
AI時代の創作メモ|AIに「できますか?」と聞くのは、もう危ない。振り回される人・使いこなす人。創作で必要になる「自分の勝利条件」を決める力(#創作論 #エッセイ #AI論 #AI活用 #思考術 #生成AI #画像生成AI)
AIに「できますか?」と聞くのは、もうやめた方がいい。
たぶん、AIは「できます」と答えるからです。
こんにちは。こんばんは。
普段はラノベを書いている「うら表紙」と申します。
私はこれで、一日半を溶かしました。
少し前、noteのダッシュボードが変わった時のことです。
過去の記録も含めて、これから増えていく数字も自動で取得できたら便利だな、と思いました。
ただ、私はPC操作がからっきしです。
知識もないし、センスもない。
なのでAIに相談しました。
「これ、自動化できますか?」
するとAIは、できますと言うんです。
しかも、そんなに難しくない。
私に知識がなくても、指示した通りに進めれば大丈夫だと。
それならやってみようかな、と始めました。
そこから一日が消えました。
途中でエラーが出る。
AIに聞く。
別の方法を提案される。
試す。
また違うところで詰まる。
そのたびにAIは、
「かなり進んでいます」
「あと少しです」
と言う。
でも、全然あと少しじゃない(笑)。
私はもう、自分が何をしているのかすら分かっていませんでした。
何か英語の文字列をコピーして、見たことのない画面を開いて、AIに言われるまま設定を変える。
失敗したところで、自力では元にも戻せない。
それでも、ここまで時間を使ってしまったので、「今やめたら全部無駄になる」という気持ちが出てきます。
典型的なサンクコストです。
結局、その日は目的を達成できず、翌日へ持ち越しました。
そして二日目、また何時間か作業したところで、ふと思ったんです。
「……これ、手動でやってた方が早くなかった?」
そこでようやく我に返りました。
私はAIに、
「あなたがすぐできると言ったことを信じて、一日半使いました。でも、私はこんなことをしたかったわけではありません。こうならないために、最初に私は何と聞けばよかったのでしょうか」
と聞きました。
その時に気づいたんです。
AIは、別に間違ってはいなかったんですよね。
ダッシュボードの数字を自動で取得する。
技術的には、できる。
そして手順を踏んでいけば、おそらく私はゴールにも近づいていた。
でも、AIと私では「ゴール」の意味が違っていました。
私はただ、自動化したかったわけではなかったんです。
手動よりラクになるなら、自動化したかった。
PCの知識がほとんどない私でも、自分で扱える範囲ならやりたかった。
だから、何か問題が起きるたびに、自分では何をしているか分からない状態でAIへ助けを求め続けなければならないなら、そこまでして自動化する必要はなかった。
つまり私が最初に聞くべきだったのは、「できますか?」ではなかったんです。
「PC知識のない私が、手動より少ない負担で、あとから自分でも扱える形でできますか?」
だったんですよね。
今思えば、私は最初に自分にとっての勝利条件を決めていなかったんだと思います。
AIにとっては、自動取得できるところまで辿り着けば成功だった。
でも私にとっては、手動よりラクで、自分でも扱えて、今後も無理なく続けられるところまで含めて成功だった。
同じ「自動化」について話しているのに、勝利条件がまるで違ったんです。
これ、これからかなり大事なポイントなんじゃないかと思うようになりました。
AIは「できること」をものすごい勢いで増やしてくれます。
少し前までなら専門知識がないから諦めていたことも、今は「できます」と言われる。
でも、「できる」と「自分にとって成功である」は、全然同じではありません。
技術が進歩する前は、「できない」が勝手に選択肢を減らしてくれていました。
できないから諦める。
知らないから人に頼む。
時間がかかりすぎるからやめる。
ところがAIは、その壁をどんどん壊していきます。
すると今度は、人間側が自分の勝利条件を決めなければならない。
どこまでなら時間を使いたいのか。
どこから先は自分の理解領域を超えているのか。
何ができれば自分は満足なのか。
そもそも、それを本当に欲しいのか。
AIが可能性を広げるほど、ここが曖昧だと可能性そのものに振り回されるんですよね。
だから、技術が発達するほど、逆に「自分を知ること」の重要性は増していくのかもしれません。
自己理解というと、なんとなく内面を深掘りするような話に聞こえます。
でもAI時代の自己理解は、もっと実務的なものになっていく気がします。
私が一日半かけて覚えたのは、ダッシュボードを自動取得する方法ではありませんでした。
AIに何ができるかを聞く前に、自分にとっての勝利条件を知っておいた方がいい。
そして、その勝利条件を決めるには、自分が何を欲しくて、何を負担に感じて、どこまでならやりたいのかを知らなければならない。
これは創作をする時も同じです。
自分の中で、「自分の創作の勝利条件は何か」と決めておかないと、AIは永久に選択肢と答えを出し続け、永久に改善できるところを指摘し続けます。
これから技術が私たちの可能性を広げれば広げるほど、その逆側にある「自分」というものの輪郭が、これまで以上に必要になっていくのだと思います。
あとがき:
最近、Xでスコッパーさん(たぶん)が紹介していたアポカリプス系──いわゆる終末世界もののweb小説が目に留まり、試しにプロローグを読んでみました。これが、むちゃくちゃ面白い。アポカリプス系は「非現代(異世界・現代ファンタジー)」だと強い一方、リアル現代を舞台にするとプラットフォーム上ではあまり引きが強くない印象がありました。その“壁”を正面から突破している時点で相当です。まだ20話ほどしか読んでいませんが、間違いなく書籍化されるでしょう。ただ一点だけ、主人公が「力を手に入れた瞬間にナゾのイキリを発症する」という、私が少し苦手な典型的ななろう系主人公なのがつらい(´;ω;`)作品はカクヨムです。気になる方は「氷河期ストレージ」で検索してみてくださいませ。
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