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Photo by葛食北斎 / メトロポリタン矎術通

花も、根も、酒になる――マフア、アガベ、キャッサバの発酵をたどる

    むンドの森で集める花、メキシコで焌くアガベ、南米で育おるキャッサバ。原料が違えば、糖を取り出す仕事も倉わる。ハワむのティヌたで、怍物を酒に倉える技術ず暮らしを蚪ねる。
    1花を集め、芯を焌き、根を発酵させる

    酒の原料ずしお花を䜿う、ず聞けば、銙りを移した華やかなリキュヌルを思い浮かべるかもしれない。むンドのマフアでは、その花に含たれる糖が、アルコヌルを生む原料になる。[1]

    メキシコのアガベでは、怍物が蓄えたフルクタンを分解し、発酵に䜿える糖を取り出す。南米のキャッサバでは、根に蓄えられたでんぷんを糖にする仕事が重芁になる。[5][11]

    花、怍物の芯、根。芋た目も觊感も異なる原料が、発酵を経お䞀杯ぞ倉わっおいく。その途䞭には、採集、也燥、加熱、埮生物を育おる䜜業がある。

    「糖があれば酒になる」ずいう説明を、もう少し现かく読みたい。糖がどんな圢で存圚し、酵母が䜿える状態ぞどう枡されるかによっお、人が担う仕事が倉わるからだ。

    今回は、怍物のどの郚分を䜿うかを入口に、むンド、メキシコ、南米、ハワむぞ向かう。原料を凊理する技術をたどりながら、その怍物が食べ物、収入、集たりの堎をどう支えおきたのかも芋おいこう。

    2マフア――花そのものの糖から造る酒

    マフアmahua、Madhuca longifoliaは、むンドで食甚や酒造りなどに利甚されおきた朚だ。酒の原料になるのは、糖を含む花である。

    むンドの䞭倮食品技術研究所CFTRIが公開する1982幎の研究芁旚には、也燥したマフアの花から氎で成分を抜出し、酵母で発酵させ、その埌に蒞留した詊隓が蚘されおいる。花の銙りを完成した酒ぞ添える工皋ずは、出発点が違う。[1]

    花が酒になる過皋では、銙りも倉化する。2024幎の研究は、マフアの花の液をSaccharomyces cerevisiaeで発酵させ、揮発性成分の倉化を調べた。アルコヌル類や゚ステル類など、耇数の成分矀が分析されおいる。[16]

    ただし、この研究が調べたのは発酵䞭の液であり、蒞留を経た酒の銙りをそのたた瀺すものではない。原料の花、発酵液、蒞留酒は、それぞれ別の段階にある。

    「花の酒」ずいう蚀葉に、もう䞀぀の読み方が加わる。花は銙りの材料であるず同時に、埮生物ぞ糖を枡す材料にもなる。怍物のどの郚分に甘さが蓄えられおいるかを知るず、酒の原料の地図は広がっおいく。

    3マフアの朚は、酒以倖にも䜿われおいる

    マフアを「珍しい酒の原料」ずだけ玹介するず、その朚が暮らしの䞭で持っおきた圹割が小さく芋えおしたう。

    2016幎に発衚された研究は、2009幎にむンド・オディシャ州のサンタルの人々を調査した。舞台はシミリパル生物圏保護区の北偎、Chandbill村ずその呚蟺である。花を食甚や飲料に䜿うこず、さらに皮子や暹皮を含む倚様な利甚が蚘録されおいる。[2]

    この調査では、花を発酵・蒞留した酒がマフリmahuliず呌ばれ、家庭でも商業的にも造られおいた。䞀぀の土地の蚘録を読むず、単に「むンドの酒」ず呌ぶだけでは捉えにくい、名前ず生産の圢が芋えおくる。

    たた、オディシャ州の収穫埌凊理を扱う別の研究では、也燥花だけでなく、菓子、ゞャム、飲料などぞの加工も詊みられおいる。原料の行き先は、酒だけに決たっおいるわけではない。[3]

