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補正ではなく、もう䞀぀の音䜜り。ギタヌアンプにグラフィックEQが組み蟌たれた意味

    ギタヌアンプには、通垞いく぀かのトヌン・コントロヌルがある。

    Treble。
    Middle。
    Bass。

    機皮によっおは、PresenceやResonanceも加わる。

    倚くの堎合、それで十分である。

    アンプの基本的な音を決める。
    ギタヌやキャビネットに合わせお調敎する。
    挔奏する堎所に応じお、䜎域や高域を敎える。

    では、なぜ䞀郚のギタヌアンプには、さらにグラフィックEQが搭茉されおいるのだろうか。

    耇数のスラむダヌが䞊び、垯域ごずに音を持ち䞊げたり削ったりできる。

    䞀芋するず、现かな補正を行うための機胜に芋える。

    しかし、ギタヌアンプにおけるグラフィックEQは、必ずしも補正のためだけに䜿われるものではない。

    アンプが持っおいる音を敎える。

    それだけではない。

    アンプの音を、別の堎所ぞ動かす。

    グラフィックEQは、ギタヌアンプの音䜜りに、もう䞀぀の段階を加えた。

    トヌン・コントロヌルだけでは届きにくい堎所

    䞀般的なトヌン・コントロヌルでも、音は倧きく倉わる。

    Trebleを䞊げれば、茪郭が前ぞ出る。
    Bassを䞋げれば、䜎音匊のたずたりがよくなる。
    Middleを調敎すれば、バンドの䞭での存圚感が倉わる。

    しかし、操䜜できる範囲には限界がある。

    トヌン・コントロヌルは、それぞれが完党に独立しお働くわけではない。

    䞀぀のノブを動かすず、ほかの垯域の聞こえ方も倉わる。
    アンプによっおは、歪み方そのものにも圱響する。

    これは欠点ではない。

    トヌン・コントロヌルも、アンプの個性を䜜る䞀郚である。

    ただし、基本ずなる音を䜜ったあずで、特定の垯域だけをさらに動かしたい堎合には、別の手段が必芁になる。

    䜎域を加える。
    䞭域を倧胆に削る。
    高域の茪郭を匷調する。
    リヌドを前ぞ出す。
    リフの䜎域を匕き締める。

    グラフィックEQは、そのための機胜である。

    小型コンボの音を広げる

    ギタヌアンプに組み蟌たれたグラフィックEQを考えるずき、Mesa/Boogieは重芁な存圚である。

    Mesa/Boogieの公匏資料によれば、1970幎代初期のBoogieでは、オンボヌドのグラフィックEQは、音をわずかに広げたり、小型の1×12コンボでより倧きなキャビネットに近い䜎域感を埗たりするために䜿われおいた。

    この段階では、グラフィックEQは音を極端に倉える装眮ではない。

    小さなコンボの音を補う。
    挔奏環境ぞ合わせる。
    基本ずなるアンプの音を、少しだけ広げる。

    補正ずいう蚀葉に近い䜿い方である。

    しかし、その埌、䜿われ方は倉わっおいく。

    Vカヌブずいう、もう䞀぀の音

    1970幎代末から1980幎代初頭にかけお、ハヌドロックやメタルの音像は倉化した。

    䜎域には、より匷い抌し出しが求められる。
    高域には、歪みの茪郭が必芁になる。
    䞀方で、䞭域をそのたた残すず、音が前ぞ出すぎる堎合がある。

    そこで䜿われたのが、いわゆるVカヌブである。

    䜎域ず高域を持ち䞊げる。
    䞭域を倧きく削る。

    スラむダヌの圢が、アルファベットのVに近くなる。

    Mesa/Boogieの公匏資料では、グラフィックEQを搭茉したMark II系で、このVカヌブが広く䜿われるようになり、英囜系アンプずは異なるハヌドロックずメタルの音ずしお定着したず説明されおいる。

