パフォーマンスの前後に彼女たちの言葉が届けられる構成でした。
ARTIST: 新しい学校のリーダーズ / Awich / 羊文学 / LANA
— 新しい学校のリーダーズ —
「個性や自由ではみ出していく」をコンセプトに2015年に結成された、4人組ダンス&ボーカルユニット。 SUZUKA、MIZYU、RIN、KANONの4名からなり、セーラー服を身にまとい、型にはまらないエネルギッシュなパフォーマンスで国内外のファンを魅了。
2020年リリースの代表曲「オトナブルー」は、サビの首振りダンスが話題となり、バイラルヒット。ストリーミングは1億回再生を超えています。紅白歌合戦にも出演。2024年には、Coachella FestivalのGobiステージのクロージングアクトを、2週連続単独出演を果たすなど、グローバルな活動を本格化。
昨年のAURORAの単独公演でスペシャルゲストとして観て以来、初めての単独ステージです。
トップバッターとして登場した、新しい学校のリーダーズ。ノンストップ約30分、多様なジャンルの楽曲を全力のダンスパフォーマンスと完璧なコーラス・ボーカルで届け続けました。あそこまで激しいダンスをしながら、息切れがマイクに入らない。観ているだけで圧倒されます。
ステージを目一杯使って観客を盛り上げる動きも特徴的で、大ブレイクのきっかけとなった「オトナブルー」では冒頭に「新しい学校」のコール&レスポンスで会場を一体化。5月に発表したばかりの新曲「Chanka Chanka」も披露されました。
昨年のオーロラ公演でのスペシャルゲスト出演は、コラボレーションの1曲のみでしたが、今回は約30分のステージ。改めて、表現の幅の広さと完成度の高さを実感しました。
パフォーマンス後のインタビュー映像では、「”はみ出し”の哲学」について語られました。「"丸出し"ではなく、"はみ出し"。丸出しはルール違反、はみ出しは、守られたルールの中でどれだけ自由に個性と楽しさを見つけるかということ」と語った。ダンスはメンバー自身が創り上げているものでもあり、挑戦すること、クリエイティブであることを体現している、と改めて感じました。
1. Go Wild
2. Chanka Chanka
3. オトナブルー
4. Arigato
5. 乙女の美学
6. Fly High
7. Tokyo Callng
8. One Heart
— 羊文学 —
塩塚モエカ(Vo/Gt)と河西ゆりか(Ba)による、オルタナティブ・ロックバンド。
2020年メジャーデビュー。TVアニメ『呪術廻戦』エンディングテーマとなった「more than words」が、全世界ストリーミング2億再生を突破。2025年には、日本武道館2DAYSや初の欧州7都市ツアーを経て、Netflixシリーズ『九条の大罪』主題歌「Dogs」を発表。MUSIC AWARDS JAPAN 2026では、3部門にノミネートを果たし、Grand Ceremonyにて、パフォーマンスアーティストとして出演が決定。
2月のWet Leg単独公演のオープニングアクト以来の再会です。
前回見た時とはセットリストが変わっており、最新曲「Dogs」も披露。前回よりも全体的にかなり歪んだラウドな仕上がりに感じました。ライブごとに試行錯誤をしているのかもしれません。「doll」や「more than words」ではベースの歪みが特に印象的で、「Dogs」の冒頭はギター、ベース、ドラムが激しくうねるように始まります。
このイベントで唯一のバンドということもあり、ライブバンドらしい攻めたアクトでした。
パフォーマンス後のインタビュー映像では、「若さや勢いだけじゃない、もっと深みのある表現ができるようになりたい」「女性メンバーで構成されるバンドはまだまだ少ない。ぜひ一緒にロックフェスに出たい」という言葉が印象的でした。
1. OOPARTS
2. doll
3. 声
4. more than words
5. Dogs
— LANA —
神奈川県湘南生まれ。 2020年よりSoundCloudに楽曲をアップロードし始め、圧倒的な歌唱力と等身大の歌詞が話題になり、2022年より本格的に活動を開始。ヒップホップ最年少での武道館・アリーナ公演完売という記録を打ち立てました。2026年には自身最大となる50,000人規模のツアーも開催。Awichとも親交が深い。
アリアナ・グランデのように伸びやかな高音、エイミー・ワインハウスのようなハスキーボイスが特徴で、歌唱力抜群です。話している時のフレッシュで可愛らしい声と、ラッパー・ボーカリストとして歌唱しているときのギャップも魅力的でした。