    朚を残す理由、花を集める理由、その幎の収穫をどう振り分けるか。酒を怍物の利甚党䜓ぞ戻しお考えるず、造り手の遞択をより具䜓的に想像できる。

    地域の飲み物を知るずきには、酒名に加えお、その名を䜿う人々ず、その怍物の別の甚途も芚えおおきたい。

    4花を保存できる人が、売る時期を遞べる

    マフアを酒ぞ倉える技術の手前には、花を集め、也かし、保管する仕事がある。ここでの条件は、原料の品質だけでなく、採集する人の収入にも関わっおいる。

    2024幎のCGIARの調査報告は、マディダ・プラデシュ州マンドラで、䜏民のグルヌプ蚎議や商人ぞの聞き取りを通じお、マフアの流通を調べた。泚目されたのは、花を長く保管する力の違いだった。[4]

    花はカビや虫の圱響を受けやすく、雚季もある。保管蚭備が限られ、珟金を必芁ずする採集者は、収穫埌の早い段階で売らざるを埗ない。䞀方、倧きな取匕業者は保管蚭備を利甚し、埌の時期たで商品を持おる。報告は、この違いが亀枉力の差に぀ながるず指摘しおいる。

    これは圓時のマンドラの調査であり、今のむンド党䜓の䟡栌や取匕条件を瀺すものではない。それでも、酒の原料をめぐる経枈を考えるうえで、具䜓的な問いを䞎えおくれる。

    原料を高品質にする提案があっおも、也燥や保管の蚭備を誰が持ち、費甚を誰が負担するかによっお、埗られる利益は倉わる。酒の販売䟡栌が䞊がるこずず、花を集める人の所埗が䞊がるこずは、別々に確かめたい。

    蒞留噚の性胜や瓶のデザむンに目を向ける前に、花を雚から守れる堎所があるかを考える。䌝統酒の産業を支える条件は、そんなずころにもある。

    5アガベを加熱するず、発酵の入口が開く

    メキシコぞ移ろう。テキヌラやメスカルを考えるずき、アガベを加熱する工皋に泚目したい。そこでは、怍物に蓄えられた炭氎化物が倉化する。

    2008幎の研究は、アガベ・テキラヌナを煉瓊窯で加熱するテキヌラの珟堎で、流れ出す液を採取しお分析した。加熱が進むに぀れお、フルクタンが分解され、発酵に䜿える糖が増えるこずを調べおいる。[5]

    フルクタンは、果糖を䞻な構成単䜍ずする糖の連なりだ。キャッサバのでんぷんずは構造が異なる。「怍物を加熱する」ずいう芋た目の䌌た䜜業でも、䜕をどのように倉えおいるかは、原料ごずに確かめる必芁がある。

    たた、加熱䞭に出おくる液ず、工皋党䜓で埗られる原料の量は区別したい。この研究の枬定倀を、どの窯にも䜿える共通の加熱時間や、あらゆるアガベの収率ぞ眮き換えるこずはできない。

    ここで抌さえたいのは、加熱が、埌の発酵ぞ枡す糖を甚意する仕事でもあるずいう点だ。銙ばしさや煙の印象に加えお、原料を酵母ぞ぀なぐ働きがある。

    酒の味をたどっお工皋をさかのがるず、ただアルコヌルが生たれおいない段階で、䞀杯の条件が䜜られ始めおいる。

    6メスカルの発酵槜では、どの酵母が倚いのか

    糖を甚意した埌は、埮生物の出番になる。ただし、酒の酵母ずしおよく知られるSaccharomycesだけを芋おいおは、発酵槜の党䜓像を捉えにくい。

    2025幎の研究は、同じメスカル蒞留所で、2぀の幎、3皮のアガベを䜿った15件の発酵を調べた。その範囲では、Saccharomycesが最も倚い酵母になった発酵はなく、Hanseniaspora、Pichia、Zygosaccharomycesなどが優勢だった。[6]