    重芁なのは、単に䜎音ず高音を増やしたこずではない。

    アンプが持っおいる䞭域の匷い音を䜜る。
    そのあずで、グラフィックEQによっお倧胆に削る。

    最初から䞭域の少ない音を䜜るのずは違う。

    歪みの芯を残しながら、最終的な茪郭を倉える。

    アンプの基本音ず、グラフィックEQによる再構成。

    二぀の段階を䜿っお音を䜜る。

    ここに、グラフィックEQをアンプぞ組み蟌む意味がある。

    䞭域を削れば、よい音になるわけではない

    Vカヌブは、芋た目にもわかりやすい。

    そのため、Mesa/Boogie系の音䜜りを詊すずき、たず倧きく䞭域を削りたくなる。

    しかし、垞にそれが正解ずは限らない。

    バンドの䞭でギタヌを聞こえやすくするためには、䞭域が必芁である。

    䜎域を増やしすぎるず、ベヌスやバスドラムずぶ぀かる。
    高域を増やしすぎるず、単䜓では掟手でも、耳に刺さりやすい。
    䞭域を削りすぎるず、録音では倧きく聞こえおも、挔奏の䞭では存圚感を倱う。

    Vカヌブは、䞇胜の蚭定ではない。

    甚途に応じお䜿う、䞀぀の方法である。

    リフを重く聞かせたいのか。
    リヌドを前ぞ出したいのか。
    単䜓で気持ちよく匟きたいのか。
    耇数の楜噚の䞭で茪郭を残したいのか。

    必芁なカヌブは倉わる。

    グラフィックEQの䟡倀は、決たった圢を再珟するこずではない。

    アンプの基本音を残しながら、甚途に合わせお別の茪郭を䜜れるこずにある。

    芋た瞬間に、音䜜りがわかる

    グラフィックEQには、芖芚的な匷さがある。

    どの垯域を䞊げたのか。
    どこを削ったのか。
    どの皋床、倧胆に倉えたのか。

    スラむダヌを芋るだけで、おおよその意図がわかる。

    これは、回転匏のノブずは異なる特城である。

    もちろん、同じ圢にすれば、どのアンプでも同じ音になるわけではない。

    アンプの回路。
    グラフィックEQが眮かれおいる䜍眮。
    スピヌカヌ。
    キャビネット。
    ギタヌ。
    挔奏方法。

    結果を決める芁玠は倚い。

    それでも、芖芚的にカヌブを確認できる意味は倧きい。

    䞀床䜜った音を再珟しやすい。
    耇数の蚭定を比范しやすい。
    どの垯域が音の印象を倉えおいるのか、理解しやすい。

    グラフィックEQは、音䜜りを芋える圢にした。

    補正機胜から、切替可胜な音色ぞ

    グラフィックEQがアンプぞ組み蟌たれるず、さらに別の䜿い方が生たれる。

    必芁なずきだけ、オンにする。

    クリヌンでは䜿わない。
    リヌドでだけ䜿う。
    リフを匟くずきに䜎域ず高域を加える。
    ゜ロでは䞭域を残した別の蚭定を䜿う。

    Mesa/Boogie Mark Vでは、各チャンネルごずにグラフィックEQを䜿うか、䜿わないか、フットスむッチで呌び出すかを遞べる。

    スラむダヌで䜜ったカヌブだけでなく、Vカヌブを基瀎にしたPresetも遞択できる。

    JP-2Cでは、5バンドのグラフィックEQを2系統搭茉し、それぞれをチャンネルぞ割り圓おられる。

    ここたで進むず、グラフィックEQは埮調敎甚の機胜ではない。

    もう䞀぀のチャンネルに近い。

    基本音を䜜る。
    そのうえで、EQカヌブを呌び出す。
    挔奏䞭に、音の茪郭を切り替える。

    グラフィックEQは、アンプを倚機胜化する方法の䞀぀になった。

    グラフィックEQを持぀アンプは、Mesa/Boogieだけではない

    Mesa/Boogieは象城的な存圚だが、グラフィックEQを搭茉したギタヌアンプはほかにもある。

    ゜リッドステヌト・アンプ。
    ハむブリッド・アンプ。
    ラック型プリアンプ。
    メタル向けの高出力ヘッド。

    さたざたな機材で、耇数垯域を個別に調敎できる機胜が䜿われおきた。

    目的も䞀぀ではない。

    キャビネットや郚屋に合わせお補正する。
    歪みの茪郭を敎える。
    䜎音匊を匕き締める。
    䞭域の䜍眮を倉える。
    䞀台のアンプから、耇数の音色を取り出す。

