
よその恋ばかり眺めていたら、自分の隣が見えなくなっていた| 同じ日に始めたあの人の数字を追っていた
見なければよかった。
noteを始めて、そう思ったのは初めてだった。
同じ時期にnoteを始めた人がいる。話したことはないけれど、私は勝手に「同期」だと思っていた。その人がある日、始めてからの数字を記事で公開していた。
ビュー【8000】、スキ【4300】、フォロワー【1300】人。
スクロールしていた指が止まった。
気づいたら、自分のダッシュボードを開いていた。
並べたって意味がないことは分かっているのに、ひとつずつ並べた。
ビュー、スキ、フォロワー。桁がひとつ違う項目もあった。
同じくらいの日数、同じように書いてきたはずなのに。何が違うんだろう。
いや、本当は分かっている。
私が足りないんだ。
その夜、記事を書こうとパソコンを開いたけれど、一行も進まなかった。書いても、どうせ。

ステラ・ミリア「ソル……私、やっぱり向いてないのかな。同じ時期に始めた人、もうあんなに読まれてるんだよ」
ソル「その人の数字、今日何回見たワン?」
ステラ・ミリア「……わかんない。何回も」
ソル「じゃあ、自分の記事は今日何回読み返したワン?」
ステラ・ミリア「……一回も」
ソル「よそのカップルの写真ばっかり眺めとったら、隣におる相手の顔を見忘れるワンな」
何も言い返せなかった。友達が自分の恋人をSNSのカップルと比べて落ち込んでいたら、私はたぶん真っ先に「比べるもんじゃないよ」と言っている。
その帰り道、シャッフル再生にしていたイヤホンから、藤井風の曲が流れてきた。歌詞を追うより先に、あのピアノと力の抜けた声が耳に入ってきた。誰かと競っている感じがまったくしない声だった。
聴いているうちに、肩に入っていた力がふっと抜けて、「ああ、自分は自分でいいのか」と思えた。
今日は、そんな私が人と比べるのをやめて気づいたことを書いてみようと思う。
こちらは伴走者のかつぶしさん

あなたにも、つい数字を見てしまう相手がいるのではないだろうか。
その人の成功を素直に喜びたい気持ちと、正直ちょっと悔しい気持ちが、同じ胸の中に両方ある。
スキがひとつ増えるとほっとして、増えない日は自分ごと否定されたような気がする。
もしそうなら、それはあなたが真剣に書いている証拠だと思う。どうでもいいことなら、人は比べたりしないから。
ただ、あの夜の私は、ひとつ大事なことを見落としていた。
ステラ・ミリア「でもソル、比べちゃうのは仕方なくない? 数字って、はっきり見えちゃうんだもん」
ソル「見えとるのは、相手の『結果』だけワン。その人が始める前に何年書いてきたか、どんな夜に何を消したか、そこまでは見えんワンな」
ステラ・ミリア「……自分のことは、全部知ってるのにね」
ソル「そうワン。相手の一番いい瞬間と、自分の一番しんどい裏側を並べとる。それは比べっこじゃなくて、自分いじめワンな」
言われてみれば、私は同期の数字を見て落ち込みながら、その人がどれだけ下書きを積み上げてきたかを一度も想像していなかった。
恋愛でいえば、誰かのデートの写真だけを見て「うちはこんなに楽しそうじゃない」と落ち込んでいたようなものだ。
その二人が写真を撮る前にケンカしていたかもしれないことも、写真に写らない地味な毎日があることも、私は考えていなかった。
ステラ・ミリア「それに、あの人がデータを公開してくれたのって、たぶん後から始める人のためなんだよね」
ソル「やっと気づいたワンな。あれは見せつけじゃなくて、地図ワン。少し先を歩いとる人が『この道はこうなっとるよ』って置いてくれたもんワン」
そう思えた瞬間、あの数字の見え方が変わった。悔しさの材料だったものが、自分の現在地を知るための目印になった。
それから、書くのが少し楽になった。数字を見なくなったわけではない。今でも見るし、増えれば嬉しい。ただ、見たあとに自分の価値まで決めつけることはしなくなった。スキが少ない日でも、自分の書いた文章を好きでいられるなら、それでいい。
比べる相手がいるのは、悪いことではないと思う。
同じ時期に同じ場所で書いている人がいるから、私は今日も書こうと思える🌙
ただ、よその恋ばかり眺めて、自分の隣にいるものを見ないのは、もうやめた🐈
あなたにも、つい数字を見てしまう「同期」はいるだろうか。
もしいたら、コメントでこっそり教えてほしい。私もその人の記事を読みに行ってみたいから。
私はこれからも、自分の文章とちゃんと両想いでいられるように書いていく。
その途中の景色もここに残していくので、よかったらフォローして、ときどき覗きに来てもらえたら嬉しい。