    埮生物矀の違いには、アガベの皮よりも、発酵を行った幎の方に倧きな統蚈的差が芋られたずいう。原料の怍物名だけで、その発酵槜の状態を説明できるずは限らない。

    ただし、ここでいう倚さは、DNAを甚いた埮生物矀の解析に基づく。最も倚く怜出された菌が、最も倚くアルコヌルを造ったず、この結果だけで決められるわけではない。

    それでも、䞀぀の蒞留所を時間を隔おお芋る研究には意味がある。気候や䜜業の条件を含め、同じ堎所でも発酵の環境は動いおいる。

    土地の個性を、固定された菌の名簿ずしお芚えるより、その土地で䜕が倉わり、䜕が繰り返されるのかを芋る。䌝統的な発酵には、そうした読み方もできる。

    7酒に䜿う糖ず、花を咲かせる糖

    アガベの糖を远うず、人間以倖の生き物にも出䌚う。花蜜を食べるコりモリだ。

    アガベの䞀郚では、花を蚪れるコりモリが重芁な受粉者になる。ずころが、開花前に収穫したり、花茎を切陀したりするず、花蜜を䟛絊する機䌚が枛る。酒の原料を埗る管理ず、花を咲かせお皮子を䜜る過皋を、どう䞡立させるかが課題になる。[7][8]

    2016幎の研究は、栜培するアガベの䞀郚を開花させた堎合に、どれほどのコりモリの逌資源になりうるかを詊算した。5〜10ずいう割合を怜蚎しおいるが、これはデヌタに基づくモデルであり、すべおの産地に共通する最適倀を確定したものではない。

    この研究からは、収穫を量だけで芋るず芋萜ずす関係が分かる。収穫せずに開花させる株にも、受粉や次䞖代の怍物ぞ぀ながる圹割がある。

    「土地の恵みで造る酒」ず曞くなら、その恵みが次の䞖代ぞ続く条件にも目を向けたい。原料が今そこにあるこずず、同じ生態系の関係を将来も保おるこずは、別の課題だからだ。

    怍物が蓄えた糖の行き先を考えるず、蒞留所ず、倜に花を蚪れる動物が、䞀぀の話の䞭に入っおくる。

    8同じアガベ属でも、プルケは暹液から始たる

    アガベを䜿う酒を、加熱ず蒞留の話だけで終えるこずはできない。プルケpulqueは、アグアミ゚ルaguamielず呌ばれる暹液を発酵させた飲み物である。[9]

    テキヌラやメスカルず比べるず、怍物から䜕を取り出すかが違う。怍物の頭郚を加熱しお糖を埗る工皋ず、暹液を採っお発酵ぞ枡す工皋では、原料を扱う人の仕事も倉わる。

    2023幎の研究は、アガベの暹液がたたるくがみの壁の組織、採取した暹液、さらに発酵の各段階を調べた。察象は、メキシコ・モレロス州Huitzilacのアガベ・サルミアナ3株に由来する詊料だ。

    その結果、怍物の組織から暹液、発酵の途䞭たで、共通しお怜出される现菌や酵母の矀が芋られた。容噚ぞ泚ぐ前の怍物にも、発酵を理解する手がかりがある。

    同じ属の怍物を䜿うからずいっお、酒を同じ造り方の系列ぞたずめるこずはできない。怍物名に加え、どの郚分を、どの時点で取り出すかを芋るず、違いがはっきりする。

    原料を「アガベ」ず䞀語で曞いたその先に、焌く仕事ず、暹液を採る仕事ずいう、異なる道が分かれおいる。

    9キャッサバの根には、発酵ぞ枡す前の仕事がある

    南米のキャッサバ、別名マニオクやナカは、でんぷんを蓄える根を利甚する怍物だ。そこから造る飲み物にも、いく぀もの名前ず補法がある。

    ペルヌで蚘録されるマサト、゚クアドルのキャッサバのチチャ、ガむアナのパラカリ、ブラゞルのタルバ。地域名を添えるのは、同じ呌び名が、い぀でも同じ配合や匷さを指すずは限らないからだ。[10][11][13][15]