「MY LIFE」では激しいシャウトを聴かせ、「it's okay」ではしっとりと歌い上げます。
最も印象的だったのは、大きな失恋をした時にお母さんに教えてもらったというエピソードとともに披露した、中村あゆみ「翼の折れたエンジェル」のカバー。 中村あゆみのハスキーボイスが印象的な曲ですが、力強いシャウトと伸びやかな高音で、まさに自分のものにした一曲でした。
新曲「Drama Queen」は本格的なR&Bとラップのナンバーで、日本人とは思えないほどの迫力に圧倒されました。
インタビューでは、「今日までの選択で間違えたことは、一個もない」という言葉も印象に残りました。
1. 華
2. No. 5
3. MY LIFE
4. it’s okay
5. 翼の折れたエンジェル
6. Drama Queen
7. Like a Flower
8. L7 Blues
— Awich —
沖縄県出身のラッパー。 ヒップホップクルー、YENTOWNのメンバーでしたが、19歳でのアトランタへの渡米、留学中に出産し、マーケティングと起業学の学士号取得。2020年にメジャーデビュー。2022年の武道館ワンマンライブ以降、ラップシーンを代表する、圧倒的な存在。前日の「THE SUCCESSOR」でも、その名前が何度も語られていました。
21時を回り、最後のアクトはAwich。気合いたっぷりで「Remember」が始まったかと思うと、演奏を一度中断。観客に「音楽で遊ぼう」と呼びかけ、共に音楽で繋がることを求めてから、改めて「Remember」が始まると4階席まで大歓声に包まれました。
「Bad Bitch 美学」では、LANAがサプライズで登場。会場のボルテージは一気にMAXへ。
そしてここで、Awichからのメッセージがありました。
「14歳からラップをやって、一度デビューしたが、10年音楽をやめて、再デビューした。女性ラッパーがいなかった時代、控室がなくてトイレで着替えたり、女性が出てくると観客からヤジが飛ぶこともあった。でも今は、女性ラッパーが増えた。続けてきて良かった。諦めなければいつでもリベンジできる、そう思って書いた曲。」 その言葉とともに届けられた「Revenge」の、シリアスな楽曲の中に込められた力強いメッセージが、胸に深く響きました。
続く「TSUBASA」では、Awichの娘・Yomi Jahとのコラボが実現。親から子へと受け継がれる音楽の素晴らしさ、ステージの上で目の当たりにした瞬間でした。
ラストは「Bad Bad」で終幕かと思いきや、「本当はこれで終わりなんだけど、もう一曲やっていいですか」とAwich。伝説的ヒップホップグループWu-Tang Clan。その創設メンバーであるRZAがプロデュースしたアルバム『Okinawan Wuman』から、「A Woman Hung Up」を披露。Wu-Tang Clanの来日公演でオープニングアクトも務めたAwich憧れの存在とのコラボレーションは特別な思いがありました。
「複雑な環境の中、生きてきた自分のストーリーや哲学を英語で伝えたい。字幕も翻訳も用意したから楽しんで欲しい」という言葉とともに届けられたその一曲に、日本の女性ラッパーを牽引する存在感と力強さを感じました。
1. Remember
2. どれにしようかな
3. RASEN in OKINAWA
4. LONGINESS REMIX
5. Bad Bitch 美学
6. Revenge
7. TSUBASA
8. Bad Bad
9. A Woman Hung Up
🔗 「カルチャーを紡ぐ」ということ
前日のTHE SUCCESSORでは、ジャパニーズ・ヒップホップのパイオニアたちが「好きでたまらなかった、それを続けていたらカルチャーになった」と語っていました。そして、この4組の語る言葉もまた、その延長線上にあるものでした。
Awichは、女性ラッパーがいなかった時代に、ヤジを浴びながらも続けてきた。諦めなければいつでもリベンジできる。 その信念が、自分自身を支え、周囲をエンパワーメントしています。また、「TSUBASA」で娘・Yomi Jahとステージに立ったAwichの姿は、その継承を目に見える形で示していました。
カルチャーを紡ぎ続けること、メッセージを後世に伝えていくことの深さと大切さを、この2夜を通じて改めて感じました。ジャンルも世代も異なるアーティストたちが、それぞれの形でそのことを伝えてくれた2日間でした。
🌴 おわりに
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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