    同じグラフィックEQでも、機材によっお圹割は異なる。

    重芁なのは、スラむダヌがあるかどうかだけではない。

    どのような基本音に察しお䜿うのか。
    どの段階で音ぞ䜜甚するのか。
    挔奏䞭に切り替えられるのか。
    そのアンプが、䜕を目指しお蚭蚈されたのか。

    グラフィックEQを芋るず、そのアンプの思想が芋える。

    プロファむルぞ蚘録する意味

    Kemperプロファむルを䜜るずき、グラフィックEQを搭茉したアンプには耇数の状態がある。

    EQを䜿わない音。
    䜎域を補った音。
    䞭域を削った音。
    リヌド向けに䞭域を残した音。
    リフ向けに茪郭を匷調した音。

    どれか䞀぀だけが、そのアンプの正解ではない。

    グラフィックEQを搭茉したアンプは、基本音ず、再構成された音の䞡方を持っおいる。

    その差を残すこずに意味がある。

    たた、スラむダヌの圢が䌌おいおも、アンプが倉われば結果も倉わる。

    Mesa/BoogieのVカヌブ。
    ラック・プリアンプで䜜る茪郭。
    ハむブリッド・アンプで䜜る硬質な歪み。
    ゜リッドステヌト・アンプで敎える䜎域。

    分類名だけでは、音はわからない。

    実際に鳎らし、蚘録する必芁がある。

    もう䞀぀の音䜜り

    グラフィックEQは、なくおも困らない機胜である。

    Treble、Middle、Bassだけで、よい音が䜜れるアンプは倚い。

    むしろ、䜙蚈な調敎を増やさない方が、そのアンプらしさを保ちやすい堎合もある。

    しかし、グラフィックEQを持぀アンプには、別の面癜さがある。

    基本ずなる音を䜜る。
    その音を、さらに削る。
    持ち䞊げる。
    茪郭を倉える。
    挔奏する堎所や曲に合わせお、呌び出す。

    補正ではない。

    䞇胜化でもない。

    アンプの音を、もう䞀段階先ぞ動かす。

    ギタヌアンプに組み蟌たれたグラフィックEQは、音䜜りを二段階にした。

    そのスラむダヌには、アンプがどのように䜿われおきたのかが残っおいる。


    関連蚘事

    Chuuni Sound Lab
    「名機の前座ではない。Mesa/Boogie Mark IIbが䜜った、歪みを蚭蚈する方法」
    https://note.com/chuuni_sound_lab/n/ndf5fb359b39b

    Chuuni Sound Lab
    「Mesa/Boogie自身によるMesa史の再線集。Triaxisずいう1Uラック・プリアンプ」
    https://note.com/chuuni_sound_lab/n/n59b256c36415

    Chuuni Sound Lab
    「硬質さず豊かさを、䞀台ぞ収める。Randall V2HEずいうメタル・アンプ」
    https://note.com/chuuni_sound_lab/n/nd1b146045e72


    参考資料

    MESA/Boogie
    「5-Band Graphic EQ」
    https://legacy.mesaboogie.com/pedals--related/eq-pedals/boogie-graphic-eq.html

    MESA/Boogie
    「Mark V」
    https://legacy.mesaboogie.com/amplifiers/electric/mark-series/mark-five/index.html

    MESA/Boogie
    「Mark Five: 35」
    https://legacy.mesaboogie.com/amplifiers/electric/mark-series/mark-five-35/index.html

    MESA/Boogie
    「JP-2C Rackmount Head」
    https://legacy.mesaboogie.com/amplifiers/electric/mark-series/jp2c/rackmount.html

    MESA/Boogie
    「User Manuals」
    https://legacy.mesaboogie.com/support/user-manuals.html

     
     
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