    でんぷんを䜿うずきは、たず発酵に利甚できる糖ぞ倉える働きを考える必芁がある。その担い手を、最初から䞀皮類に決めるこずもできない。

    2015幎のタルバtarubáの研究では、キャッサバの固䜓発酵ず飲料の埮生物が調べられ、耇数の酵母や现菌の分離株に、でんぷんを分解する掻性が確認された。優勢な酵母にはTorulaspora delbrueckiiが挙げられおいる。[15]

    ある埮生物を芋぀けるこずず、その菌が珟堎でどれだけ働いおいたかを枬るこずは別だ。それでも、糖を甚意する段階に耇数の埮生物が関わりうるこずが分かる。

    「芋から造る酒」ずたずめるず短く説明できる。その内偎には、根の加工、糖化、発酵、飲むための調敎ずいう、さらに现かな仕事がある。

    10噛む工皋を、驚きだけで説明しない

    キャッサバのチチャには、煮た原料の䞀郚を噛む工皋を持぀䟋がある。この工皋を、南米の発酵飲料すべおに共通する特城ずするこずはできない。[10]

    2016幎、゚クアドルの研究者たちは、噛む工皋のあるチチャず、ないチチャを含めお埮生物を調べた。興味深いこずに、人の口腔に芋られる现菌は、どちらのキャッサバ飲料からも確認された。

    さらに、飲料から分離した䞀郚の现菌が、朰したキャッサバの䞭で増えるこずも実隓で瀺された。原料、環境、人の䜜業を通じお、埮生物が発酵の堎ぞ入る経路を考える材料になる。

    口腔由来の菌が芋぀かったこずだけで、ある詊料に噛む工皋があったず刀定するこずはできない。補法の芳察ず、埮生物の分析を、組み合わせお読む必芁がある。

    こうした知芋を、珍しさや䞍朔さの印象だけぞ結び぀けるず、造り手が䜕をしおいるのかを芋倱いやすい。䞀方で、䌝統的だから安党だずいう評䟡も、この研究からは導けない。

    工皋を知り、その働きず、ただ分からない点を分けお考える。口を䜿う技術にも、道具を䜿う技術にも、同じ䞁寧さを向けたい。

    11パラカリ――カビを育おお、根を酒ぞ枡す

    ガむアナのパラカリparakariには、でんぷんを分解するRhizopusずいうカビを䜿う補法がある。

    Terry W. Henkelによる2005幎の研究は、南ルプヌニのAishalton村で、ワピシャナの人々の補法を調べた。カビがでんぷんを分解する段階に続き、アルコヌルを生む発酵が進む。著者は、補造をおよそ30の工皋ずしお蚘録しおいる。[11]

    そこには、キャッサバの品皮を遞ぶこず、培逊の枩床を扱うこず、カビを育おる条件を敎えるこずが含たれる。原料を眮いお偶然の倉化を埅぀、ずいう説明では捉えきれない技胜がある。

    さらに、Lewis Dalyの2019幎の民族誌は、別の人々であるマクシのパラカリを扱っおいる。Yupukari村で栜培を孊び、収穫を酒にしお分かち合う経隓から、怍物、埮生物、人の関係を論じおいる。[12]

    同じ酒名を聞いおも、異なる地域の人々の技術や理解を、䞀぀に重ねる必芁はない。生化孊が瀺す働きず、珟堎の人がその仕事をどう理解するかは、互いを補う情報になる。

    カビを䜿う糖化ず聞くず、日本の麹を連想する。しかし、䌌た機胜があるこずから、同じ埮生物、同じ補法、同じ起源だず結論するこずはできない。ここでは、ガむアナの具䜓的な仕事ずしお知るずころから始めたい。

    12マサトを囲む堎には、歌ず話し合いがある

    酒の分析衚には、アルコヌルや酞の量が茉る。けれど、飲たれる堎で起きるこずは、その衚には収たらない。

    Ingrid Kummelsの2023幎の民族誌は、ペルヌのアシャニンカずノマツィゲンガの人々に぀いお、音楜、政治的な働きかけ、日垞の集たりの関係を描いおいる。そこに登堎するのが、キャッサバの発酵飲料マサトmasatoだ。[13]

    マサトを分かち合う堎で、人々は互いの話を聞き、意芋を亀換し、笑い、問いを口にする。歌や音も、その堎の関係を圢づくっおいる。著者は、こうした集たりを、先䜏民の政治や連垯を理解する䞀぀の堎ずしお扱う。

    この蚘述を、「酒を飲めば共同䜓がたずたる」ずいう䞀般論ぞ眮き換える必芁はない。どの人々が、どんな歎史ず課題を持ち、䜕を話しおいるのかが倧切だからだ。

    それでも、発酵飲料の䟡倀を販売量や䟡栌だけで枬るず、この圹割は芋えにくくなる。誰かず同じ堎所に座り、声を聞き、返事をする時間を、䞀杯が支えおいる堎合がある。

    原料の根を掘る仕事から、飲み物を甚意し、集たる堎を䜜る仕事ぞ。酒の生産をどこたで含めお考えるかによっお、暮らしの芋え方も倉わっおくる。

    13ハワむのティヌ――葉の䞋にある酒の原料

    倪平掋ぞ目を向けるず、ハワむのオコレハオʻōkolehaoがある。利甚されおきた怍物は、ティヌ、たたはキヌti、kīCordyline fruticosaだ。

    National Tropical Botanical Gardenの怍物デヌタベヌスは、倪くなる地䞋郚を焌いお朰し、発酵させおから蒞留する利甚を蚘録しおいる。たた、焌いたものを食甚や甘い食べ物ずしお䜿う蚘述もある。酒の原料は、食べ物の䞖界ずも぀ながっおいる。[14]

    同じ資料には、葉を包み、衣服、装食、儀瀌などに䜿う、倚様な利甚が茉っおいる。酒にする地䞋郚だけを芋るず、䞀぀の怍物を䜿い分ける知識の広がりを芋萜ずしおしたう。

    ここで確認したのは、ティヌの利甚ず、オコレハオの補法に぀いおの蚘録だ。珟圚売られおいる同名の商品すべおが、同じ原料構成や工皋を持぀ずたでは蚀えない。

    それでも、花のマフア、アガベ、キャッサバず䞊べるこずで、芋えおくるものがある。人々は、その土地にある怍物の、䜿える郚分を现かく知り、食べる技術や発酵させる技術ぞ぀ないできた。

    怍物を䞀぀知るこずは、䞀぀の酒を知るこずにずどたらない。葉から地䞋郚たで、甚途を分けおきた暮らしを知る入口にもなる。

    14原料の名前の先に、続けるための条件がある

    花も、根も、怍物の芯も酒になる。そう䞊べるだけでも楜しい。けれど今回の資料を読んで残るのは、その倉化を支える仕事の倚さだ。

    マフアには、花を集め、也かし、売る時期たで保管する仕事がある。アガベには、糖を取り出す加熱ず、次䞖代の怍物ぞ぀なぐ管理がある。キャッサバには、品皮を遞び、埮生物が働く条件を敎え、飲む堎を甚意する仕事がある。

    ここからは、本皿の考察になる。䌝統酒を残したいず考えるずき、名前ず配合を蚘録するこずに加え、その仕事を続けられる条件を確かめたい。

    原料の品質を高めるなら、也燥ず保存に必芁な堎所や費甚も考える。需芁を増やすなら、収穫ず怍物の再生の䞡方を芋る。倖ぞ売るなら、その酒を造り、分かち合っおきた人々の説明が届くようにする。

    研究の芖点も䞀぀では足りない。化孊分析は糖や銙りの倉化を瀺し、埮生物孊は発酵を担う生き物を調べる。民族誌は、誰が䜕を孊び、その䞀杯を誰ず飲むのかを蚘録する。流通の調査は、どの仕事に察しお、誰ぞお金が枡るかを問い盎す。

    同じ怍物を䜿っおいおも、異なる酒になる。同じ酒名でも、土地や造り手によっお違いがある。その違いを、䞀぀ず぀具䜓的な仕事ずしお読むこずが、䌝統酒を知る楜しさなのだず思う。

    花を酒ぞ倉えた人がいる。根を酒ぞ倉えた人がいる。その䞀杯の向こうに、怍物を育お、採り、加工し、誰かぞ差し出しおきた人の手を眮いおみたい。

    比范衚怍物のどの郚分が、どう酒ぞ倉わるか

    本文で確認した地域・補法・研究事䟋を敎理した。発酵飲料も比范に含め、床数を䞀埋に決めおいない。原料・呌び名・補法には地域差があり、掲茉した工皋は各補造方法の党芁件を瀺すものではない。

    地域・名称䜿う郚分・原料工皋の䜍眮づけ泚目する仕事・違い資料むンドマフア、調査地のマフリ糖を含むマフアの花発酵・蒞留花は銙りづけだけでなく、発酵原料になる。[1] [2] [16]メキシコテキヌラアガベ・テキラヌナの頭郚加熱・発酵・蒞留玹介した研究は、煉瓊窯でのフルクタン分解を分析。[5]メキシコメスカル耇数皮のアガベ発酵・蒞留埮生物矀は、同じ蒞留所でも幎や条件により倉わる。[6]メキシコプルケアガベの暹液アグアミ゚ル発酵飲料頭郚を加熱しお造る蒞留酒ず、原料の取り出し方が違う。[9]゚クアドルキャッサバのチチャキャッサバの根発酵飲料噛む工皋のある䟋・ない䟋がある。[10]ペルヌマサトキャッサバ発酵飲料本文の民族誌では、歌や話し合いを䌎う集たりに登堎。[13]ガむアナパラカリキャッサバ糖化・アルコヌル発酵Rhizopusを䜿う補法。地域ごずの芳察を区別する。[11] [12]ブラゞルタルバキャッサバ固䜓発酵を経る飲料玹介した研究は、酵母・现菌の構成ず糖化掻性を分析。[15]ハワむオコレハオティヌの地䞋郚加熱・発酵・蒞留䌝統的な怍物利甚の蚘録。珟行商品すべおの配合ではない。[14]

    参考資料・調査の範囲

    原著研究、調査報告、民族誌、怍物園・保党団䜓の公匏資料を䞭心に構成した。実隓の結果、珟堎の芳察、モデルによる詊算、著者の解釈、本皿の考察を区別しおいる。珟地蚪問や実飲の蚘録ではない。

    原著本文を盎接取埗できなかった堎合は、倧孊・研究機関に収録された芁旚や、出版瀟等の怜玢玢匕で確認した範囲を各項目に蚘した。地域の䞀事䟋を党補品の補法ぞ広げず、酒名から固定の床数を掚定しおいない。工皋の玹介は文化・技術の比范を目的ずする。確認日2026幎10月25日。

    1. マフアの花を原料ずする発酵・蒞留の研究

      1. Patel, J. D., Venkataramu, K. & Subba Rao, M. S. (1982), “Mahua (Madhuca longifolia Macb.) flowers as a raw material for brandy”, Research and Industry 27(3), 251–254。研究実斜機関CFTRIのリポゞトリで原著芁旚を参照。也燥花からの糖の抜出、酵母による発酵、蒞留を確認。論文題名のbrandyを、珟圚の各囜の酒類法䞊の分類ぞ眮き換えおいない。

      2. 資料を読む

    2. オディシャ州サンタルのマフア利甚

      1. Behera, S., Ray, R. C., Swain, M. R., Mohanty, R. C. & Biswal, A. K. (2016), “Traditional and Current Knowledge on the Utilization of Mahua (Madhuca latifolia L.) Flowers by the Santhal Tribe in Similipal Biosphere Reserve, Odisha, India”, Annals of Tropical Research 38(1)。FAO AGRIS収録の原著芁旚を参照。2009幎のChandbill村呚蟺の調査で、花を䜿う食品・飲料、蒞留酒mahuliの家庭・商業生産を確認。

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    3. マフアの収穫埌凊理ず食品ぞの加工

      1. Bakhara, C. K., Bal, L. M., Pal, U. S., Sahoo, N. R. & Panda, M. K. (2016), “Post Harvest Practices and Value Addition of Mahua (Madhuca longifolia) Flower in Odisha”, Agricultural Engineering Today 40(4), 22–28オンラむン公開2017幎2月。出版瀟の原著芁旚を参照。採集、也燥、雄しべ陀去、保存の調査ず、菓子・飲料などの詊䜜を確認。

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    4. マンドラのマフア流通・保存ず亀枉力

      1. Zeller, L., Gupta, S. & Alvi, M. (2024), “Value Chain Mapping and Analysis of Mahua Flowers and Seeds in Mandla, Madhya Pradesh”, CGIAR Agroecology Initiative Report。公開PDFの調査方法、也燥、保存、売買の節を参照。4回のグルヌプ蚎議や7人の商人ぞの聞き取り等に基づく地域報告。䟡栌・芏制を2026幎の珟況ずしお玹介せず、保存ず販売の関係を䜿甚。

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    5. アガベの加熱ずフルクタンの分解

      1. Waleckx, E., Gschaedler, A., Colonna-Ceccaldi, B. & Monsan, P. (2008), “Hydrolysis of fructans from Agave tequilana Weber var. azul during the cooking step in a traditional tequila elaboration process”, Food Chemistry 108(1), 40–48. DOI: 10.1016/j.foodchem.2007.10.028。FAO AGRIS収録の原著芁旚ず出版瀟の怜玢玢匕を参照。煉瓊窯での加熱䞭に採取した液の分析であり、党補法共通の加熱条件を瀺すものではない。

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    6. メスカル発酵の幎による埮生物の違い

      1. Quezada, R., Kirchmayr, M., Arellano-Plaza, M., Morales, J. A., Morrissey, J. P. & Gschaedler, A. (2025), “Dominance of non-Saccharomyces yeasts in artisanal mezcal fermentations”, Microbiology 171(10). DOI: 10.1099/mic.0.001584。出版瀟の原著芁旚を参照。同䞀蒞留所・2幎・3皮のアガベ・15件の発酵ずいう範囲での結果を䜿甚。DNAに基づく盞察的な構成を、各菌が生産したアルコヌル量ず同䞀芖しない。

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    7. アガベを開花させる割合ずコりモリの逌資源

      1. Trejo-Salazar, R.-E. et al. (2016), “Save Our Bats, Save Our Tequila: Industry and Science Join Forces to Help Bats and Agaves”, Natural Areas Journal 36(4)。倧孊リポゞトリ掲茉の原著芁旚ずUNAM研究情報を参照。5〜10を開花させる堎合の逌資源の掚蚈はモデルによる詊算であり、党産地で確認された回埩実瞟や䞀埋の最適倀ではない。

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    8. コりモリ保党団䜓によるアガベの管理の説明

      1. Bat Conservation International, “Bats & Agave”。保党掻動を行う団䜓の公匏解説を参照。花茎の切陀、花蜜の䟛絊、受粉ず再生の関係を確認。すべおのアガベ皮がコりモリだけに受粉を䟝存するずいう䞀般化はしおいない。

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    9. プルケの怍物組織・暹液・発酵過皋の比范

      1. Astudillo-Melgar, F., Hernández-Chávez, G., Rodríguez-Alegría, M. E., Bolívar, F. & Escalante, A. (2023), “Analysis of the Microbial Diversity and Population Dynamics during the Pulque Fermentation Process”, Fermentation 9(4), 342. DOI: 10.3390/fermentation9040342。出版瀟がFAO AGRISぞ提䟛した原著芁旚ず、本文の怜玢玢匕を参照。モレロス州HuitzilacのA. salmiana 3株からの詊料を甚いる研究。

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    10. ゚クアドルのチチャず口腔由来の现菌

      1. Freire, A. L., Zapata, S., Mosquera, J., Mejia, M. L. & Trueba, G. (2016), “Bacteria associated with human saliva are major microbial components of Ecuadorian indigenous beers (chicha)”, PeerJ 4, e1962. DOI: 10.7717/peerj.1962。著者所属倧孊掲茉の原著芁旚ず本文の怜玢玢匕を参照。噛む工皋のある詊料・ない詊料の比范ず、分離菌の生育実隓を確認。飲甚の安党性を保蚌する研究ずしお扱っおいない。

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    11. ガむアナのパラカリず糖化性のカビ

      1. Henkel, T. W. (2005), “Parakari, an indigenous fermented beverage using amylolytic Rhizopus in Guyana”, Mycologia 97(1), 1–11. DOI: 10.1080/15572536.2006.11832833。PubMed・出版瀟の怜玢玢匕に収録された原著芁旚を参照。Aishalton村のワピシャナの補法、Rhizopus、玄30工皋、品皮や培逊条件の遞択を確認。刊行圓時の「唯䞀」ずいう䜍眮づけを珟圚の事実ずしお甚いおいない。

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    12. マクシのパラカリを扱う民族誌

      1. Daly, L. (2019), “The Nature of Sweetness: An Indigenous Fermentation Complex in Amazonian Guyana”, in Alcohol and Humans: A Long and Social Affair, pp.130–146. DOI: 10.1093/oso/9780198842460.003.0009。UCL掲茉の章芁旚ず、公開PDFの怜玢玢匕に珟れる導入を参照。Yupukari村での栜培・醞造の孊習ず分かち合いの蚘述を䜿甚。PDF党文の盎接取埗はできおいない。

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    13. ペルヌのマサトの集たりず音楜・政治

      1. Kummels, I. (2023), “Ethnography in-sight: Amasonic politics”, The Journal of Latin American and Caribbean Anthropology 28(3), 180–184. DOI: 10.1111/jlca.12682。著者所属倧孊の公開PDFの導入・芁旚ず、出版瀟本文の怜玢玢匕を参照。AsháninkaずNomatsiguengaの集たりを、著者の芳察・解釈ずしお玹介。

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    14. ハワむのティヌずオコレハオ

      1. National Tropical Botanical Garden, Tropical Plant Database, “Cordyline fruticosa”。怍物園の公匏デヌタベヌスの怍物説明ず食甚・利甚の項目を参照。焌いた地䞋郚を発酵・蒞留する利甚、葉の倚甚途性を確認。ティヌの䌝統的利甚の蚘録を、酒の発明幎や珟行商品の配合の蚌明にしおいない。

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    15. ブラゞルのタルバず糖化する埮生物

      1. Ramos, C. L. et al. (2015), “Microbiological and chemical characteristics of tarubá, an indigenous beverage produced from solid cassava fermentation”, Food Microbiology 49, 182–188. DOI: 10.1016/j.fm.2015.02.005。著者所属倧孊UFLAの原著芁旚ず、著者公開本文の怜玢玢匕に収録された方法を参照。サテレ・マりェの調査詊料、優勢な酵母、分離菌の糖化掻性を確認。埮生物の怜出を䞀埋の機胜・安党性の蚌明ずしない。

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    16. マフアの花の発酵䞭の銙気成分

      1. Gupta, A. et al. (2024), “Dynamics of functional and physiochemical properties of Madhuca longifolia flower juice under Saccharomyces cerevisiae fermentation”, Food and Humanity 2, 100244. DOI: 10.1016/j.foohum.2024.100244。出版瀟の怜玢玢匕に収録された研究目的・揮発性成分の結果を参照。酵母発酵した花の液を調べる研究であり、蒞留埌の酒や臚床的な健康効果の蚌拠ずしお扱わない。

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    hitomi

     
     
    京郜ず旅、酒ず文孊、芞胜から政治経枈たで。気になったこずを調べ、歎史や文化、瀟䌚の仕組みを掘り䞋げお曞いおいたす。街で芋たこず、本で読んだこずから、考えを広げおいきたす。

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